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NTT、荏原と次世代燃料電池のフィールド試験

  NTT(9432)は13日、荏原(6361)および荏原バラードと共同で、次世代燃料電池のひとつとして注目される固体高分子型燃料電池(PEFC)によるコージェネレーション(熱電併給)システムのフィールド試験を14日から開始すると発表した。オフィスビル向けに適した250kW級の同燃料電池ユニットとしては、アジアで初の試みという。

  PEFCは、先行して開発されたリン酸型や固体酸化物型に比べて作動温度が低く、起動・停止の切り替えも容易なことから、自動車の動力源やオフィスビルの発電システムとして需要の広がりが見込まれている。テストに使うのは、荏原やカナダのバラード・パワーシステムズなどによる合弁会社「バラード・ジェネレーション・システムズ」が開発した都市ガス用定置式250kW型ユニットと、荏原のPEFC用低温水吸収冷凍機を組み合わせたものとなる。

  従来、PEFCでは困難とされた冷房用のコージェネとして試験する。同時に、NTTがリン酸型の研究で培ってきた通信用コージェネの設計や運用ノウハウも生かし、経済的な運転モードの開発にも取り組むという。期間は2年間。試験の成果について、NTTは電力自給率向上に、荏原はトータルシステムの開発販売に、さらに荏原バラードは商用PEFCの製造販売に、それぞれ生かしていく。

■URL
・ニュースリリース
http://www.ntt.co.jp/news/news00/0012/001213.html
・NTT
http://www.ntt.co.jp/
・荏原
http://www.ebara.co.jp/

(池原照雄)
2000/12/13 16:49