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NTTドコモ、iモード決済で外銀と提携模索

  NTTドコモ(9437)は、インターネット対応の携帯電話を使った新決済サービスに、来年前半にも本格参入する方針だ。このため、既に世界展開を視野に入れ、リテール(小口取引)に強い外資系銀行と提携の可能性を探っている。

  インターネット利用の急速な広がりで個人向けEコマースの成長が期待されるが、同社調査による「iモード利用者のうち、49%がパソコンを持っていない」という利用者層のズレに着目した。携帯電話は、情報検索などの面でパソコンに劣るものの「2002年中にiモード利用者が3,000万人を超える」という若者中心の普及度を生かし「M(モバイル)コマース」の新分野を開拓して世界標準を目指す。

  ドコモ関係者によると、次世代規格に基づく「W-CDMA」のサービス(FOMA)を始める2001年5月ごろまでに、銀行、クレジット会社、各種小売り・サービス業者と提携を実現する構え。新規格に基づく次世代主力機種には、東芝(6502)のほか、ノキア、インテル、IBM、エリクソンが開発した近距離無線技術「ブルートゥース」も搭載し、携帯電話によるさまざまな資金決済ができることを売り物にする戦略だ。同社の携帯電話の買い替えサイクルは平均8カ月と短いため、2~3年のうちには新機種が標準になるとみている。

  ある大手外資系銀行の幹部は、ドコモとの提携が「有力な選択肢」であることを認めており、近く交渉入りすることを示唆。同行は非接触型のICカードによる決済サービスの展開も並行して検討しているが、「ICカードの普及のためには読み取り機、ネットワーク、新型POSシステムなど、世界展開のための投資が1兆円前後になると試算される。これに対し、ドコモとの提携による“Mコマース”は、インフラ投資が大幅に縮減できる」としている。

■URL
・NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/
・NTTドコモ、AT&Tと資本提携し米へ本格進出
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/11/22/doc1125.htm
・2001年3月期の純益は3,470億円に~iモード効果のNTTドコモ
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/11/14/doc1037.htm
・IMT‐2000サービスを“FOMA”ブランドで展開~NTTドコモ
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/11/30/doc1218.htm

(小倉豊)
2000/12/08 17:52