リキッドオーディオ・ジャパン（4740）は4日、内部調査委員会の第2回中間報告を発表した。同委員会は、大神田前社長「拉致監禁事件」容疑などが発覚したことを契機に設置された。第1回中間報告は11月2日に開示したが、その後さらに「暴行事件」容疑が発覚したため、今回の報告はこれに関しての内部調査も含んでいる。

　 「拉致監禁事件」および大神田と反社会的勢力との関わりや、「暴行事件」容疑に伴う再逮捕について今後の公判、捜査の行方によるが、「拉致監禁事件」に対する役員、社員の関与がないことを再確認しているという。

　 「暴行事件」については、役員、社員にそういった事実を知っているものがいなかったことを強調。「反社会的勢力」とのかかわりについても、経営に関与することは今後においてもまったくありえず、資金が流出するような事実もない。

　 さらに、大株主の「スーパーステージ」との関係については、大株主として出資を受けているだけで、貸借関係、営業面における取引関係もまったくないとしている。

　 一方、第1回中間報告を公表後、元取締役の山下氏から「事実と相違する点がある」と指摘を受けたことに対しては、表現に未熟で不適切な点があったとして詫びている。

　 同社では、このような前社長の不祥事などを踏まえ、「企業行動規範委員会」の新設や外部コンサルタントによる社内指導など、同報告書のほかに「コンプライアンス体制の確立についての具体的施策」を同時に公表している。

　 不祥事に絡んだ点を調査したりコンプライアンス体制を強化したりして信用回復に努めるのは重要ではあるだろうが、投資家からみれば早く売上を伸ばしていってほしい――が本音。それからでないと、なかなか利益の議論にまでいかない。

　 また、元役員宅から車が盗まれた事件にも大神田容疑者が関与しているとして、警視庁は5日にも同容疑者の3度目の逮捕に踏み切る方針を明らかにしている。