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●予算編成、大詰めへ
明日から師走、いよいよ予算の季節である。
来年度から5年間の防衛力整備と予算規模を定める次期中期防衛力整備計画(次期防)の策定を巡る要求官庁(防衛庁)と査定官庁(大蔵省)の攻防戦が大詰めを迎えている。 焦点は予算の伸び率(実質平均)。防衛庁は「1.5%以上」を主張、現行計画と同水準(0.9%)に抑えようとする大蔵省との間で綱引きが続いているが、読売によれば「政府は・・・1%前後とする方針を固めた」という。
次期防の閣議決定は来月中旬。今後、防衛の「族」議員らが参戦してくることも考えれば、この記事の情報源が大蔵省であることは疑う余地がない。俗に言う「観測気球」というヤツですな。
◇次は、カネの出所(財源)を巡るニュース。朝日によれば、大蔵省は日本道路公団の高速道路建設に「2003年度にも税金を投入する方針を固めた」という。
財源としては、揮発油税などの道路特定財源を充て、高速道路に投入する分だけ一般道路向けの予算をカット。関連法案は年明けの通常国会に提出、大蔵省は法案成立を前提に来年度予算で調査費の一部を認める方針という。
本決まりとの印象を与えるが、これも大蔵省発の観測記事のようだ。というのも、日経の5面を見ると、<「税金で高速道」見送り>という記事が掲載されているから。この税金投入には地方自治体の建設費負担も含まれているため、道路の「族」議員らが反発、関連法の所管官庁である建設省が次期通常国会への改正案提出を見送ることにしたという。
◇国だけでなく、地方の来年度予算編成・税制改正作業も佳境に入っている。「大型ディーゼル車高速道路利用税」「産業廃棄物税」「パチンコ税」「ホテル税」と、新税構想を次々と打ち上げている東京都の税制調査会の最終答申案に、「環境税の検討」が盛り込まれていることが分かった。
東京によれば、答申案の中に今後の税制の在り方として「環境に配慮する税制」との項目を設け、環境税について「地方環境税という地方税として導入すべきだ」との意見が盛り込まれているという。銀行への外形標準課税の適用に続き、環境税でも国に先んずる形となるが、都民の反応は如何に?
◇これも自治体のおカネにまつわる話。都営地下鉄と大阪市営地下鉄の職員が、車椅子の乗客の階段昇降を介助した場合、300円から450円の特別手当ての支給を受けていることが分かった、と産経が報じている。
ボランティアと思っていた介助作業に「褒賞手当て」が付いていた。一方で、駅員に頼まれ介助を手伝っていた一般の乗客には“無償の介助”を要求・・・。都と大阪市は、理屈を並べる前に、まずこの矛盾に答えよ!
◇おカネ絡みのトップニュースのしんがりは、呆れ返るずさん融資。破綻した千代田生命保険が1992年までの3年間にわたり、“ドン”として君臨した神崎安太郎前会長が取締役を兼任していた不動産会社に230億円を融資、大半が回収不能となっていたことが分かった、と毎日が報じている。
◇日経のトップは、証券資金決済システムを巡るニュース。東証は来年3月をメドに証券会社と郵便局をオンラインで結び、投資家が株式などを決済した際、代金を即座に郵便局の貯金口座で決済できるようにするという。
【IT】
●吼える孫氏の狙いは?
3度読み返し、意味が分かった。下手くそな記事を取り上げるのはいささか気が引けるが、ほかにIT絡みの話題がないので、下手くそな産経の記事を敢えて紹介する。
6日のIT戦略会議の席上、ソフトバンク(9984)の孫正義社長が、電気通信審議会・電気通信事業部会の部会長を務める斎藤忠夫東大教授に「部会長辞任」を迫った。斎藤氏がNTT東西会社によるDSL参入会社“イジメ問題”で、郵政省寄りの発言を行ったことが辞任勧告の理由とか。
向かうところ敵なし?の孫氏に一言。ついでに、森喜朗首相にも辞任を勧告してよ!
【トピック】
●“疑惑”のアノ人も・・・
大晦日恒例の「NHK紅白歌合戦」の出場歌手が決まった。
借金疑惑に揺れるおカマ歌手、マル暴との交際疑惑が取り沙汰されている演歌歌手、夫の逮捕(覚醒剤所持容疑)に涙した川中美幸ら「?」が付いていた歌手がすべて「当選」。ファイナンス・ウオッチ編集長ご推薦の氷川きよしも初出場を果たした。
[メディア批評家 増山広朗]
■URL
・瓦版一気読み バックナンバー
http://www.watch.impress.co.jp/finance/kawaraban/index.htm
2000/11/30
09:07
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