情報は時とともに劣化する・・・
【1面トップ】
●陶芸家の自作自演
政局も小休止、幸いこれといった事故・事件もなく、今朝は調査報道など6紙6様のトップとなった。<大臣規範、省庁再編機に>は読売。2001年1月6日の省庁再編のスタートに合わせ、首相、閣僚、副大臣、政務官が守るべき倫理規定や行動指針を定めた「大臣規範」を適用するというもの。官僚だって倫理規定は、今年から法律に縛られているのだから当然の措置。政務次官を廃止して新設される副大臣は22人、政務官は26人にものぼる。株取引の自粛や民間企業役員との兼務禁止など通り一辺で、しかも罰則規定は設けないという甘さ。省庁再編の最大の狙いは、政治の主導権を「官」から「政」が奪還するところにある。なのに、倫理規定が官より緩いのでは・・。
◇また、自作自演騒動? 東京は、京都の陶芸家が復元したという韓国伝統の高麗青磁は偽装だったと報じている。14世紀に途絶えたという高麗青磁だが、「韓国の無名作家の作品に自分の号を入れ」、復元したと偽って世界各地で展覧会を開いていたというから悪質だ。
◇日経はWTO(世界貿易機関)を舞台にした国際紛争が頻発しているため、与党3党が政府に「専門処理機関」を発足させるという構想を紹介。各寮経験者や法曹関係者らのほか、臨時で関係する業界の代表者も非常勤で任用するという。
◇朝日は、高率で肝硬変や肝がんになる「C型肝炎ウィルス」の感染者検査の実施を市町村に指導しているのが8府県にとどまっているとの調査報道。毎日は昨年6月に破たんした第2地銀の東京相和銀行が“売れない”という話。一部資産に引き取りをめぐって米投資会社への譲渡が「暗礁に」乗り上げている。産経は、2001年度の児童手当拡充をめぐって28日から「与党3党の協議が本格化する」。
【IT】
●コンビニのキオスク戦争
「万能?コンビニのネット端末」と毎日がまとめ記事。大手コンビニは競って、いわゆるマルチメディアキオスク(MMK)を全店に配置する計画を進めている。チケットの購入やデジタル写真のプリントといった基本的機能から、ATM機能やレジとの連携など「何でもできる」タイプまで各社各様のハードで競うが、果たして「21世紀の生活になくてはならない存在なのか」と疑問を呈している。
◇産経は第2社会面で、<「闇に侵食されるIT」>。リキッドオーディオ・ジャパン(4740)事件の深層を探りながら、東証マザーズの上場審査の甘さを批判している。
【トピック】
●好きにしたら・・・
えっ!やっぱりね。お兄ちゃん、相撲協会退職するのね。3代目若乃花の藤島親方が「芸能界“入門”」(産経)と、相撲界からのリタイアを各紙が報道している。テレビCMやF1の解説など、すでにタレント活動を活発にやっていたので違和感はないが、母親の出版といい、この一家、土俵外でも大活躍。勝手にしてよ。
◇26日のG1競馬「ジャパンカップ」は、またまたテイエムオペラオーの勝利。獲得賞金は12億円台に乗り、歴代トップに。これで今年のレースは全勝、G1だけでも4勝目を数える。暮れの風物詩「有馬記念」もテイエムで決まりだ。自在な足さばきは、政治も景気も冴えない日本の足取りを忘れさせる爽快感がある。
[メディア批評家 増山広朗]
■URL
・瓦版一気読み バックナンバー
http://www.watch.impress.co.jp/finance/kawaraban/index.htm
2000/11/27
09:11
|