三洋電機(6764)は22日、音声を聞き取りやすいように変換し電話などの通話に応用させる「ゆっくり通話技術」を開発した、と発表した。高齢者を中心に電話などでは話し方が早口になればなるほど聞き取りづらくなるが、これを独自技術で聞き取りやすい速度に変換するもの。計26件の特許を出願しており、製品への応用を計画していく。
新技術は、早口の音声を音程を変えずに音声波形を伸張させることで、自然でゆっくりとした音声に変換する。また、音声をゆっくりとさせると出力することに時間が掛かってしまうので、有音部分だけをゆっくりに変換し、無音部分は違和感を損なわない程度に削除することでリアルタイム性を高めていくことに成功した。いわば早口で話しているのに比べ、遅延の少ない変換が可能になった。
音声にゆっくり通話技術を使い、50歳以上の55人に聞いてもらう実験をしたところ、毎秒で約10モーラ(1モーラはひらがな約1文字)ゆっくりさせると、聞きやすくなるとの実験結果を得ており、新技術の有用性を確認している、としている。
■URL
・三洋電機
http://www.sanyo.co.jp/
(市川徹)
2000/11/22
16:57
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