情報は時とともに劣化する・・・
【1面トップ】
●シラケ鳥飛んで加藤紘一は消える・・・のか。
まっちらぁけぇぇぇぇ~~~・・・。森首相内閣の不信任案をめぐって、自民党の加藤・山崎両派による“打倒一揆”は、20日夕になって不信任決議案に「出席、賛成」から「欠席」に方針転換され、不信任案は否決で最終決着をみた。
20日午後10時から始まった審議は途中、保守党の松浪健四郎議員が壇上から野党席に向かってコップに入った水を投げ掛けたことで紛糾。とんだオマケ付きで採決が終わったのは21日午前3時過ぎ。当然、各紙は最終的な結果を掲載することは間に合わず、「内閣不信任案否決へ」(朝日、産経、読売、日経、都内最終版、以下同)、「加藤・山崎派が一転欠席」(毎日、東京)とイマイチ間の悪い見出しが並んでいる。
あ~あ、それにしてもここ1週間の大騒ぎはなんだったのか。普段は政治ネタに目もくれない人たちまで「加藤派と山崎派は・・・」なーんて口にしていたのにねえ。もちろんこの2人の行動に異議を唱える政治家以外の人は多かろうと思う。「なんだかんだ言いながら総理になりたいだけじゃないか」、「あんなキレイ事だけでは政治が出来るわけ無いだろ」等々。でもさ、「国民の信頼が20%以下といった体たらくのこの内閣に、誰がついて行くか」の加藤氏の発言の方が、はるかに一般市民の感覚には近いものがあったことは事実だし、だからこそみんなこの事態の推移に振り向いたのではないの?
だがしかし、結果は「あ~あ」である。「徹底的な自民党主流派の加藤派切り崩し工作に、同派内には離反者が相次ぎ」(朝日)、このまま不信任案決議で投票しても勝ち目はどんどんと薄らいでいった。土壇場になって欠席をきめこみ、なんのことはない、たいした話題にもならない不信任案決議の席となっただけであった。
朝日は「決戦どたん場、腰砕け」、「欠席で幕・失望・怒り・あきれ顔」の見出しを社会面で立てて詳細に報じている。「こっちは腹くくってきたのに」と吐き捨てる石原伸晃氏、「自民党には改革が出来る人がだれもいないということがはっきりした」と野党。ついでに公明党の若松謙維氏が「つまんねえや」。若松氏は「結局、権力闘争に過ぎなかったことが露呈した。とんでもない。そういうのが自民党にいるから日本は良くならない」とバッサリ切り捨てている。もひとつおまけに「多少の感情が残ってしまうかもしれないが、これが自民党のいいところ」と自民主流派、さらに「本会議場で森首相はニヤリと薄笑いのような笑みを浮かべて・・・」。どいつもこいつも・・・。
結局は単なる茶番劇だったのか。不利と分かった時点で加藤氏は「みんなは欠席して、私と山崎さんだけが出席して不信任案に賛成する」と言い放ち、加藤派議員に説得される光景もテレビでは延々と流されていた。加藤氏も周囲も目に涙をいっぱい溜め、加藤派議員は「あなたは大将なんだから、あなたがリーダーなんだから」と必死の説得である。うーむ、なんという涙ぐましい光景であろうか。これが男の世界か。これが志を一つにした人間たちだからこそなし得る美しさか・・・ばかやろー。そんなものを見たくてこの1週間の動きに注目していたわけではねーだろーがー。
【IT】
●ソニーのTS、先見性発揮となるか
各紙に昨日発表されたソニーの「事業部門株発行へ・事業の価値鮮明に」(日経)の記事。トラッキング・ストック(TS)と呼ぶもので、「子会社の経営権を親会社が100%握ったまま資金調達できるのが利点」だという。2001年3月に発行する見通しで、同時に東証1部へ上場する。
さっすがソニーとほめたたえる人もいるであろうし、それは一体なに?と疑問ばかりの人も多かろう。現在の商法では配当上限を認めないものは発行が認められない可能性を残しているなど、見通しの悪さは否定できないが、メリットがあると判断できるものはいち早く導入する同社の姿勢は評価されるべきであろう。
【トピック】
●爛れている人は南方にも
今年7月、沖縄・那覇市で開かれた「九州・沖縄サミット首脳会合歓迎レセプション」で招待客の町議会議長が「テーマソングを歌った歌手の安室奈美恵さんに抱きつき、セクハラの疑いがあるとする騒ぎになっていることが分かった」(産経)。なんなの、これ?半年近くも過ぎた今になって問題になることも“問題”だけど。国家の行く末を預かる政治家もとんでもないヤツばっかりだが、その縮図ともいえる地方自治体の議会議長までもがこれである。日本はやっぱり爛れている。えっ?今に始まったことではないって?そのとおりのようです、はい。
[メディア批評家 増山広朗]
■URL
・瓦版一気読み バックナンバー
http://www.watch.impress.co.jp/finance/kawaraban/index.htm
2000/11/21
10:10
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