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相場環境の悪化からまた上場延期~ジュピターテレコム

  12月8日に東証マザーズ上場予定だったジュピターテレコム(4817)は20日、最近の株式市場の状況を考え上場(公募、売り出し)を一時延期すると発表した。市場が回復し次第、上場に伴う手続きを再開する方針としている。

  ここ直近で、相場環境の悪化を主な理由として上場・公開を延期もしくは中止したのは、ソフトブレーン(4779、マザーズ上場予定日8月28日)、CSKネットワーク(4796、東証2部10月24日)、クリエイションカード情報システム(2677、ナスダック11月9日)、ハンズオン・エンタテインメント(4803、店頭11月17日)、タニコー(3427、同11月21日)、ブイシンク(4802、マザーズ11月14日)、ドリーム・アーツ(4811、ナスダック11月22日)があり、ジュピターで8社目となる。

  相場の需給関係や海外市場の動向が懸念されるなか、政局までも複雑にからんできた形だ。10月12日付「CSKネットワークシステムズが東証2部上場を延期」で報じたように、上場・公開延期が前回相次いだのは1997年10月ごろから翌年の前半まで。当時は金融・信用不安が台頭し、引受幹事がいなくなるという事態にまで追い込まれた。

  ただ、現在はそれほど深刻な環境ではないし、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)に大きな不安があるわけでもない。需給も政治も相場悪の理由付けにはなるが、現在の相場は行き過ぎた株価を是正する「バリュー調整」が進んでいるといえよう。いわゆるネット関連株と呼ばれる企業の時価総額が20~30億円程度のものも多くなってきており、昨年に比べると大きく縮んでいる。そのバリュー調整も、適切な水準まで来たとみる証券関係者も少なくないのだが。

■URL
・ジュピターテレコム
http://www.jcom.co.jp/
・東証新規上場承認の取消しについて
http://www.tse.or.jp/news/release/article/200011/001120_b.html
・日本最大のCATV統括会社が12月にマザーズ上場
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/11/08/doc976.htm
・CSKネットワークシステムズが東証2部上場を延期
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/10/12/doc675.htm

(別井貴志)
2000/11/20 14:26