サンデン
6444
|
☆☆
|
自動車部品業界の逆風下、来期は2ケタ経常増益に
|
カーエアコン用コンプレッサー大手であるサンデンの投資判断は、買いを継続する。自動車メーカーからの値引き要請、旧ビッグ3の減産など逆風下にもかかわらず、同社は逆に来2002年3月期以降、業績の増益転換が見込まれる。また第2の柱である流通システム事業については、自動販売機事業の需要は国内外とも依然低調であるものの、ここにきて大手コンビニエンスストア向け店舗システムの需要にやや明るさが見え始めてきた。同社株のパフォーマンスは最近好調で、TOPIXを大きく上回っている。割安感はやや薄れてきているが、バリュエーション的に業界平均以上に評価される可能性はあろう。
今2001年3月期の連結業績は、期前半の円高の影響や自動販売機不振の影響が大きく、減収減益が避けられない見通しだ。しかし欧州でのカーエアコン用コンプレッサーの需要が予想以上に伸びている。ユーロ安是正の動きもプラスとなり、会社側計画数値は売り上げ、利益ともに上回る公算大である。
来2002年3月期はユーロ安是正のプラス影響がフルに寄与してくるだろう。旧ビッグ3向けの落ち込み分は欧州やアジア向けの増加で十分に吸収できるものと見られる。フランス工場の現地調達率のアップなどによりコストダウンも進む見通し。また自動販売機とともに売り上げの落ち込みが続いた店舗システムも、大手コンビニが店舗の改装に一部取り組むことなどから上向いてくる見込みで、連結業績は増収2ケタ増益に転じよう。
カーエアコン用コンプレッサーはエンジンを動力源に作動していることから、燃費改善に力を入れている自動車メーカーにとっては重要なキーパーツの1つであり、高い技術力が求められている。そうしたなか、同社は10段式可変容量タイプのコンプレッサーや電気制御式コンプレッサーといった先端技術の製品をすでに市場投入している。日本メーカーへの納入実績が少ないことがやや弱点ではあるが、先進的な技術を有するカーエアコン用コンプレッサーメーカーとして世界シェア(現状は約3割)を伸ばしていく可能性は十分にあろう。
三和証券エクイティ調査部シニアアナリスト
柳池 信昭
☆印は筆者あるいは筆者が所属する会社の判断を、☆の数に置き換えたものです。
証券会社等によって基準の違いはありますが、おおむね「☆☆☆」は「強気買い」、
「☆☆」は「買い」、「☆」は「保留」に相当します。
|