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子供にこそゲーミングチェア。「AKRacing Pinon」で勉強も息抜きも両立!

子供に最適なゲーミングチェア「AKRacing Pinon」

在宅勤務でにわかに脚光を浴びた「いい椅子に座るべき」問題。ここ1、2年で、それこそ椅子の重要性を文字通り骨身に染みて実感した、というお父さんお母さんは多いのではないでしょうか。

ダイニング用など、とりあえずありものの椅子を使っていたけれど、腰や肩が痛くなり、生産性が目に見えて低下。これではダメだと思い直し、慌ててそこそこいいお値段のオフィスチェアの購入に走った、なんて経験があるのでは?

そこから考えると、椅子の問題はおそらく大人に限った話ではないはず。たとえば毎日(?)机に向かって勉強している子供たちにもそのまま当てはまることだと思います。子供が勉強に集中できていないのだとすれば、それは椅子が良くないせいだ、ということに思い至るべきなのかもしれません。

じゃあ子供にもいい椅子を、と考えたとき、どんなものがいいのでしょう。数十万円もする高性能なハイブランドチェアを買い与えるのはさすがに厳しい。せいぜい卒業・入学のお祝いに買ってあげられるくらいのリーズナブルさで、それでいて正しい姿勢で座ることができ、子供に喜んでもらえそうなものとなると……。

そんなところに、気になる椅子が登場しました。ゲーミングチェアで知られるAKRacingの「Pinon」と呼ばれるモデル(市場想定価格は42,800円)。大人用としてではなく、最初からしっかり子供向けに開発された椅子なのだとか。勉強が本分なのにゲーミングなチェアで本当にいいんだろうか、という疑問が真っ先に頭に浮かびますが……。実際のところどんな製品なのか、さっそくチェックしてみました。

子供向けながらもゲーミング譲りの機能を多数備えた本格派

AKRacing Pinon

「AKRacing Pinon」は、主に小学校高学年から高校生くらいの年代の子供向けに開発された製品。適正身長は145~165cmで、大人でも小柄な人であればマッチするモデルとなっています。カラーは今回お借りしたWhite(PUレザー)に加え、ブラックに明るい水色が組み合わされたSky Blue(ファブリック)と、ピンク色ベースのSakura Pink(PUレザー)の3パターン。AKRacingの既存モデルに比べると、いずれもイカツさがやや薄れ、とりわけSakura Pinkは女の子受けしそうな色合いになっています。

White(PUレザー)
Sky Blue(ファブリック)
Sakura Pink(PUレザー)

AKRacingといえば、冒頭でも書いたように、ゲーミングチェアでよく知られているメーカーです。このPinonも見た目のスタイリングはこれまでのAKRacingの製品のテイストを受け継いだ、まさしくゲーミングな雰囲気。Whiteは素材がPUレザー(合成皮革)で質感も高く、肌触りも上々。スポーツカーのバケットシートのような形状がテンションを高めてくれます。

背もたれ上部にはAKRacingのロゴ

AKRacingの他のモデルと同様に、ヘッドレストとランバーサポートも装備。高さや向きを微調整できるアームレストまできっちり備えている本格派です。椅子自体の高さ調整が可能なのはもちろんのこと、ほぼ無段階で調節できるリクライニング機能もあり、背もたれは寝そべるくらいのレベルまで倒れてくれます。

本体右側にある白いレバーでリクライニングを、下部にある黒いレバーで座面の高さをそれぞれ調節できる
リクライニング機能では、直立状態から寝そべるくらいのレベルまで倒せる

座面は前方がわずかに高くなっているものの、全体としてはフラット。クッションの反発力は高めで、座ったときの沈み込みが少なく、どっしりとした安定感があります。背が低い小さいこどもにとっては座面の奥行きがやや深く感じられるかもしれませんが、このあたりはランバーサポートやリクライニングの角度調節で姿勢を最適に保つことができそうです。

オンオフを切り替えやすく。それでいて常に適切な姿勢をサポート

あくまでも適正身長ではない177cmの筆者の使用感をお伝えすると、張りのある座面のクッションは個人的にかなり好み。PUレザーの適度なグリップ感と、左右から包み込まれるような形状のおかげで、ただ座るだけで、自然と適切な姿勢に決まるように感じます。

フラットで張りがあり、適度なグリップもある座面

このグリップ感と包み込まれるような形状の利点は、単純な座り心地の良さだけではありません。最初はあまり意識しにくいところですが、使い始めてから数日たって気付きました。それは、毎日長時間座り続けるなかで、座り直しをすることがほとんどなかったこと。前後左右にズレたり滑ったりしにくいため、時間とともに姿勢が崩れることがない。要するに、自分が楽と思える姿勢を常に維持できている、ということになります。

このあたりは、ランバーサポートやヘッドレスト、リクライニング機能も大いに関わっていると言えます。上下に自在に動かせるランバーサポートは、成長の早い子供の体型やリクライニングの角度などに合わせてベストなポジションにセットしやすいのがポイント。腰が不自然に丸まったり、反ったりするのを防いで、腰への負担を効果的に減らしてくれます。

上下の位置調整が簡単にできるランバーサポート

リクライニングの調整幅の広さもありがたい部分です。疲労から集中力が途切れてしまうのは仕方のないことで、レバー1つで背もたれを倒し、休憩(息抜きのゲームなどを)した後、再び集中力を高めて勉強に臨む、という使い方が簡単にできるAKRacing Pinonは、そういう意味でも理想的。ヘッドレストがあるおかげで、リクライニングして背もたれに身体を預けたときの首への負担も軽減できます。

首への負担を軽減してくれるヘッドレスト

やはり子供としては、勉強の合間にスマートフォンやゲームをしたくなるもの。時には息抜きレベルではなくなるのが困りものですが、勉強とそれ以外とのスイッチのオンオフを切り替えやすく、それに応じて常に適切な姿勢をサポートしてくれるこうした装備やギミックが、トータルの勉強効率アップにも結び付くのではないかな、と思います(願望)。

ちなみに、顔をまっすぐ前、もしくはやや斜め下に向けてパソコンのモニターを見る仕事用途とは違い、勉強の場合はデスクに平置きした紙の教科書やノートをのぞき込むことが多いはずで、姿勢としては前かがみになりがちです。こうした場面では、高い反発力をもちながらも優しく支えてくれるほどよいクッション性の座面が、安定した姿勢のためにきっちり仕事してくれていると感じます。

前屈みで勉強するときは、座面の安定感が心強い

座面高さは約6cmの範囲で調整でき、床から座面の一番盛り上がった箇所までを実測すると、だいたい43~49cmでした。子供向けの椅子ではあるものの、49cmの高さにすれば筆者の体格でも問題なく使えます。アームレストについては高くなるのが実測で3.5cmほど(座面からの高さは約10~13.5cm)なので、小柄な人で、かつ体格に合ったデスクを使っていないと有効活用できないかもしれませんが、それ以外の点では調整できる箇所が多いこともあり、子供が成長しても長く使い続けられそうです。

身長144cmの娘に座ってもらった。このデスクと合わせる場合は、座面をもう少し上げた方が良さそう
アームレストを最も低くした状態
最も高くした状態(右)。高さ調整は約3.5cmと少し小さめ

今は「ゲーミング」を意識せず自然に受け入れる時代かも

ところで、子供にいい椅子を使ってもらうにあたってゲーミングチェアを選択するメリットは、機能や性能以外にもあるのではないかと思っています。というのも、筆者の子供がそうなのですが、毎日のように熱心に見ているYouTubeのゲーム実況チャンネルの配信者が、こういったゲーミングチェアを使っていて、頻繁にその姿を目にしている。つまり、すでにゲーミングチェアに目が慣れているわけです。

それが憧れの配信者であれば、むしろその人が使っているものを自分も使いたい、と思うでしょう。少なくとも、ゴリゴリの社長椅子より親しみがあり、受け入れてもらいやすいことは間違いありません。ただ高性能なだけの椅子をプレゼントしたところで、結局使ってもらえず無駄になってしまうリスクを負うくらいなら、自然に使ってもらえそうなゲーミングチェアをチョイスした方が、今の時代、ある意味無難と言えそうです。

さらに言うと、筆者の妻はこのWhiteのAKRacing Pinonをひと目見て、なぜか「カワイイ!」という声を上げていました。もしかすると、「ゲーミング○○」という言葉にたびたび触れてきた我々(スレた)大人には、仕事用や勉強用の椅子はこういうものだ、という思い込みが想像以上にあるのかもしれません。そんなことを初めから意識していない女性や子供にとっては、こういったデザインに「ゲーム・エンタメ用」という強いイメージが頭になく、すんなり受け入れられるものなのでしょう。

市場想定価格は42,800円ということで、学習机とセットで購入するようなオーソドックスな回転椅子と比べれば、少し値は張りますが、これでちゃんと机に向かってくれて、子供の健康も守れるということであれば、バランスの取れた価格帯と感じます。なにより、子供が喜んで使っているのを見られるだけで、我々大人としては満足ですよねえ。