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東京都が推進する「舟旅通勤」を体験 日本橋~豊洲の景色を船から楽しむ
2023年12月22日 08:20
東京の日本橋と豊洲を結ぶ「舟旅通勤」の航路が10月25日にスタートした。「舟運が身近な観光・交通手段として定着し、水辺のにぎわいを創出する」という東京都の取り組みで始まったものだ。今回「日本橋→豊洲」のコースに乗船し、そこから見える景色などをレポートする。
運航スケジュールは毎週火・水・木曜日の夕方から夜。祝日と12月26日〜1月3日は運休。片道運賃は大人が500円(中学生以上)、小人(小学生)が250円。小学生未満の幼児は大人と同数まで無料。所要時間は片道20分だ。
毎週火曜日・水曜日・木曜日 ※祝日を除く
(1)豊洲16:00発 (1)日本橋16:25発
(2)豊洲16:50発 (2)日本橋17:15発
(3)豊洲17:50発 (3)日本橋18:15発
(4)豊洲18:50発 (4)日本橋19:15発
(5)豊洲19:40発 (5)日本橋20:05発
チケットは、「TRY!舟旅通勤」のページから予約購入できるほか、当日空きがあれば乗船時の購入も可能だ。運行事業者は観光汽船興業で、使用される船は「アーバンランチ」と「リムジンボート」の2つ。
高級感のあるキャビンでくつろげる
日本橋の乗り場は「日本橋船着場」で、日本橋野村ビルディング旧館の隣。最寄り駅は日本橋駅(B12出口)または、三越前駅(B6出口)。少し離れるが、東京駅や茅場町駅も徒歩圏内だ。
筆者が乗ったのは16時25分発のアーバンランチ。アーバンランチはリムジンボートに比べて船が大きく、自転車(別途200円、最大4台)のほか、車椅子での乗船も可能。ベビーカーは両船とも対応している。今後、船内にフリーWi-Fiが装備される予定だ。
夜景も目白押し。20分はあっという間
定刻の出発で、他の乗客は5人ほどと比較的空いている状態だった。アーバンランチはデッキに出られるため、眺めも良い。乗客の多くがデッキから撮影を楽しんでいた。
出発すると日本橋川を東に進む。夕方でかつ上空に高架道路が通っているため薄暗いが、川の上から日本橋を見られるのが貴重だ。
そのまま進むと工事中の日本橋界隈や高速道路のダイナミックな造形を見ることができる。
右側には、レトロで重厚な建物が見えてくる。渋沢栄一邸の跡地に建てられた日証館で、名建築として知られている。裏側から見られるのは船ならではだ。
さらに進むと船は隅田川に出て一気に視界が広がる。すぐ目の前には佃島の高層マンション群リバーシティ21や中央大橋が姿を現す。絶好のフォトスポットという感じだ。また左後方には東京スカイツリーも見ることができる。
リバーシティ21を通過するところで隅田川と別れ、晴海運河に入る。すると見えてくるのが、越中島と佃島を結ぶ相生橋だ。
相生橋を過ぎると豊洲貯木場跡に出る。ここでは左手に東京海洋大学にある明治丸が目に入る。この先はウォーターフロントの高層ビルが目立つようになる。
この辺りで晴海橋梁(旧晴海鉄道橋)をくぐる。今は使われていない橋だが、歴史的価値があるということで歩道橋に改修して残されることが決まっている。
晴海橋梁を過ぎるとまもなく「三井ショッピングパーク アーバンドック ららぽーと豊洲」(以下、ららぽーと豊洲)が見えてきた。終着点の豊洲船着場はこの中にある。ららぽーと豊洲の最寄り駅は豊洲駅(有楽町線、ゆりかもめ)となっている。
ワンコインの新しいアトラクション
この船通勤ルートはまだ始まったばかりで、また今回は乗船した時間が早かったからか、通勤客が利用しているといった雰囲気ではなく、観光客が目立っていた。船上からの夜景はなかなか綺麗で写真映えもするから、観光客には受けると思う。また写真愛好家なら、揺れに気をつけた上で撮影を楽しむのも良さそうだ。
日本橋-豊洲間は地下鉄で178円(1回乗り換え、20分ほど)なのだが、水上からの眺めや船ならではの爽快感を味わえるアトラクションと考えるとワンコインは高いものでは無いと感じた。本格的なクルーズと違って気軽に乗船できるところが良いと思う。筆者もまた乗りたいと思った。
乗船時間もあっという間なので、平日限定にはなるが海風を感じつつ都心からららぽーと豊洲に買い物や食事を楽しみに行くのは面白いプランだろう。今後、運行日や便数が増えるとさらに使い勝手は良くなりそうだ。まずは、こうした試みがどのように受け入れられていくのか見守っていきたい。