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イオンが冷凍食品「@FROZEN」を強化する理由 人気1位はあの有名店の商品
2023年10月27日 08:20
イオンリテールは冷凍食品専門店「@FROZEN(アットフローズン)」を、2022年8月の「イオンスタイル新浦安MONA」(千葉県)内でのオープンを皮切りに、首都圏を中心に出店を進めています。なぜ今、冷凍食品に力を入れているのかをイオンリテール・デイリーフーズ商品部の渡辺淳さんにお伺いするとともに、売れ筋&おすすめ商品なども聞いてみました。
リピーター率が高く、通常の冷凍食品とは主力商品も異なる
@FROZENは「冷凍食品を通して日本の食シーンを変革し“新たな食スタイル”を創造していく」をコンセプトに、1号店をオープンした後、今年に入ってからは「イオンスタイル横浜瀬谷」(神奈川県)、「イオンスタイルレイクタウン」(埼玉県)にオープンし、今後も3店舗への出店が発表されています。
「これまで、冷凍食品は“簡単・便利”という部分が注目されていましたが、コロナ禍により家でごはんを食べる機会が増えたことで、利便性だけでなく“美味しさ”に対するニーズも高まっています。日本冷凍食品協会の報告によると、一昨年に家庭用冷凍食品の生産量が初めて業務用を上回り、昨年も国内消費額は前年比で約1割増と過去最高を更新しました。今後も成長が見込まれる市場であり、変化するお客さまのニーズにお応えしたいと考え、フローズン領域に特化した新業態として@FROZENを展開しています」
現在、@FROZENの利用者はどのような年齢層、家族構成の方が多いのでしょうか。
「昨年8月にオープンしたイオンスタイル新浦安MONAでは、時短ニーズの高い共働き世代の主婦、単身者などがメインになります。なかでも40代の主婦がもっとも多く、次いでシニア世代となっており、約55%の方が週2～3回以上ご利用いただいています。今後はサブターゲットであるミレニアム、Z世代へのご提案もさらに強化していく予定です。今年8月オープンのイオンスタイルレイクタウンでは、ミレニアム、Z世代からファミリーまで、幅広いお客さまにご来店いただいています」
多くの方がリピート利用されているようなので、お客さまからはどのような声が届いているのかも聞いてみました。
「一番多いのは『見たことがない冷凍食品がたくさんあり、見て回るのが楽しい』という声ですね。平日でも多くのお客さまにご来店いただいていて、新浦安、レイクタウン、横浜瀬谷ともに想定以上の売上となっています。テレビなどで紹介されているのを見て知り、どんな商品が揃っているのか、とりあえずのぞいてみる、といったお客さまも多い印象です」
想像を超えるお客さまが来店し、うれしい声も届いている@FROZEN。独自の商品展開により、購入金額や購入品目など、お客さまの購入スタイルも変わってきていると話します。
「通常の冷凍食品売場と比較すると、お客さまごとの購入金額はとても高くなっています。通常の冷凍食品売場ではブロッコリーや枝豆などの冷凍野菜の売上が上位を占めますが、@FROZENの場合はそういったカテゴリーよりも、ふだん見かけない珍しい商品との出会いを求めているお客さまが多いようです。また、冷凍食品はストック需要が高いと見込んでいましたが、その日の夕食に家族で食べるものを買われる方も多くいらっしゃいます」
これは外せない! @FROZEN売上トップ3
「朝食」「ランチ」「ディナー」「おつまみ」「スイーツ」といった5つの食シーンに着目し、ここでしか買えないものまで取り揃えている@FROZENは、店舗により1,500～2,000品目以上が揃う充実ぶりです。これだけたくさんあると、どれを選んだらいいのか迷ってしまうもの。そこで、渡辺さんに売れ筋やおすすめの商品を聞いてみました。
まず紹介してもらったのは、売上トップ3。多くの人が購入し、リピート率も高い商品であれば安心して買うことができますね。
「売上ナンバーワンは『吉野家 牛丼の具』です。お店の味をいつでも自宅で味わえると、とくにシニア層に人気があります。湯せんにもレンジにも対応しているので、慣れているほうで調理できるのもポイントです」
「2位の『梅の花 なみはや寿司』は、海老・梅大根・金目鯛・サーモン・玉子・ズワイガニ・穴子・バッテラ・わさび高菜・梅かつお磯巻と10種類の押し寿司を彩り豊かに盛り付けた商品です。店舗の売場では女性が多く立ち寄られていて、興味を示されています」
「3位はオーストラリアのミートパイ人気ナンバーワンブランド・FOUR’N TWENTYの『ビーフ&チーズパイ』です。ひき肉たっぷりのミートソースにうま味とコクのある粉チーズを混ぜ合わせているため食べ応えがあります。当初は期間限定での販売予定でしたが、多くのお客さまの要望により定番で販売することになりました」
売上で上位に食い込む大人気のスイーツ&パン
続いて紹介するのは、ちょっと意外な売上上位商品。なぜこんなに売れているのか、商品の魅力も語ってもらいました。
「『グローリ 冷凍サンザシ飴』は、なんと売上4位の人気商品。中国の伝統的なお菓子、サンザシ飴は甘酸っぱいサンザシにまろやかな飴がコーティングされていて、甘みと酸味のバランスが絶妙です。Z世代に大人気の商品ですが、購買層は親の世代まで広がりを見せています。半解凍にするとシャーベット状になり、また違った食感を楽しめますよ」
「@FROZENではフランス発の冷凍食品専門店『picard(ピカール)』の商品を約150品目取り揃えています。なかでも人気なのが、売上トップ10に入っている『クロワッサン』。フランス南西部シャラント県産の AOP 認証発酵バターを24%配合し、まろやかな風味に仕上げています。卵は平飼い鶏に限定し、アニマルウェルフェアに配慮した商品です」
スイーツやパンは「冷凍食品を選ぶ」という概念がない方も多いのではないでしょうか。でも、冷凍であれば消費期限が長くストックもきくので、意外と便利なのかもしれません。
フルコースも味わえる!贅沢感たっぷりの冷凍料理
続いてはディナーを彩る、ちょっと贅沢なメニューをご紹介。まずは、冷凍食品もここまで来たか、と思わせるようなフルコース料理。Kodamaの「ご褒美フルコース」は全24品目からプリフィクスのように選んでコースを組み立てることができるシリーズです。
「自宅で気兼ねなくおいしいものを食べたい、日頃の食事がワンパターンになっている、という方にワンランク上の料理をお届けできる商品です。レストランの味を自宅で再現でき、前菜・スープ・パスタ・メイン・デザートと、フルコースを5,000～6,000円で味わうことができます。なかでもおすすめのメイン料理は『厚切り牛タンのごろごろシチュー』です。タマネギ、ニンジン、セロリなどの香味野菜でしっかり味付けをして、スイートマデラ酒と赤ワインをたっぷり加えた濃厚なソースで厚切りの牛タンを22時間煮込んだもの。牛タンの柔らかなホロホロ感を多くのお客さまに味わっていただきたいです」
このシリーズはお客さまがコースを組み立てる時にわかりやすいよう、前菜、メイン、デザートなど、カテゴリー別にナンバーが付いているので、こちらを参考にコースを組み立ててみてくださいね。
「名古屋名物・みそかつの人気店『矢場とん』のロースかつも、ぜひ味わって欲しい一品。名古屋の人気ブランドだけに認知いただいているお客さまも多いようで、ご当地の味を1枚から自宅で楽しめると好評です」
「矢場とん」の商品はロースかつ以外に、ひれかつや串かつ、焼売なども展開しているので、お好みのものを選ぶことができます。
最後は、デパ地下などにも出店しているサラダや惣菜の店「RF1」でお馴染みの「ロック・フィールド」のおいしさを冷凍食品で楽しめる「RFFF(ルフフフ)」の商品。
「手間ひまかけて調理された『RFFF』の冷凍料理も主菜からおつまみまで多彩なメニューを用意していますが、とくにデパ地下でご存じのお客さまに支持されているのが『海老好きの海老カツ』です。海老のぷりぷりとした食感、香り、旨みを存分に楽しめるので、海老好きも大満足。すっきりとした味わいのタルタルソースとの相性もぴったりです」
海外の人気ブランドから地方の名物まで、実に多彩な商品が揃う@FROZEN。冷凍食品というと「便利で、安価で、そこそこおいしい」というイメージですが、ここでは非日常を感じさせるような高級料理や旅先で食べたことのある料理など、ちょっとした贅沢を楽しめる、味にこだわった冷凍食品も多く取り扱っています。店舗に行けなくても、商品によりネットでの購入が可能なので、ぜひ冷凍庫の空きを十分につくってから店舗やウェブサイトを訪れて、食べてみたいものを選んでくださいね。