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「消しゴムマジック」をGoogle Pixel“以外”で使ってみた
2023年5月2日 08:20
Googleのスマートフォン「Google Pixel」の写真編集機能「消しゴムマジック」。写真に写り込んだ不要なものを簡単に消去できる機能で、テレビCMでも話題になりました。
Google Pixelユーザーなら誰でも使える機能ですが、それ以外のスマートフォンでも利用できるのをご存知でしょうか。Googleのクラウドストレージサービス「Google One」(月額250円~)に加入していれば、AndroidスマートフォンはもちろんiPhoneでも消しゴムマジックを利用できます。
既に提供されている機能なので目新しくはないですが、筆者はGoogle Oneに加入しているものの消しゴムマジックを使ったことがありませんでした。しかし、ここのところテレビCMで消しゴムマジックというフレーズを聞くことが増え、「消しゴムマジック、やってみたい……」と興味津々に。
試してみたところ、特にコツもいらず簡単に使えたので紹介したいと思います。使用したスマートフォンは「Galaxy S22 Ultra」。Galaxyのフォトアプリには、消しゴムマジックと同様の機能として「オブジェクト消去」があるのでこちらも後ほど紹介します。
消しゴムマジックを使うにはまず、「Google フォト」アプリをインストールする必要があります。先述のとおり、「Google One」に加入していることも必須条件です。
筆者はもともと写真のバックアップにGoogle フォトを使っており、Google Oneにも加入していたので、消しゴムマジックを使うための条件は揃っていました。
写り込んだものを違和感なく消せる
アプリを開いたら、消しゴムマジックを使用したい画像を選択。[編集]→[ツール]→[消しゴムマジック]とタップすることで利用できます。
今回は写真に写り込んだ人を消そうと[消しゴムマジック]を選択したところ、アプリ側が自動で候補を検知してくれました。そのまま[消去]を押すと、写り込んでいた人が消えました。
少しだけ写り込みが残っていたので、後は消したい部分を手動で丸で囲んで消していきます。人は消えたものの影は残っていたので、影も選択して消しました。
Before→Afterで比べると特に違和感なく消えています。また、操作中は気が付かなかったのですが、奥にいた人も消去対象になっていたようで自然と消えています。操作に掛かった時間は5分ほどで、慣れればもっと手際よく消せそうです。
アクスタのフチを消したら多幸感が増した
次に試したのが、アクスタの「縁消し」です。好きなキャラクターやアイドルのアクリルスタンドを持ち歩いて、食べ物や風景と写真を撮る文化があります。さらに消しゴムマジックで縁(フチ)を消すことで、まるで本当にそこにいるかのような写真になるとSNSで話題になっていたので、筆者も自前のアクスタでやってみました。
アクスタの縁を指(もしくはペン)でなぞって消していきますが、印刷部分まで消してしまわないように気をつけます。拡大して少しずつなぞっていくのが、キレイに消すコツです。時折ピンチインして全体像を確認すると、失敗なくスムーズに完成させられます。焦って長い線にしてなぞると、印刷部分が丸ごと消えてしまうので気をつけましょう。
最後まで終えたら、[完了]→[コピーを保存]で完成です。縁が消えるだけで一気に現実味が増し、本当にその場所にいるかのような写真になりました。実際にやってみるとその“現実っぽさ”になかなか感動します。
縁消しはこれだけでは終わりません。Google Oneの機能には、消しゴムマジック以外にもさまざまな加工機能があります。アプリ側がアクスタを人物と認識したようで[ダイナミック]や[ポートレート]といった機能がレコメンドされたので使ってみました。
[ダイナミック]は、人物と背景のコントラストを強調したり、明るさを調節したりする機能。こちらをONにするとより映える写真になりました。
[ポートレート]は、背景をボケさせて人物を強調してくれる機能。こちらも魅力的でしたが、背景がボケるとゲームのストーリー画面のようになってしまい現実っぽさが失われてしまったので、[ダイナミック]のみの使用がちょうど良いと感じました。
写真の撮り方を工夫するとより映える
なお縁消しアクスタ画像は、写真を撮る時に少し工夫をするとよりリアリティが生まれます。アクスタ全体の写真を撮りたいところですが、指が入ったり、印刷部に指がかぶるとそこの処理が少し難しくなります。
そこで、まずカメラを横位置にして、アクスタの一部(頭~膝上くらい)が入るように撮ると、指が入らなくなるので縁消しがしやすくなります。横位置の方が風景に馴染みやすいというメリットもあります。
アクスタのデザインも、人物の周りにオーラがあるものやホログラムが掛かっているものは、あまり縁消しをした感じが出ないので、縁がクリアなものの方がうまくいきました。
一緒に写すものについては、食べ物と撮るとアクスタの小ささが際立ちがちなので、風景写真の方が遠近感を調節しやすく、よりその場所にいる感じを際立たせられました。
アクスタ自体は実際の人物も良いですが、2次元のキャラクターの方が“現実にいる感”を演出できたときの感動が大きいです。もちろん3次元(2.5次元?)のアクスタで縁消しをするのも楽しかったので、好きなアクスタで思い思いに楽しむのが一番でしょう。
Galaxyのオブジェクト消去を試す
消しゴムマジックは有料のGoogle Oneに加入すれば誰でも使える機能ですが、Galaxyユーザーなら似たような機能の「オブジェクト消去」が無料で使えます。今回はGalaxyスマホを使ったのでオブジェクト消去も試してみました。
Galaxyで写真を撮ったときの保存先である[ギャラリー]アプリから簡単に使えます。アプリから画像を開き、鉛筆マークの編集アイコン→右下のメニューバーの順でタップすると[オブジェクト消去]項目が現れます。
消しゴムマジックとは操作方法などで細かい違いはありますが、概ね同じような手順で写真から不要なものが消せます。
違いを感じたのは、料理の写真から味噌汁のみを消そうとしたとき。同じ写真でも消しゴムマジックよりオブジェクト消去のほうが、一発で消したい部分をキレイに消せました。
またオブジェクト消去には[影を消去]という項目があり、認識した影をキレイに消してくれます。影の消去は色々と便利で、物撮りをする際にスマホを持った手元の影が写り込んでも簡単に消せるようになります。これまでは撮るときに影が入らないように工夫していましたが、[影を消去]のおかげで撮るときに影を気にしなくて良くなりました。
一方、消しゴムマジックの方が優れていたのは、上述の「アクスタの縁消し」。消しゴムマジックは消したい部分を線でなぞるだけで消せるので、縁を消すにはこちらの方が優れています。
オブジェクト消去は消したい部分を囲む必要があるので、なぞるだけの消しゴムマジックよりは少し手間が掛かります。慣れればうまく消せるようになるので、Galaxyユーザーでアクスタの縁消しをするのであれば、有料のGoogle Oneに加入しなくても楽しめそうです。
有料でも加入する価値あり
興味本位で試した消しゴムマジックでしたが、やり始めると魅力が多く、ついつい色々なものを消したくなる面白い機能でした。
Google Pixel以外は有料になりますが、Google Oneは消しゴムマジック以外も便利な機能が多いので加入しても十分元が取れると思います。
もともと筆者は写真のバックアップ目的で加入しており、一番安い月額250円でも月100GBまでGoogleアカウントにデータを保存できます。筆者は月額380円の200GBプランを利用していますが、2009年のガラケー時代から携帯電話で撮った写真をGoogle フォトにバックアップできています。
現在も撮影した写真は随時バックアップしており、スマホを機種変するときも、本体に保存した写真のことを心配しなくて良いので助かっています。
写真のバックアップはもちろん、今は消しゴムマジックでアクスタの縁を消す楽しさに目覚めてしまったので、ゴールデンウィークはお気に入りのアクスタを持ち歩き、撮影と縁消しで遊びたいと思います。