トピック
移動するだけでマイルが貯まる「ANA Pocket」を使う
2022年1月7日 08:15
12月末にANAが開始した新サービス「ANA Pocket」。徒歩や自転車、電車など毎日の移動でマイルなどがもらえるため、ANAでマイルを貯めている人にとって見逃せないサービスです。実際にどこまでマイルなどがもらえるのか試してみました。
アプリをインストールして設定しておくだけ
ではまず、ANA Pocketの使い方から紹介しましょう
ANA Pocketを利用するには、スマートフォンにANA Pocketアプリをインストールして会員登録を行ないます。アプリはiOS用とAndroid用が用意されることになっていますが、当初はiOS用アプリのみが提供されています。Android用アプリは2022年春頃の提供のため、今回はiOS用アプリで試しています。
アプリをインストールしたら、メールアドレスとパスワードを設定。その後、メール認証を経て登録完了となります。
登録が完了したら、続いてアプリ利用の設定を行ないます。ここでは、位置情報の許可、モーションとフィットネスの許可、そして通知の許可が必要です。これら3つの項目を許可しない限りアプリを利用できないので、指示通りに設定します。なお、位置情報は「常に許可」に設定する必要があるので注意しましょう。
続いて、ANAマイレージクラブとの連携を行ないます。ANAマイレージクラブとは、ANAによる会員プログラムで、マイルを貯めたり使ったりするのに必要になります。ANAマイレージクラブの番号とWebパスワードの入力をすれば、ANA Pocketと連携されるので、こちらも忘れずに行なっておきましょう。
なお、ANAマイレージクラブと連携しなくてもANA Pocketは利用できますが、その場合には獲得したポイントをクーポンにしか交換できません。マイルを貯めたいなら必ずANAマイレージクラブとの連携を行なう必要があります。この点も要注意です。
あとは、ニックネームや生年月日などのユーザーデータを登録すれば設定は完了です。
以上のアプリのインストールと設定が完了すれば、あとはアプリをインストールしたiPhoneを持って移動することで、ポイントがたまっていくことになります。ちなみに、1月31日までに登録すれば、もれなく5,000ポイントがもらえるキャンペーンが実施されているので、気になる人は今のうちにインストールしておきましょう。
ANA Pocketでは、位置情報を常にチェックすることもあって、スマートフォン側のバッテリーもある程度消費することになります。ただし、実際には大きな影響はなさそうで、第2世代iPhone SEにインストールして試してみたところ、ANA Pocketが消費するバッテリー容量は多くても1日あたり5%ほど、アプリを起動しなければ1~2%ほどでした。これなら、通常はほぼ気にならないレベルと言えそうです。
ポイント付与は“移動”と”チャレンジ”
ANA Pocketでは、アプリをインストールしたiPhoneを持って移動することで、その移動の内容に応じてポイントが付与されます。移動の内容は、徒歩、自転車、鉄道、飛行機などが自動的に判断し、移動距離に応じてポイントが付きます。
実際のポイント付与の傾向を見てみると、徒歩で約1km移動した場合には50ポイント、自転車で1kmを移動すると20ポイント、車(その時はバスだった)で8.2km移動したら49ポイント、電車で3.7km移動したら30ポイントがそれぞれ付与されていました。移動にかかった時間などで多少上下はあるようです、おおむね距離に比例したポイントが付与されるようです。
また、「チャレンジ」と呼ばれる、ゲームのクエストのような機能も用意。チャレンジに設定されている内容の移動を達成するとボーナスのポイントがもらえるというもので、普段の移動に合わせてチャレンジを利用することで、より多くのポイントを稼げるようになっています。
これまでに用意されていたチャレンジは、「2km歩いたら50ポイント」や「帰省(電車と飛行機で1日400km以上移動)したら200ポイント」、「徒歩と電車で合計50km移動しよう」といったような内容のものでした。挑戦できるチャレンジは、アプリ下部の「チャレンジ」ボタンから一覧表示されるので、そちらから挑戦したいものを選択し、チャレンジの内容をクリアできれば追加のポイントがもらえることになります。
筆者もいくつかチャレンジを試してみましたが、設定されている内容をクリアしているにも関わらずチャレンジ失敗で終わってしまったものがいくつかあります。例えば筆者は年明けに東京から香川の実家に帰省しましたが、先ほど紹介した、帰省したら200ポイントのチャレンジが失敗に終わっています。よくよくチェックしてみると、羽田から高松空港へのフライトが、82.4kmの電車移動として認識されていました……どうやら、移動をうまく認識できない場面もあるようです。
せっかく設定されたチャレンジ内容をクリアしているのに、それがうまく反映されないのは残念なので、このあたりの精度を高めてもらいたいと思います。
ちなみに、筆者がANA Pocketに登録したのは12月20日で、1月5日の午前の時点で8,811ポイントがたまっていました。このうち5,000ポイントは登録時に付与されたものなので、実際に移動やチャレンジで付与されたポイントは3,811ポイントです。
もともと筆者はほぼ自宅で仕事を行なっており、外に出る機会が非常に少ないため、ポイントのたまり方がかなり少ない方だと思います。おそらく通勤通学で毎日のように移動している人であれば、この数倍はポイントがたまるでしょう。
マイルをもらうには月額550円の有料会員が必須
ANA Pocketの利用で貯まったポイントは、直接マイルなどに交換できるわけではありません。貯まったポイントは3種類のガチャで使用できるようになっています。
用意されているガチャは、コンビニやオンラインショップで使えるデジタルギフト券が当たる「Pocketガチャ」、ANA SKYコインが当たる「SKYコインガチャ」、ANAマイルが当たる「マイルガチャ」の3種類。これらガチャは500ポイントで1回引けるようになっており、当選内容に応じてマイルやクーポンが付与されることになります。
ただし、引けるガチャは登録プランによって異なっています。まず、PocketガチャはANAマイレージクラブとの連携を行なっていない会員「Pocket Liteメンバー」も含めて引けますが、SKYコインガチャはANAマイレージクラブと連携した会員「Pocketメンバー」以上でなければ引けません。またマイルガチャが引けるは、ANAマイレージクラブとの連携に加えて、月額550円の有料会員「Pocket Proメンバー」のみとなります。
月額550円の有料会員にならないとマイルはもらえないため、1カ月あたりどのくらいのマイルがもらえるかで、その価値が大きく変わってきます。マイルガチャでは1回あたり最低1マイル、最大1万マイルが当たるそうで、ANAによると1カ月あたり平均250~300マイルがもらえるとのこと。
飛行機に乗ってもらえるマイル数を考えると、550円で平均250~300マイルがもらえるなら、それほど悪くないという気はします。ただ筆者のように、出掛ける割合が少ないユーザーにとっては、有料会員になるかどうか迷ってしまうのも事実です。
試しに5回ガチャを回してみたところ、1マイルが4回、3マイルが1回当たりました。これは運の悪い例かもしれませんが、このペースでは180回ほどガチャを回してようやく250マイルに到達するといった感じで、そのためには9万ポイントが必要です。1カ月で9万ポイント溜めるのはかなり厳しいという気がします。
もちろん、最大1万マイルという、おそらくかなり確率の低いガチャに賭けるというのも面白いですが、通勤通学で毎日のように移動している人以外は、有料会員になるのはあまりお得に感じないかもしれません。
というわけで、個人的には、ANAマイレージクラブとの連携した無料会員のPocketメンバーで運用するのが良さそうだと感じています。
Pocketメンバーが引けるSKYコインガチャでは、ANAの航空券代金やツアー代金、ANAのオンラインショッピングサイトの代金などに充当できるANAの独自ポイントで、こちらもガチャ1回で最低1コイン以上が当たるようになっており、試しに5回回してみたところ、1コインが5回当たりました。こちらはマイルガチャとは異なり無料で利用できるので、いわゆる”ポイ活”のように気楽に楽しめます。なにより、毎日の移動が金券に近いSKYコインに変わるのだから、こちらはかなりお得です。
ちなみに、デジタルギフト券がもらえるPocketガチャも1回引いてみましたが、ANAショッピングサイト「A-style」で利用できる2,000円OFFクーポンが当たりました。デジタルギフト券は複数の種類が用意されているようですが、どれが当たるかは運次第で、使う予定のないデジタルギフト券が当たる可能性も考えられます。やはりガチャを回すならSKYコインガチャが良さそうです。
短期間ですがANA Pocketを使ってみましたが、有料会員の是非や、実際に当たるSKYコインやマイルのポイント数はともかく、移動するだけでANA SKYコインやマイルがもらえるというのは、毎日の移動に新しい目的や楽しみを加える存在になると感じました。アプリをインストールしてしまえば、チャレンジを選択する以外に特に操作も不要なので、気楽に試してみてください。