トピック
デジタルカメラからスマートフォンへは有線で転送
2021年10月23日 09:30
デジタルカメラで撮った写真をいますぐに誰かに見せたい/SNSでシェアをしたい! そんなときは、スマートフォンとデジタルカメラをケーブルで接続して転送。スマートフォンで加工、メールで送ったりSNSにアップしたりしています。
案外面倒くさい無線での写真転送
もちろん最近のデジタルカメラでは、Bluetoothや無線LAN機能が搭載されていますから、専用アプリを使ってスマートフォンに転送できます。リモート撮影もできて、なにかと便利です。
ただ、まどろっこしいのです。メーカーにもよるのですが、カメラの電源をオン、無線LAN機能をオン/スマートフォンのアプリを起動して接続/転送画面を表示させる/写真を選ぶ/転送なのですが、デジタルカメラとスマートフォンの両方を操作する煩雑さがあります。
私の使い方が悪いのか、カメラによってはうまく接続できず最初から設定をやり直さなければならないこともあります。スマートフォンもデジタルカメラも複数使っていると、初めて接続することになる組み合わせも出てきます。
SNSでシェアする用途なら最初からスマートフォンで撮ればいいのですが、それはそれで思った通りにいかないこともあります。
OTGケーブルでカメラとスマートフォンをつないで転送
そこで使うようになったのが、USBケーブルを直接つないで転送する方法です。
通常、スマートフォンとパソコンを繋ぐと、パソコン側がホストで、スマートフォンは周辺機器として扱われます。しかし、USB OTG(On-The-Go)という、周辺機器同士を接続する仕組みを使うと、スマートフォンにUSBメモリーやキーボードを接続できるようになります。一方で、デジタルカメラはパソコンに接続したとき、USBマスストレージクラスとして認識できることがほとんどです。
これらの仕組みを利用します。つまり、スマートフォンとデジタルカメラをUSB OTGで接続すれば、デジタルカメラのメモリーカードの中身をスマートフォンから見られ、転送できるようになるのです。
ケーブルで接続/双方の電源をオン/カメラによってはUSBの接続モードを選択/写真を選ぶ/転送という感じです。カメラ側をほとんど操作しなくていいぶん手軽に感じます。また、とくに設定もいりませんし、接続されるまでの待ち時間も短く済みます。
Type-Cを別とすれば、スマートフォン側のUSB端子は周辺機器側のものが使われており、そのままでは接続できません。そこで使うのが片方がスマートフォンに接続するコネクタで、もう一方がUSB Type-A メスになっているOTGケーブル(変換ケーブル・USBホストケーブル)です。USB機器が接続できるようになっているので、ここにカメラに接続するためのUSBケーブルを接続するわけです。OTGケーブルは言ってみれば、カメラと接続するための変換コネクタといった感じです。電力供給次第ですが、キーボードやマウス、USBメモリー、カードリーダーなども接続できます。
たとえば、Androidのスマートフォン側がUSB マイクロBで、カメラ側がマイクロBの場合、
OTGケーブルは、USB マイクロBオス / USB Type-Aメス
カメラとの接続に、USB Type-Aオス / USBマイクロBオス
の2本ケーブルをつなげて接続することになります。スマートフォンやカメラ側のコネクタが違うなら、それに合わせてそれぞれのケーブルを用意すればいいだけです。もちろん、通信に対応しているケーブルが必要になります。
なお、カメラとスマートフォンが共にType-Cなら、両端がType-Cでデータ通信対応のケーブルで直接つなぐだけで済みます。簡単ですね。USB Type-C万歳です。
iPhoneでも同じようなケーブルを使います。純正品では「Lightning - USBカメラアダプタ」が販売されています。iPhone側がLightningで、もう片方はUSB Type-A メスになっています。ここに適合するケーブルでカメラと接続するだけです。
なお、最近のiPhoneには、Lightning - Type-Cのケーブルが付属していますが、こちらはあくまでもパソコンがホストでiPhoneが周辺機器として接続するためのケーブルなので、カメラ側がUSB Type-Cだからといって、写真の転送には使えません。
AndroidではexFAT対応のアプリが必要なことも
Androidでは、使うスマートフォンや組み合わせるカメラによって動作が異なります。設定画面からカメラを認識させなければいけないものもありますし、自動で接続した通知されるものもあります。基本的には、別途ファイル管理アプリでコピー操作することになります。
そして注意しなければいけないのは、ファイルをコピーするアプリがexFATに対応しているか否かです。デジタルカメラで使うSDメモリーカードは32GBまではFAT32やFAT16でフォーマットされます。これらは、Android標準のファイルや多くのファイル管理アプリで対応しており、コピー操作ができます。たとえば[設定]-[ストレージ]に外部ストレージのところに接続したカメラが出てくるので、タップすれば「ファイル」アプリが開きます(端末による)。
しかし、それ以上の容量のSDメモリーカードでは、exFATが使われます。CfexpressもexFATです。こうしたカードが入ったカメラを接続し、同様に設定から「ファイル」アプリで開こうとすると、「破損しています」と表示され、さらにタップするとフォーマットを促されてしまいます。
多くのファイルをコピーするアプリはexFATに対応しておらず、そもそもドライブとして表示されないことも少なくありません。
exFAT対応に対応したアプリが必要になるのです。筆者は、バッファローの「ファイルマネージャー」に「ファイルマネージャー exFATサポート」プラグインを追加して使っています。非常にシンプルすぎるアプリで、ちょっと写真をコピーするくらいなら我慢できるのですが、写真を選択してコピー/コピー先のフォルダを開く/貼り付けという操作で、それほど使いやすいとは言えないのが残念です。
iPhoneでは、標準の「写真」アプリを使います。カメラ側のメモリーカードがexFATでフォーマットされていても問題ありません。カメラと接続し「写真」アプリを開き、追加された読み込むボタンをタップすると、写真を取り込めます。手間がかかりません。この辺りは流石です。
Androidでも、カメラによっては「フォト」でCamera Importerが動き、同様の操作ができる組み合わせもありますが、すべてではありません。標準でさっさと真似してくれればいいなと思っています。
すべての組み合わせで使えるとは限らないらしい
ただし、すべてのスマートフォンやデジタルカメラで、ケーブル接続で写真が転送できるとは限らないようです。
Androidでは、2.3.4以降もしくは3.1以降でUSB OTGに対応しているのですが、非対応の端末もあるようです。USB OTGチェッカーというアプリを使うと確認できるらしいのですが、筆者は非対応の端末を持っていないので、非対応の確認はできませんでした。
Appleのほうは、最近のiPhone/iPadでは使えると思ってよいでしょう。今回試しに、最初のiPadが登場したときに同時に発売された、iPhone 5sにiPad Camera Connection KitをLightningのアダプタを介して接続してみたのですが、問題なく利用できました。
デジタルカメラのほうといえば、USB端子がありパソコンと接続したときにストレージ(ドライブ)として認識されれば問題ありません。逆に、無線LANなど搭載されておらずUSB ミニB端子を採用したような時代のデジタルカメラであっても、スマートフォンに転送できます。
無線LANの接続もカメラによってはそれほど煩雑でないこともありますし、ケーブル接続でもあまりうまくいかないということもあります。スマートフォンからデジタルカメラへ充電が開始されてしまうこともあります。
それでも、無線LANよりケーブル接続のほうが、比較的面倒がないように思います。
個人的には、メーカー純正のアプリでも、USB接続での写真の転送や、撮影操作ができるようになることを期待したいところですですが、難しいでしょうか。