トピック
思った以上についているかもしれないデジタルカメラのセンサーのゴミ
2021年10月9日 09:30
レンズ交換式デジタルカメラの大敵といえば、センサーにつくゴミです。シャッターを切った瞬間に「名作が撮れた!」とノリノリでも、ゴミが写っていて台無しということもあります。カメラの背面液晶では確認できず、パソコンの画面で見てがっかりすることもあります。
もちろん、現在のレンズ交換式デジタルカメラには、たいていはセンサーの表面のを震わせるなどしてゴミを落とすクリーニング機能がついています。しかし、それも万全ではなく、どうしてもゴミはついてしまうのです。
ゴミの影を写しやすくする撮影条件
ゴミがついているかどうかは撮影してみなければ分かりません。基本的には、白い紙などを写せば、ゴミが分かりやすく写ります。ただし、見やすく写すコツもあります。
使うレンズは、基本的になんでもいいのですが、あまり広角ではないほうがいいでしょう。周辺部で暗くなりがちですし、写す範囲は狭いほうが簡単だからです。
レンズの絞りは最小絞りにします。F値の数値が大きくなる状態で、F22やF16などです。
実は、写るのはセンサーについたゴミそのものではなく、ゴミの影です。ここでは、その影を強く出るようにします。普段の生活で影がはっきり出る状況を想像してみましょう。曇り空のように光が拡散されている状態よりも、太陽の強い日差しが強いときではないでしょうか。センサーに当たる光線状態としては、絞り込んだほうが後者に近いのです。
露出モードは、絞り優先が便利です。もちろん、それ以外であっても最小絞りにできればなんでも構いません。
感度は、できるだけ低くします。ベース感度でよいでしょう。多くのカメラで、ISO100かISO200だと思います。拡張感度まで使って下げる必要はありません。
シャッター速度は、おのずと長くなりますが、気にする必要はありません。むしろ遅いほうがいいのです。手ブレ補正の機能があれば、オフにします。写したいのはゴミの影ですから、それ以外はブレブレで何が写っているのか分からないほうが都合がよいのです。
ピントは、マニュアルフォーカスにしてピンボケになるようにします。
まとめると
- 近くの絵柄のない白い紙などを写す
- レンズは標準域以上
- 絞り優先で最小絞りに設定
- 感度は最低に
- シャッター速度はできるだけ遅く
- 手ブレ補正機能はオフ
- マニュアルフォーカスでピンボケになるように設定
といった具合です。
できれば、白い紙は一様な明るいさで写したいところです。しかし、ムラなく写すのはなかなか難しいものです。カメラを離せばライティングは容易になりますが、そうなると望遠レンズを使わない限り大きな紙が必要になってしまいます。
お勧めは、パソコンに真っ白なウィンドウを表示させ、レンズをできるだけ近づけて撮影する方法です。Windowsであればメモ帳、Macならテキストエディットを全画面表示させればいいでしょう。よほど画面を明るくしていなければ1/8秒以上になると思います。十分に手ブレしますし、無限遠近くにフォーカスを設定していればピンボケ状態ですから、パソコンの画面が汚れていても、センサーのゴミと間違えるような写り方はしません。広角レンズを避けたいのは、被写界深度が深く(ピントが合って見える範囲が広い)センサーのゴミ以外が写ってしまうのをできるだけ防ぐ意味もあります。
なお、くれぐれも、パソコンの画面にレンズ先端がぶつからないように注意してください。
画像加工してよりゴミを見やすくする
撮影した写真は一様に単色で写っているはずです。ホワイトバランスの設定次第ですが、グレーのことが多いでしょう。もしも、真っ白もしくは真っ黒に写っているようであれば、露出補正などを使ってグレーに近くなるようにします。ヒストグラムを表示させているのであれば、中央近くだけに山が出来ている状態です。もちろん、この状態でも大きなゴミは見つけられます。ポツポツと写っているのが、センサーについたゴミの影です。
加えて、画像編集ソフトで処理することで、さらに見やすくなります。ここではAdobe Photoshopでの調整を紹介しますが、多くの画像編集ソフトで同様に処理できます。
レベル補正やトーンカーブ([イメージ]-[色調補正])を使い、入力レベルの暗い部分と明るい部分をヒストグラムの山ギリギリまで攻めます。コントラストを上げる操作を何度も繰り返してもいいでしょう。この操作で、さらにゴミの影が見やすくなったと思います。
ゴミによっては、階調の反転([イメージ]-[色調補正])を適用させたほうが見やすいものもあると思います。
ここまでしても、とくにポツポツしたものは確認できなければ、ンサーにゴミはついていない、もしくは気にする必要のないくらいのゴミということになります。
センサーに触れずにゴミを落とす努力をする
ゴミは出来る範囲で取り除きたいものです。乾いたゴミであれば、簡単に取り除けることも少なくありません。ちなみに、カメラでは上下左右反転して写ります。写真の右上に写っているゴミは、カメラを正面から見たとき右下にあることになります。
まずは、カメラのセンサークリーニング機能を使いましょう。何度か適用させてもいいのですが、数回やってダメなら、どうせ取れません。
また、ブロアーで吹き飛ばしてもいいでしょう。まず、センサーが見えるようにします。ミラーレスであれば、たいてい標準状態ですし、一眼レフであればクリーニング用のミラーアップ機能を使います。マウント部ができるだけ下を向くようにして、ブロアーでプシュプシュしてやります。くれぐれも、ブロアーの先端がセンサーに当たらないように注意してください。また、缶のエアダスターなどでは、液体が出て余計に汚してしまうので、使ってはいけません。
同様にカメラを下を向けて、何度かシャッターを切ると、その振動で落ちることもあります。
これらを繰り返して、再び同様に白い紙などを撮影して確認してを繰り返します。こうした操作操作だけで奇麗になることも少なくありません。
しかし、水分や油分を含みベットリとついた汚れは、アルコールなどを使って拭きとるしかありません。ただし、下手にやるとセンサーを傷つけてしまいます。センサー表面を覆っているガラスの交換で済めばいいのですが、カメラによってはセンサーユニット交換になり、修理代が高くつきます。
壊してもいい、もしくは自信があるというのでなければ、費用はかかりますが、メーカーやカメラのキタムラなどで清掃を依頼したほうが安心です。メーカー各社は郵送でもセンサーの清掃を受け付けているので、直接サービスセンターやお店に行けない人は利用してはいかがでしょう。
実はレンズ一体型のカメラでも、ゴミが入ることもあります。この場合は、メーカーでの修理になります。カメラによってはパーツ交換を伴うこともあり、単純な清掃代では済みませんし、時間もかかるので注意です。
少しでもゴミがあったらダメなのか
ゴミが付くかどうかはカメラによって異なります。ゴミ取り機能はあっても、その効果の差はあり、ゴミが付きやすいメーカーのカメラもあります。
使い方によってもゴミの付着頻度は異なります。ゴミが付くのはレンズを外すときですから、ホコリが舞っているようなところではレンズ交換するのは避けたほうがいいのですが、どうしても仕方ないこともあるでしょう。
しかし、ゴミがあったらすべてダメかというとそんなことはありません。要は、写真を撮ったときに気になるかどうかなのです。
「俺は絞り開放でしか撮らない」というのであれば、絞り開放で同様に撮ってみて、特に目立たなければ、気にしなくてもいいでしょう。手間はかかっても、フォトレタッチで消すという人であれば、それでも構わないと思います。
ここで紹介した方法は、できるだけ分かりやすいようにセンサーのゴミを見つける方法です。写りに影響がないものまであまり神経質に気にしても仕方がありません。
とはいえ、ホコリが舞うところでレンズ交換をした後や、大切な撮影を控えている前などではチェックしてみてはいかがでしょう。