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Kindleにない機能、ほかのストアならあります! コミックに便利な6つの電書ストアを比較
2021年9月9日 08:20
電子書籍では圧倒的なシェアを誇るAmazonのKindleストアですが、使いやすいかと問われると、必ずしもYesと言えない部分があります。購入する点数が増え、多くの本がライブラリに並ぶようになると、なぜこんな簡単なことすらできないんだろう……と不満を感じる機会が増えてきます。
そしてある日、ふとしたきっかけで、ほかの電子書籍ストアではそれらが当たり前のようにできることを知って、衝撃を受ける……。いまでは導入済ですが、コミックをシリーズ単位で管理する機能は、長らくKindleに足りない機能のひとつでした。電子書籍のジャンルの中でも、特にコミックに関しては、こうした不満は多いように感じられます。
そこで今回は、Kindleのライバルにあたるストア型の電子書籍ストアアプリについて、Kindleにない便利機能がどれだけ網羅されているかをチェックしてみました。Kindleの利点は認めつつも、他によい電子書籍ストアがあれば併用したいと考えている人、また本格的に乗り換えを考えている人の参考になれば幸いです。
対象の電子書籍ストアは、インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2021」の「利用しているサービス/アプリ」で上位20位までにランクインしているストア型サービス「ebookjapan」「楽天Kobo」「DMMブックス」「コミックシーモア」に、「BOOK☆WALKER」「BookLive!」の2ストアを加えた、計6ストアを対象としています。
Kindleストアに欠けている機能、他のストアにはあるのかチェック
他の電子書籍ストアから見て、Kindleに欠けているのはどんな機能でしょうか。まずはそれら具体的な機能を列挙した上で、同様の機能がほかの電子書籍ストアアプリにどのように実装されているかを見ていきましょう。
ブラウザを開かずストア内で直接購入できる機能(iOS限定)
iPhoneではアプリ内で電子書籍などのデジタルコンテンツを直接購入することはできず、ブラウザを開いて購入し、それをアプリに転送するという二度手間がかかります。
Appleは今月に入ってこれら制限を緩和することを発表しましたが、現時点では一部のストアを除いては、アプリ内での購入は不可能です。
App内課金で前払い式の「ebookコイン」を購入しておくことで、アプリ内での購入が行なえる
App内課金を使い、アプリ内で続巻の購入が行なえる
なし(別途ブラウザを開いて購入)
なし(別途ブラウザを開いて購入)
なし(別途ブラウザを開いて購入)
なし(別途ブラウザを開いて購入)
読み終わると次巻の購入ページに遷移する機能(iOS限定)
コミックを読み終えたあと、次の巻を所有していない場合、すぐに次の巻を購入できるのが望ましいフローです。しかし前述のようにiOSではこうした画面遷移(ページ移動)がNGなので、ブラウザで次の巻を開くための情報だけを提供するアプリや、次の巻への誘導がまったくないアプリもあります。
最後まで読み進めると、次の巻の立ち読み版を自動ダウンロード。それを最後まで読むと、コインを用いてアプリ内購入を行なうための画面が表示される
最後まで読み進めると「続巻を読む、買う」という画面が表示され、該当の巻をタップして「アプリで購入する」を選択することで、アプリ内購入が行える。ただしタイトルによっては、ブラウザで探し直すよう促される場合もある
次の巻の試し読み画面が表示される。それを読み終わったあとは「作品名をコピー」ボタンを押してクリップボードへコピーし、続いてブラウザを開いてストアを表示し、作品名をペーストして手動で検索を行なう
ライブラリに次の巻がなければ本を閉じるだけで、購入ページへの特に誘導はない
次の巻の情報と、未購入であることが表示され、お気に入りに追加することができる。ブラウザでストアを開き、お気に入りリストから購入できる仕組み
次の巻が表示されるが、タップすると「アプリではご購入いただけません」と出るだけで、購入ページへの特に誘導はない
読み終わると既読位置がリセットされる機能
読了時に既読位置がそのままだと、改めて読み直そうと開いた時に最終ページが開いてしまいます。
Kindleがまさにこの仕様で、冒頭から読み直すためには手動で先頭ページへと移動しなくてはならず、不親切です。他の電子書籍ストアアプリでは、読了した時点で既読位置がクリアされ、次に開いた時は先頭ページが表示される仕様が多くなっています。
最終ページから次の巻にジャンプして読み続ければ、それまで読んでいた巻の既読位置は自動的にリセットされる
最終ページにある「しおり位置を先頭に戻す」にチェックを入れた状態で「本を閉じる」を押すか、次の巻を選択して読み始めれば、それまで読んでいた巻の既読位置はリセットされる
読了ページに進んだあと「本を閉じる」を選択するか、「続巻を読む」で次の巻へと進むと、それまで読んでいた巻の既読位置は自動的にリセットされる
最終ページに進んだ段階で「読了に設定」を選択すると、既読位置は自動的にリセットされる。また次の巻へと進んだ場合も、それまで読んでいた巻の既読位置は自動的にリセットされる
既読位置はリセットされない。いったんローカルから削除し、再ダウンロードしても維持される。Kindleと同じ挙動
既読位置はリセットされない。ただし読了ページにある「先頭へ」のボタンを押して手動で先頭ページに戻してから閉じれば、次回はそこから表示される
不必要な本を見えなくしたり、再表示できる機能
読み終えたらもう読み返さない本、あるいは読んでみたところ自分に合わなかった本などを、本棚から恒久的に削除する機能。
Kindleストアにある「削除」機能もこれに該当しますが、本を復活させるにはサポートに連絡しなくてはならず不便です。将来心変わりした時のために、アプリ上で独力で元に戻せるのが望ましい仕様といえます。
個別に選択して「本棚から削除」することで削除可能。マイページの 「削除した本」から元に戻すこともできる
一覧の編集画面で本を選択して「削除」を選ぶと一覧に表示されなくなる。マイページの「アーカイブ一覧」から取り出すと元に戻る
サムネイル表示で個別に選択し「削除」を選ぶと「保管」という本棚に移動し、ライブラリから消える。同本棚で選択し「移動」を選ぶと本棚に戻る
サムネイルを長押しして「削除」を選ぶとアプリの「本」に表示されなくなる。元に戻すにはブラウザでRakutenブックスを開いてMyページから「マイライブラリ」を開き、該当の本を「同期ON」にする必要があり、やや手間
編集画面で選択し「削除」→「非表示にする」で本棚に表示されなくなる。メニューの「非表示作品一覧」から元に戻せる
「購入済み」本棚でサムネイルを長押しして「削除」を選ぶと本棚およびサイト上の「My本棚」で非表示になる。非表示となった作品はサイトで新規作品を探すのと同じように検索し、「アプリで読む」ボタンで再表示できるが、一覧から探せないので手間がかかる
見られたくない本を一時的に非表示にする機能
前述の機能と似ていますが、こちらは人に見られたくない本やジャンルをまとめた本棚を、恒久的にではなく一時的に見えなくする機能。
ひとりでこっそり楽しみたいジャンルの本が大量にある場合、この機能があれば家族や友人にスマホを貸したり見せたりするのも安心なほか、第三者による覗き見対策にもなります。
本棚とは別に「フォルダ」という概念があり、ロックのかかったフォルダに移動させると本棚からは見えなくなり、総冊数にもカウントされなくなる。パスワードを入力すると通常の本棚と同じように表示でき、直接読むことができる
該当機能なし
本棚の新規作成時に「鍵付き本棚」を選択すると、設定の「本棚ロック」をオンにすることで本棚ごと見えなくなる。ロック解除後もアプリを再起動すると自動ロックがかかるので、手動で再ロックする必要はない
該当機能なし
本棚単位で見せなくする機能はないが、アプリごとロックすることで、第三者の覗き見を防止することは可能。FaceIDにも対応する
本棚単位で見せなくする機能はないが、アプリごとロックすることで、第三者の覗き見を防止することは可能
本棚おそうじや自動ページめくり。ストア独自の機能も要注目
最後に、特定の電子書籍ストアアプリにのみ存在するユニークな機能を列挙して、本稿の締めとしたいと思います。
この機能があるだけでそのストアを使いたくなる、そんな機能もあるはずです。
Kindleストアの本を一緒に本棚に並べられる機能(BOOK☆WALKER)
Kindleストアで購入済みの本を、BOOK☆WALKERで購入した本とともに、同じ本棚に表示できるユニークな機能です。同じシリーズのうち特定の巻だけをKindleストアで購入している場合に便利。仕組みとしてはサムネイルを取得してリンクを張っているだけなので、タップするとKindleのライブラリにある本が開かれます。
本棚おそうじ機能(BookLive!)
閲覧期限の切れた無料本や、試し読みした本をワンタップで自動削除してくれる機能です。無料本や試し読み本を多く読む人は、本棚の整理につながるので重宝します。また「My本棚」で完全削除を選択した本もあわせて削除できます。
吹き出しの拡大表示機能(楽天Kobo)
コミックの吹き出しを長押しすることで、台詞が拡大表示される機能です。かつてガラケーで採用されていたUIと似ており、画面の小さいスマホで読んでいて、台詞が読み取りづらい場合に重宝します。ちなみに対応しているのは一部のコミックのみです。