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変なアプリに許可してない? 「プライバシー」は要確認︓iPhone設定チェック(5)
2021年6月30日 08:15
最近ではLINEの個人情報管理の問題などもあり、スマートフォンに保存された個人情報への関心も高まっているのではないでしょうか。写真や連絡先、メール、SNSのメッセージ、Webサイトの閲覧履歴など、さまざまな個人情報がスマートフォンに蓄積されています。
インターネット接続が前提の今では、すべてをシャットアウトするわけにはいきませんが、不必要な情報公開は避けたいものです。iPhone設定チェック第5回ではプライバシーの設定を見直していこうと思います。
“通知”がうるさい!のストレスを解決︓iPhone設定チェック(1)
メールや電話を自分好みに設定する︓iPhone設定チェック(2)
Apple純正マップかGoogle Mapsかで悩む︓iPhone設定チェック(3)
「Safari」は設定で使い勝手が大きく変わる︓iPhone設定チェック(4)
プライバシー機能が大幅に強化されたiOS 14.5
例えば、ECサイトで閲覧した商品が、別のアプリの広告枠に表示されたなんて経験があると思います。これはユーザー追跡(トラッキング)の仕組みを利用しています。ユーザーは、自身の動向にあう商品やサービスを享受できるメリットがあるものの、プライバシーは犠牲になります。
AppleはiPhoneのプライバシー機能を強化し、iOS 14.5以降ではユーザーが同意しない限り、アプリからユーザー識別子のIDFA(Identifier for Advertisers)へのアクセスを制限しています。また、Apple Storeではアプリが利用するデータの開示を義務付けています。
Apple提供のアプリについては「プライバシー」のWebページから利用するデータをまとめて確認できます。
しかし、アプリが利用するデータを確認できても、アプリ起動時のメッセージをよく読まずに「はい、はい」とタップしていたら、結局データは丸見え状態かもしれません。一つずつ確認していきましょう。
プライバシーの設定状態を確認
[設定]アプリから[プライバシー]の項目を上から順番に見ていきます。[位置情報サービス]は、まとめてOFFはおすすめしません。地図アプリなどの使い勝手が著しく低下してしまいます。後ほど詳しく紹介します。
[トラッキング]はユーザー追跡を許可するかどうかの設定。ONにするとアプリが自分の行動(アクティビティ)を追跡できるようになります。まとめてOFFでもいいのですが、アプリにより全機能が使えないものもあることを知っておいてください。
[プライバシー]の画面に並ぶのはiPhoneの機能一覧。これらの機能に対して、他のアプリからのアクセスを許可するかどうかを設定します。例えば、カメラ機能をSNSアプリに許可、写真機能を写真編集アプリに許可といったことです。
該当の機能を使いそうにないアプリに許可していないかは要注意です。例えばタイマーアプリがマイクやカメラの機能を使うのはおかしいですよね。怪しいアプリはいったんアクセスをOFF、アプリの使用上不具合があるなら改めてONにします。
画面下の項目[解析および改善]は、機能やサービスの改善ためのデータをAppleに送信するかどうか。AppleとしてはすべてONでしょうが、好みで設定してください。[Appleの広告]はそのままですね。広告OFFの選択肢はないので、自分好みの広告を表示させたければ[パーソナライズされた広告]をONにします。
位置情報サービスは個別に設定
[位置情報サービス]はONにして個別の項目を設定していきます。[位置情報の通知]はON/OFFから選択可能。位置情報を利用するアプリが、確認の通知メッセージでマップを表示するかどうかの選択です。ON/OFFどちらも確認の通知はされますが、視覚的にわかりやすいのはONです。
[位置情報を共有]をタップすると[探す]の画面が表示されます。[iPhoneを探す]をOFFにする理由はありません。iPhoneを置き忘れた際などに、ほかのデバイスからiPhoneを探せます。[位置情報を共有]は家族や友人と位置情報を共有するための機能で、[探す]アプリでの[自分の位置情報を共有]の項目と連動します。
なお、ファミリーメンバーを登録している場合は[ファミリー]の項目が表示されます。例えば、子どものiPhoneで位置情報を共有しておけば、居場所を把握できるようになります。
アプリごとの[位置情報サービス]は画面下部のアプリ一覧から設定します。基本的には[このAppの使用中のみ許可]としておけば問題ないはず。[常に]が必要になるアプリはほとんどないと思います。とりあえず[なし]にして、不便に感じたら設定し直す手もあります。[正確な位置情報]をOFFにすると、現在の位置から少し外れた位置情報が共有されます。
[位置情報サービス]の画面一番下の[システムサービス]の項目は、iPhoneのシステム機能における位置情報の扱いの設定です。最低限の項目のみONでいいでしょう。プライバシー以前にバッテリー持ちへの影響が大きいです。
[iPhoneを探す]は前述の「iPhoneを探す」機能が使えなくなるのでON。[コンパスの調整]はマップアプリなどの精度向上に必要です。[ネットワークとワイヤレス]は、通信圏内にあるWi-FiアクセスポイントからiPhoneの位置情報を取得するための設定。ONでいいと思います。[時間帯の設定]をOFFにするとタイムゾーンの自動設定が無効になります。[ステータスバーアイコン]はONがおすすめです。
[HomeKit]は照明など[ホーム]アプリに対応するアプリを利用している場合、[モーションの調整と距離]はヘルスケアアプリと連動するApple Watchなどのデバイスを利用している場合にONにします。そのほかの項目はOFFでも問題ありません。
ステータスバーでプライバシー情報の共有状況を確認
画面右上に緑やオレンジの点(・)が表示されることがあります。緑はカメラ、オレンジはマイクを使用中という意味です。気付かないうちにカメラやマイクの機能が使われていないかを確認できるように、iOS 14から実装された機能です。
ホーム画面が表示されているのに「点(・)」が表示されている場合は、バックグラウンドで起動しているアプリがないか、そのアプリに問題がないかを確認してください。
なお、位置情報を取得している場合は、画面左上に矢印のアイコンが表示されます。意図しないタイミングで表示された時は、同様にバックグラウンドのアプリをチェックしてみてください。
このほか、プライバシー保護の基本として、パスコードやFace IDを使ったiPhoneのロックは必須でしょう。また、使用しないクレジットカードをApple Payに登録しないなど、不必要な個人情報をiPhoneに保存しない意識も大切です。