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LED照明「Hue Play」がイイ! ミーティングも楽しくなる(かも)
2021年5月20日 08:15
有名なスマートホーム機器「Hue」。電球以外にもテープ型や卓上ランプ型など、いろいろなタイプの製品がラインアップしているスマートLED照明だが、そのなかに「Hue Play」というものがある。
名前から想像できる通り、Hue Playはエンタメ用途向けのLED照明だ。しかしこれが実際に使ってみると、エンタメではなく仕事のWeb会議なんかでもめちゃくちゃ役に立つのだ! と筆者は主張したい。というわけで、便利で楽しいWeb会議用の照明として使えてしまうHue Playの、4つのイケてるポイントをぜひとも紹介させてほしい。
イケてる 1:ディフューザー付きでそこそこ柔らかめの明かり
Hue Playという製品は本来、雰囲気作りに使う間接照明の位置付け。たとえばモニターの背後に設置して、壁やモニター周辺を照らすようにして使う。Hue Playはモニターで表示している映像や音声の変化に合わせてフルカラーで発光する同期機能をもっているので、部屋を暗くしておけば勝手にムーディーなエンタメ空間を演出してくれるのだ。
そういう間接照明用のものをあえてWeb会議用に直接照明として使うわけで、不安に感じるところもある。1つは光源の見え方だ。撮影用ではないLED照明を無理矢理直接照明にしてしまうと、目に刺さるような強烈な点光源でとても使い物にならない、なんてケースがあるので注意しなければならない。
けれどHue Playは、写真を見るとわかるようにディフューザー的なカバーが装着されていて、撮影用照明のようなやや柔らかさが加わった明かりになっている。このおかげで比較的安心して直接照明として使うことができるのだ。それでも最大光量だと直視できない程度にはまぶしいので注意したいところではあるけれど。
イケてる 2:明るさ、色温度の微調整が自在。買うなら断然2個セット
次に気になるのは光量。直視するとまぶしいとは言っても、Hue Play単体の明るさは530ルーメンで、これだと撮影用(Web会議用)としては不十分かもしれない。室内照明として使われることの多い電球タイプのHue(E26サイズ)が単体で約800ルーメンなので、少なくともそれ以上は欲しいところだが……。
でも、1個で足りないなら増やせばいい。なので、おすすめは2台体制である。実際に使ってみたところでも、1個だと上半身全体を照らしたときの光量は今ひとつという感じだが、2個あれば最大光量にしなくても十分な明るさを稼げる。他のHueと同様、明るさは1%単位で微調整でき、色温度調整も自由自在。室内照明が撮影(動画写り)に適さない色温度であっても、それを打ち消すようにHue Playの方で色温度を調節してしまえばいい。
2個同時に使うのは、光量以外にも大きなメリットがある。1個だけだと1方向から照らすことになり、顔や背後に影ができてしまうが、2個あれば影を打ち消すように配置することでその問題を解決できるのだ。ネックは、当然ながらその分お値段が高くなってしまうこと。
しかしながら、Hue Play 2個セットのパッケージも販売されており、後で単体で追加購入するより安価(実売価格12,000~13,000円)に設定されている。後述するが、1個よりも2個の方がずっと「面白い使い方」ができるので、Web会議用途にしろそうでないにしろ、個人的には2個セットを強力におすすめしておきたい。
イケてる 3:コンパクトサイズで狭いデスクスペースにも余裕で置ける
Hue Playは、いわゆるライトバーと呼ばれる細長い形状の照明だ。サイズは25.3×4.4×3.6cm(長さ×幅×高さ)で、付属のスタンドで縦置きや横置きができ、モニター(テレビ)背面に取り付けるためのアタッチメントもある。Web会議用の照明として使うのであれば付属スタンドで立てることになるだろうけれど、縦置きにすると最小限の占有スペースで済むのがいい。
特に2本セットの場合、モニターの両脇にスピーカーのように立てて配置するとちょうど良さそうだ。縦長の線光源になるので影も消しやすいし、ケーブルは2mとそこそこ長いから、モニター脇以外にも自由度高く配置できる。光が直接目に入りにくい位置にすれば、まぶしさで目がくらむこともない。
もちろん軽量でもあるので、普段はしまっておいて、必要なときだけ引っ張り出すような使い方でも問題なし。付属の電源アダプターは1つで3個までのHue Playの同時接続に対応しているので、電源の確保も難しくないだろう。在宅勤務でその日の気分に合わせて仕事場所を変えているようなノートPCユーザーにもぴったりではないだろうか。
イケてる 4:フルカラーな同期機能。Web会議に「一体感」が出る(かも)
最初の方で、Hue Playはモニターの映像や音声と同期してフルカラーで発光する機能をもっている、と書いた。この同期機能は、テレビで使おうとすると「Hue Play HDMI Sync Box」という製品を別途入手しなければならず、3万円以上と高額なこともあってなかなかハードルが高い。
ところが、PC(のモニター)と一緒に使う形であれば、専用のPCアプリケーションをインストールするだけで映像・音声との同期が可能だ。Hue Play HDMI Sync Boxを購入することなく、すぐに同期機能を使いはじめられる(Hueシリーズ共通の「Hueブリッジ」はいずれにしても必要)。
「Web会議用途ならフルカラーである必要はないのでは?」と思う人もいるだろう。
まったくもってその通りだ。
映像として見やすくなる昼光色や白色あたりに調光できればそれで十分だし、いきなりWeb会議中に自分の顔が真っ赤に染まったりしたらちょっとしたホラーである。
けれども、あえて映像・音声に同期させてWeb会議をすることで、メンバーとの一体感を演出し、もしかしたらチームとしてのまとまりも出てくるかもしれない、という予感がある。2個以上のHue Playがあれば、より一層その気持ちは強くなること間違いなしだ。なぜなのか。
たとえばPC用アプリケーションで「同期」をオンにすると、ディスプレイに表示されている動画などのコンテンツの色合いに合わせて、Hue Playの色がリアルタイムに変化する。南国の海のような映像が映し出されたら、Hue Playもエメラルドグリーンっぽい色に変わるわけだ。
さらにHue Playが2個ある場合、仮に映像の左側が緑の森で、右側が白い砂浜という状況になったとすると、左に置いたHue Playは緑で、右に置いたHue Playは白で光る。そのうえで、音声レベルの強さに応じてそれぞれよりはっきりと発光したりする。つまり、Hue Playはただ単に映像全体の「平均的な色」を表現するのではなく、色の「位置」も見極めたうえで発光してくれるのだ。
これをWeb会議中の様子に当てはめると、画面の左側に表示されている人の背景と、画面の右側に表示されている人の背景それぞれの色合いに合わせて、Hue Playの色が変化するということになる。もちろんその人たちが発言すれば左右のHue Playがより強く光る。
会話が盛り上がるほど発光は増し、自分(筆者)のテンションが上がるのでますます議論は白熱し……という好循環が生まれ、一体感みたいなものが出てきて新しいアイデアも湧きやすくなる……ような気がする。まあ、そう思うのはたぶん自分だけで、他の人にとっては筆者の映像の色合いがただ変わったな、と感じる程度だろうけれども。
あとは、Hue Playが2個あることで1灯を直接照明に、もう1灯を本来の使い方に近い背景用の間接照明にそれぞれ活用するという手法もとれる。間接照明の方を青系の色にしたりすることで、背景も含めた雰囲気ある絵作りが可能になり、カメラは同じでも映像のクオリティがアップしたように感じてもらえる。単に自分の姿を相手に見せることだけを目的にするのとは違った、こだわりあるWeb会議環境を作り込めるのだ。
Web会議が待ち遠しくなる楽しさ
ちなみに、Web会議中にHue Playを同期して使うときは注意しておきたいこともある。Web会議に参加しているフリをして、それとは関係のない動画や音楽を流してはいけない、ということだ(そんな人はいないと思いたいが)。Web会議の映像や発言(のタイミング)とは無関係そうな色合いで光れば、「何か別のことをやっている」のが他の人にバレる可能性がある。桃色とかになったりすると、実に危ない。
それはともかく、Web会議用の照明としては、Hue Play×2個の実用性は申し分なく、映像・音声と同期させて気心の知れたメンバーとミーティングするのは、気分がアガって(自分だけ)すごく楽しい。あるいはライブ配信が趣味の人は、先ほどの最後の例のように背景照明の色を変え、独特の雰囲気をかもし出すような使い方もアリだ。
Web会議向けをうたう他の小型の撮影用照明と比べれば、Hue Playの2個セットは高額ではある。けれど、これのおかげでなんだかWeb会議が待ち遠しくなるし、撮影以外にも応用のしがいがあって楽しみが広がる。他の人があまり使っていない個性的なWeb会議用照明を探しているなら、ぜひ候補の1つに入れてほしいアイテムなのだ。