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席で注文して商品が届く。マクドナルドの「モバイルオーダー」が便利

マクドナルドが、スマートフォンから事前注文できる「モバイルオーダー」の全国展開を1月28日に開始した。モバイルオーダー自体は2019年4月に静岡県を静岡を皮切りにスタートしており、28日から関東・近畿地方で導入された全国展開が実現された。

モバイルオーダーの導入は昨今のファーストフード業界におけるトレンドでもあり、バーガーキングやケンタッキーフライドチキンでも導入されているが、マクドナルドの特徴は「店内席でのデリバリー」まで完結していること。店舗のカウンターまで足を運ぶ必要はなく、席に座ってスマートフォンから注文するだけでテーブルに商品が届けられる。

なお、「全国展開」だが「全店舗で提供」ではないことに注意してほしい。全国のマクドナルド約2,900店舗のうち、モバイルオーダーが利用できるのは約2,700店舗で、席まで商品を届けてくれる「テーブルデリバリー」は約1,700店舗。席で注文して商品を受け取るためには、店舗がモバイルオーダーとテーブルデリバリーの両方に対応している必要がある。対応店舗はマクドナルドのWebサイトから検索可能だ。

店舗検索 | お店をさがす | McDonald's
https://map.mcdonalds.co.jp/

決済はクレジットカード。iOSならLINE Payも利用可能

モバイルオーダーの利用に必要なのは専用アプリ「モバイルオーダー」とマクドナルドの会員登録、そして決済方法の3つだ。アプリはマクドナルドの会員向けアプリとは別の専用アプリが必要だが、会員登録については同じ会員IDを利用できる。

マクドナルドの公式アプリからモバイルオーダーへ誘導

決済方法はクレジットカードとLINE Payの2種類。なお、スマートフォンはiOSとAndroidの両方に対応しているが、LINE Payが利用できるのはiOSのみで、Androidユーザーはクレジットカードのみとなる。また、2019年4月の発表時には楽天ペイとd払い対応が予告されていたが、2020年2月12日時点では対応していない。

専用アプリはApp StoreやGoogle Playからインストールできるほか、マクドナルドの公式アプリにも導線が用意されている。

店舗に行く前に注文を決め、店舗についたら注文を確定

サービス利用の流れはあらかじめ行く店舗と注文内容を入力して仮決定。その後目的の店舗に到着したら決済を行なうことで注文が正式に確定する。自宅でオーダーをゆっくり選んでから店舗に向かってもいいし、店舗で座席を確保してから注文してもいい。仮決定したオーダーもあとでキャンセルすることが可能だ。

最初に店舗とメニューを選択

店舗はスマートフォンの位置情報機能を利用して周辺の店舗を探せる。ただし、OSによって挙動が異なり、iOSは店舗検索前に位置情報の許可画面が表示されるが、Androidは許可を取る前に検索が始まるため、初回は必ず東京駅周辺のエリアが表示され、店舗を検索した時点で位置情報の許可を求める仕組みになっている。最初の利用時に位置情報が狂っているのかと誤解したので、位置情報取得は検索前に行なって欲しい。

Androidでは初回の店舗が必ず東京駅周辺になる→検索画面で位置情報を確認→位置情報取得を許可すると周囲の店舗が検索できる

メニューは朝マックとレギュラーの2種類に分類されており、ランチタイム用のバリューランチやクーポンなども適用可能。セットの場合はサイドメニューやドリンクを選択でき、ドリンクのサイズ変更もアプリから指定できる。

メニューは「朝マック」「レギュラー」の2種類に分類→レギュラーのジャンル一覧→ジャンルを選ぶと写真で商品を確認できる
セットのサイドメニューやドリンクを選択→ドリンクのサイズ変更も可能→セットが決まったらカートに追加。複数のセットを注文することもできる

店舗と注文内容が決まったら「注文を決定する」を選択するとログイン画面が表示される。前述の通りすでにマクドナルドの会員登録を済ませていればログイン可能。ここから新規に会員登録も行なえる。

注文が決まったら「注文を決定する」を選択

ログインが完了してから改めて「注文を決定する」を選択すると注文が仮決定される。この時点ではあくまで「仮」のため、正式にはオーダーされていない状況だ。店舗に到着してから再度アプリを起動してもいいし、店舗について席を確保してから注文してもいい。

注文を仮決定
店舗に到着したら注文を確定

店舗で受け取り方法を選択。テーブルデリバリーで席までお届けも

受け取り方法は店内のイートインと持ち帰りのテイクアウトから選択。イートインの場合、テーブルデリバリー対応店舗であれば席に割り振られた番号を入力することでスタッフが届けてくれる。あとは支払い方法を選択すれば注文は完了だ。

受け取り方法を選択
テーブルデリバリー店舗は席で受け取れる
テーブルデリバリーの場合はテーブルの番号を入力
テーブルの席それぞれに番号が割り当てられている
支払い方法。Androidはクレジットカードのみ
iOSはLINE Payも選択できる
決済選択後に注文を確定。この先はキャンセルできない

オーダーが終わったら席で待っていると、数分ほどで店員が商品を届けてくれた。大型店舗ということもあってか、サービス開始直後にも関わらず店員の動きはスムーズ。周囲を見ているとモバイルオーダーを使っている人もちらほらおり、利用率も高そうだ。

オーダー完了

商品を受け取ったら、アプリから「商品を受け取りました」を選択してオーダーを完了する。完了画面には「まだ受け取っていません」というボタンもあるため、間違えてタップした場合は完了操作をキャンセルすることもできる。

商品を受け取ったら「受け取りました」を選択
誤タップの場合は完了をキャンセルできる

なお、テーブルデリバリーに対応していない店舗の場合は自分で取りに行く必要がある。テイクアウトの場合と同様にカウンターで商品を受け取る。

席で注文できる手軽さが便利

ファーストフードなどでは、注文したはいいものの座る場所がなかったり、注文する前に座席を確保するよう店員に促されたりすることもある。座席確保用のカードなどを用意している店舗もあるが、ほとんどの場合座席確保は自分の私物を置いておく、というルールで運用されているのが実情だ。

私物をおいて座席を離れるのはセキュリティの観点で問題がある。そうした慣習に慣れている日本人ならまだしも海外の旅行客には受け入れられない面もあるだろう。

その点マクドナルドのモバイルオーダーは、テーブルデリバリー対応店舗かどうかを確認する必要があるが、座席を離れることなく注文が可能。子供連れなど、人数が多くカウンターでの注文が大変なときでも、座席を確保すれば席まで届けてくれるのも嬉しい。後ろに人が並んでいて落ち着いてメニューを選べない、という人もモバイルオーダーなら安心だ。

店員にとっても、店内の番号順を把握しておけばより効率的に届けることができる。モバイルオーダーを使わないテーブルデリバリーの時、客に渡したカードを探して店内を歩き回るスタッフの姿を何度も目にしたが、こうした苦労を取り払えるという点で運用面でのメリットも大きいだろう。

「ピクルスを抜きたい」といった個別オーダーや「ポイントを貯めたい」など、いまのマクドナルドの全てのサービスをカバーできているわけではない。このあたりはさらなる強化を期待したいが、待ち時間を有効にかつ安心に過ごせる。とても満足度の高いサービスだ。

甲斐祐樹

Impress Watch記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。ライター以外にも家電ベンチャー「Shiftall」スタッフとして活動中。個人ブログは「カイ士伝