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100億円キャンペーンに煽られ、「PayPay祭り」に参戦する
2018年12月7日 17:59
2019年12月4日、「PayPay祭り」が始まった。正式名称「100億円あげちゃうキャンペーン」という、スマートフォン決済「PayPay」の一大キャンペーンだ。
キャンペーンは2本立て。
PayPay 100億円あげちゃうキャンペーン
PayPayで支払いをすると、支払額の20%がPayPayボーナスで還元される
*PayPayボーナスの上限は一人あたり月額5万円相当
40回に1回の確率で支払額の全額がPayPayボーナスで還元される。
*PayPayボーナスの付与上限は一回あたり10万円相当
このキャンペーンによる還元の総額が100億円のため、「100億円あげちゃうキャンペーン」というわけだ。
キャンペーン期間は一応2019年3月31日までとなっている。“一応”と書いているのは、おそらくキャンペーンが続かない(還元金額が尽きる)と予想されるような、“祭り”になっているからだ。
購入金額の20%還元で100億円なので、流通額は500億円以上。それだけ使うためには、加盟店の数も必要だが、ファミリーマートなどのコンビニエンスストアだけでなく、ビックカメラやジョーシンなどの家電量販店、エイチ・アイ・エスなどの旅行業界などもPayPayに対応。約17,000店舗で利用できるという。
PayPay自体は10月5日にサービス開始したばかり。それなのに、こんな大規模キャンペーンを打てるPayPayとは? と気になる方もいるかもしれないが、PayPayの母体となるのがソフトバンクとヤフー。バーコード/QRコード決済としては後発となるPayPayが、大きな資本を使い、一挙にキャッシュレス決済の覇権を取りに来るために仕掛けたのがこのキャンペーンだ。
とにかく20%還元はありがたい
モバイル決済を追いかけている人は、11月22日のキャンペーン発表時から注目して“アップ”を始めていた。しかし、12月4日にキャンペーンがスタートすると、こうしたモバイル決済に注目してきた人以外でも、多くの人がPayPayに殺到、PayPayのサービスが一時ダウンするなど、予想を超える盛り上がりを見せている。
100億円という還元規模もすごいが、最大の商戦期といえる年末商戦にあわせて展開し、さらに、決済額が比較的小さなコンビニや飲食店だけでなく、ビックカメラやジョーシンなどの家電量販店もキャンペーンの対象とした点も注目だ。10万円を超えるような製品でも20%還元の対象(上限は5万円)とあれば、年末に買おうと思っていた商品が、割安に購入できる。それもあって、初日から“祭り”の様相を呈している。
初日にはビックカメラなどPayPay対応のMacやiPadの売り場に長蛇の列ができたという。なぜなら、割引販売がほとんどないApple製品で20%還元が行なわれるから。この冬にMacやiPadを買おうと考えていた人には絶好の機会到来というわけだ。
6日の夕方にビックカメラ有楽町店を見たところでも、PayPayの大型ポップとともに、多くの人が「PayPayで」と支払いをしていたのが確認できた。PayPayの20%還元、プラスビックカメラのポイントも付くので、買おうと思っていた人であれば明らかに“お得”だ。
僚誌AKIBA PC Hotlineの4日の取材では、「今日の会計のほぼ全てがPayPay決済だった」という店舗もあったという。「半分がPayPay」とツイートする店舗もあるなど、様々な業界や店舗、ユーザーがPayPayに注目している。
なお、20%還元キャンペーンは一人当たり月額5万円相当のPayPayボーナスが上限。要するに月の支払い25万円までが還元対象だ。PayPay還元に期待して使いすぎるのは注意したい。また、3万円以上のPayPay決済時には本人確認書類の提示が必要となる。
もう一点注意事項は、PayPayボーナスの還元は原則「翌月10日前後」。12月の購入後の還元は2019年1月10日頃となる。ビックカメラのポイントのように即日とか翌日の買い物に使えるわけではない。
PayPay利用を煽られる全額還元キャンペーン
そして20%還元に加えて、注目なのが40回に1回の確率で支払額の全額がPayPayボーナスで還元される「全額還元キャンペーン」だ。
全額還元の上限は10万円。しかし、通常「40回に1回」の当選確率が、Yahoo!プレミアム会員であれば「20回に1回」にアップ。さらに、ソフトバンクとワイモバイルのスマホユーザー「10回に1回」となる。
実際にほぼ10万円還元となった人もかなり多く、自分のFacebook(友人227人)を見ているだけでも、試しに試算したところ、MacBook Pro(23万円)で10万円還元、BDレコーダを買って10万円還元、PCパーツで8万円以上還元など、高額還元者が続々。
そしてそれらを、スクリーンショットとともに当選報告しているのだ。
ざっと見ただけで50万円以上の還元報告があるので、それを見ていると「羨ましい」という感情が生まれてくる……。
Facebookのつながりでは、仕事関係のスマホ決済を使いこなしている人が多いのは確か。しかし、学生時代の友人などもキャンペーンに参加していることがわかる。さらに、「外れたー」といった報告(とはいえ20%還元)も多く投稿されているので、PayPayの盛り上がりを否が応でも感じさせられる。
さらにTwitterでも、MacやiPad Proなどの高額製品の還元報告が散見され、タイムラインを見ているとPayPayを使いに行きたくなる。「PayPayガチャ」ともいわれるこの全額還元で、PayPay利用を煽られている感じだ。
PayPayに祭りに参加する
ということで、遅ればせながら12月7日、PayPay祭りに参戦した。
PayPay自体は、すでに飲食店などで利用済みではあるが、いずれも1,000円程度の支払い。もう少し祭りに参加したい、ということで、通勤前にビックカメラを目指す。
筆者の全額還元確率は最弱の1/40。ソフトバンクやワイモバイル契約者であれば1/10だが、ちょうど10月にソフトバンクからMNP退出してしまったことが悔やまれる。せめて「Yahoo! プレミアム」(月額462円)に加入して1/20まで確立を上げるか、などと電車中でシミュレーションを重ねながらも、自分の運を信じて最弱ステータスのまま「ビックカメラ 新宿西口店」に到着した。
そもそも、9月にテレビ、10月にiPhoneを購入した筆者は、すでに年末に大型家電製品を購入する予算はあまり残っていない。いま使ってみたい製品といえば、先週発表されたジンバルカメラ「DJI Osmo Pocket」(44,800円/税込)だが……
正直、レビュー記事などを見てゆっくり検討したいと思っていたが、2割引きとなると揺れる……。3分ほどOsmo Pocketを触りながら考えたが、現在は予約受付中で、12月15日頃の引き渡しとのこと。「今週末使いたかったので」という言い訳のもとOsmo PocketのPayPay購入をあきらめた。
考えてみると、普段値引きがほとんどされない(価格が安定した)カメラ・レンズなども絶好の買いタイミング。いろいろチェックを始めるものの、やはり原資が足りないので断念。
結局購入したのは、間違いなくすぐに使うはずの3TBのUSB HDD「AVHD-AUTB3」(アイ・オー・データ機器)。12月1日にスタートした新4K衛星放送(BS4K)の録画用HDDだ。価格は16,416円。探せばもっと安い店もあるのだろうが、それよりPayPayを使いたい、という気持ちになっている……。
ということで、ビックカメラのレジで、ポイントカード(アプリ)を提示した後で、PayPayのQRコードをスキャン、金額(16,416円)を自分で入力し、店員の確認のもとで決済を実行すると……「おめでとうございます。3,283円のPayPay残高GET」との表示が。
残念? ながら全額還元対象とはならなかったが、まあ3,000円以上戻ってくるのであれば満足。ついでにビックポイントも1,314ポイント付与されるので、実質11,819円だ。価格コムの最安値より安いし、悪くない買い物なのでは。
周りを見渡しても、PayPay祭りで初めてQRコード決済に触れた、という人はかなり多い。筆者も様々なスマホ決済を試してはいるが、少額のコンビニや飲食店などがほとんど。1万円をこえるQRコード決済を行なったのは、今回が始めてだ。
もっとも支払い時も、店員が都度金額を確認したり、使い方を教えたりと、現場の運用はなかなか大変そうにみえる。また、キャンペーン前に使った飲食店では、「PayPay払いで」と伝えたら、休憩中? の店長を呼び出すことになり申し訳ない感じになるなど、まだまだ課題がないわけではないし、「社会に浸透した」という段階ではない。
しかし、このキャンペーンでスマホ決済に触れた人がかなり多くなったのも間違いないだろう。キャッシュレス決済普及という“固い”テーマを「イベント化」して楽しめたのは画期的と感じる。
PayPayでは「キャンペーンの終了予測の告知等は行なわない」としており、100億円あげちゃうキャンペーンがいつまで続くかはわからない。ただし、「キャンペーン付与金額を追加する可能性があり、その場合はPayPayホームページで事前告知を予定している」とのことだ。