いつモノコト

プールの水あふれ問題を3千円で解決? SwitchBotの「水漏れセンサー」

学校のプールへの注水を止め忘れた結果、高額な水道料金が発生した、というニュースがたびたび話題になっています。数十~数百万円の金銭的負担がのしかかることもあり、そうなる前に有効な対策は打てなかったのだろうかと歯がゆく感じるのは筆者だけではないでしょう。

もちろん設備上でしっかり対策を取っている学校もあると思いますが、もし目視に頼った運用になっているのであれば、簡易的なセンサーを設置するだけでも多少なりとも防止効果があるはず。

と思って探したところ、見つけました。スマートホーム機器で知られるSwitchBotの「水漏れセンサー コード付き」です。通常価格は2,980円とけっこうリーズナブルなので、筆者宅のプールに使ってみました。

「水漏れ」だけでなく「水がない」ことも検知できる

「水漏れセンサー コード付き」は、水の有無を検知できるスマートホーム機器です。小型のボディに水漏れセンサーが埋め込まれ、さらにそこから延びるコードの先にも水漏れセンサーが取り付けられています。

SwitchBot「水漏れセンサー コード付き」
本体やコード先のセンサー部を固定する両面テープ、電池カバーを開けるためのプレート、単四電池2本が付属

「コード付き」ではない「水漏れセンサー」も商品としてラインアップしていますが、今回のようにプールの水位検知に使いたい場合は「コード付き」の方が都合が良さそうです。

ちなみにセンサー部をもう少し詳しく見てみると、本体の天面と底面の両方に2つずつ金属端子があり、コード先端も裏表両面に同じような金属端子があります。

本体天面と底面に金属端子のセンサー
コード先端も裏表両面に金属端子

仕組みとしてはわりとシンプルで、この並んだ金属端子の間で通電すれば水を検知したと判定し、そうでなければ水がないと判定する、ということのようです。

そんなわけで、使い始める前にいったん本体底面のフタを開け、付属の単四電池をセット。次に専用のスマートフォンアプリから「デバイスの追加」で水漏れセンサーを登録し、宅内Wi-Fiに接続するようにします。

底面のカバーを開けて電池をセット
右上の「+」から「デバイスを追加」をタップ
追加したいデバイス(ここでは水漏れセンサー)を選択する

水漏れセンサーは2つのモードから選んで動作させることができます。1つはセンサーで水を検知したときに知らせる「漏水検知」モード、もう1つは水を検知“できない”ときに知らせる「水位検知」モードです。

「漏水検知」モードと「水位検知」モードのいずれかを選ぶ

前者は文字通り漏水を検知して床が水浸しになってしまったりするのを防ぐのに使えます。後者は水槽の水が蒸発するなどして水位が低下していることを知る、みたいな場面で使えます。

今回はプールの水あふれを防止したいので、水を検知する「漏水検知」モードを選びました。

3パターンの方法で検知した内容を通知

もし水を検知したときには、それを知らせる方法として3種類から選べます。1つ目は、本体内蔵のアラーム(ブザー)を鳴らすというもの。2つ目はスマホへのプッシュ通知。3つ目は、あらかじめ登録したメールアドレスへのメール送信となります。

アラーム音量は3段階で設定でき、鳴らし続ける長さや(検知状態がその後も継続している場合の)鳴らす間隔を指定可能で、ミュート状態にして全く鳴らさない設定にもできます。スマホへのプッシュ通知は任意でオンオフ可。メール通知については最大10件のメールアドレスを登録しておけます。もちろんこれもオフにすることが可能です。

本体内蔵のブザーを鳴らせる。音量や鳴らす長さなども設定可能
プッシュ通知もできる
登録したメールアドレス宛に通知するのもOK

センサーが検知したことを、この3種類のうち好きな方法(組み合わせ)で知ることができるわけですが、プールに使う場合、たいていは屋外にあることを考えると、アラームでの通知はあまり意味がなさそうです。また、大音量に設定すると近所迷惑になる可能性があります。これはミュートでいいかもしれません。

プッシュ通知はスマホ上で最も気付きやすい方法になります。SwitchBotでは、スマートホームデバイスの制御やステータスなどを家族と共有できるようにする機能もあり、複数人が通知を受け取ることも可能です。

ただし、これだと今回の水漏れセンサー以外に管理しているスマートホームデバイスも共有の対象となります。水漏れセンサーのステータスだけを複数人で管理したいなら、メール通知を設定するのがベターでしょう。

水の出しっぱなしを防げる! でもプールに使うときの注意点も

というわけで、筆者宅の庭に設置したプールに水漏れセンサーをセットしてみました。コード付きタイプだと、本体をプールの縁などに置き、コード先のセンサーを水を検知したい位置にぶら下げておくことができます。

自宅プールに設置してみたところ

プールに水を貯め始め、水位がセンサーに到達すると、あらかじめ設定した方法で通知が届きます(またはアラームが鳴ります)。そこですぐに蛇口を締めれば、大量に水をあふれさせるようなトラブルを防げるでしょう。筆者もプールに水を入れたままうっかり忘れてしまうことが多々あるので、これはなかなかに便利。

水位がセンサー部まで到達
するとプッシュ通知が届く
アプリ上では警告表示
水漏れセンサーのステータス画面はオレンジ色に
水を検知しなくなると元の水色の画面に戻る

しかしながら注意しておくべきポイントもあります。本体側のセンサーにも水がかかってしまうと通知されてしまうことがあるので、たとえば雨が降ったときに水がかからないよう陰になるような場所に固定したり、カバーしたりと、何らかの工夫が必要そうです。

また、自宅の庭であれば問題ないと思いますが、学校のようにプールがメインの建物(Wi-Fiアクセスポイント)から離れた場所にあったりすることが少なくないと思うので、Wi-Fi電波が届かず通知されない恐れもあります。さらには複数人で管理する場合、誰のスマホ(やメールアドレス)で水漏れの通知を受け取るのか、という運用面の決め事も調整する必要があるでしょう。

学校だけでなく家庭でも導入メリットはある

それでも3,000円足らずで数十~数百万円の損害を防げる可能性があることを考えれば、一度試してみるのもアリではないかと思います。

個人宅であっても、うっかり忘れで一度に数百円分の水を無駄に垂れ流してしまうのはよくあること(筆者も何度かやらかしています)。プールの季節はこれからが本番です。高騰している電気代だけでなく水道料金も余計に払わずに済むように、スマートな水漏れセンサーを導入してみてはいかがでしょうか

日沼諭史

Web媒体記者、IT系広告代理店などを経て、フリーランスのライターとして執筆・編集業を営む。AV機器、モバイル機器、IoT機器のほか、オンラインサービス、エンタープライズ向けソリューション、オートバイを含むオートモーティブ分野から旅行まで、幅広いジャンルで活動中。著書に「できるGoProスタート→活用 完全ガイド」(インプレス)、「はじめての今さら聞けないGoPro入門」(秀和システム)、「今すぐ使えるかんたんPLUS+Androidアプリ 完全大事典」シリーズ(技術評論社)など。Footprint Technologies株式会社 代表取締役。