いつモノコト

JR東のSTATION WORK、他社連携が増えてかなり便利

JR東日本が展開しているシェアオフィス「STATION WORK」。コワーキングスペースや駅構内の個室ブースなどさまざまな形態があり、2019年の本格展開から全国へどんどん拡大していっています。

特に最近は他社連携が進んでおり、STATION WORKから他社のコワーキングスペースや個室ブースも予約できるようになってかなり便利です。実際に筆者も、STATION WORKからさまざまなシェアブースを予約・利用しており、使ってみるとそれぞれ異なる部分があることがわかりました。各社どんな特徴があるのか、なにが違うのか紹介したいと思います

STATION WORK公式サイトから、他社のワークブースやコワーキングスペースも予約できます

法人向けだった「ワークスタイリング」が連携

ここ最近で最も大きな連携となったのが、三井不動産のシェアオフィス「ワークスタイリング」で、2月から相互連携が開始しました。ワークスタイリングは元々法人契約のみで、所属している企業などがワークスタイリングに登録していないと利用できませんでした。

筆者の自宅近くにはワークスタイリングがあり、外から見ているとスタイリッシュな外観が格好良く好印象。一度使ってみたいと思っていたものの、利用対象ではなかったのでそれまでは素通りするだけでした。ですが2月からSTATION WORKに会員登録していれば使えるようになり、これは一度入ってみなくては! と思い予約してみました。

2月からSTATION WORKとワークスタイリングの相互連携が開始

検索画面では「WORK STYLING」のみを絞り込むことが可能で、104件が候補として表示されました(5月22日時点)。拠点は首都圏だけでなく、北海道、関西、九州まで全国に展開されています。

利用したい拠点を選んだら、予約時間を選択します。このときに必ず個室ブースを選択したうえで予約時間を選択しなくてはいけないのですが、ワークスタイリングはオープンスペースもあるのになぜ? と疑問に思いながらも予約を進めます。

予約完了してからわかることなのですが、予約詳細を見ると「※STATION WORKは個室のみのご利用となります。ドリンク・アメニティはご利用いただけます」という表記が。予約前に知りたい情報!!!

ということでSTATION WORKからのワークスタイリングの予約は個室のみの利用となっており、個室の予約が埋まっている場合は利用できないことがわかりました。

検索画面では「WORK STYLING」のみを絞り込むことが可能。全国に104件あります
個室ブースを時間制で予約
予約完了。60分の利用で2,112円なので少しお高め
予約詳細を見ると「※STATION WORKは個室のみのご利用となります」の表記が。予約前に知りたい情報でした

会議をするなら個室利用で問題ないですが、あのスタイリッシュな空間はオープンスペースでこそ満喫できそうなのに……とちょっと残念な気持ちに。とはいえこれまで入ったことないワークスタイリングに入れることには変わりないので、ウキウキで向かいました。

ワークスタイリング自体への入室は、予約時に発行されるQRコードで行ない、わからないことがあれば受付のスタッフに質問できます。スタッフが常駐しているのもワークスタイリングの良いところです。ほかにも充電器の貸出やドリンク、アメニティの利用もできます。ドリンクのコーヒーはデカフェも用意がありました。

個室ブースは鍵が開いており、予約しているブースにそのまま入れます。JRの個室ブース「STATION BOOTH」より広々としており快適です。ブース内にはカードキーがあるので、ドリンクを取りに行きたいときなども荷物の心配をせずに個室から出られます。

ドリンクを取るときにオープンスペースで仕事をしている人を見ると、私とは身分が違う人だ……と思ったり思わなかったりしますが、ドリンクやアメニティを使わせてもらえるだけ十分ありがたいです。

ワークスタイリング 銀座の個室ブースエリア
モニターが常設されています
充電ケーブルやキーボード、マウスは借りられます
ブース内にカードキーがあり、ブースを一旦出るときも荷物の心配がいりません
ドリンクやアメニティは利用可能。カフェメニューも充実しています(出典:WORK STYLING)

ただ、サービスが充実している分、利用料金もお高めです。STATION WORK会員がワークスタイリングを利用する場合、料金は10分308円~。1時間利用すると1,848円になります。駅周辺にあるSTATION BOOTHは15分275円~で1時間1,100円なので、結構な差があります。

今回はワークスタイリングの連携を機に使ってみましたが、オープンスペースが使えないことは予約してから知ったので、個室ブースしか予約できないなら通常のSTATION BOOTHや他社の個室ブースの方が割安で良いなという結論に至りました。

ただ、STATION BOOTHも最近は利用者が多く、直前だと予約が埋まっていることがあります。近くに予約ができる個室ブースがワークスタイリングしかないというときは、候補の1つとして考えるのもありでしょう

個室ブース最安はRemoteworkBOX

ちなみにSTATION WORKで予約できる他社個室ブースは、RemoteworkBOXが15分137円~で1時間548円と最安。RemoteworkBOXはブース内にモニターがない拠点が多いのがSTATION BOOTHやワークスタイリングの個室ブースと異なる点ですが、Wi-Fiや空調はあるので十分です。

RemoteworkBOXの大きな特徴は、JRの駅がない場所に多数設置されている点。STATION WORKでRemotework BOXを検索してみると103件表示されました(5月22日時点)。首都圏だけでなく東海地方や九州にも設置されています。

RemoteworkBOXが15分137円~で最安。JRの駅がない場所での設置が多いです

このほかSTATION WORKでは、個室ブースを備えたコワーキングスペース「アクセアカフェ」も予約できます。ただしアクセアカフェは、5月16日から個室ブースの予約は別サービスを利用しなくてはいけなくなりました。

オープンスペースは引き続きSTATION WORKから予約でき、料金は15分121円~とお安め。コワーキングスペースとして利用したいときの候補として良さそうです。

ほかにもSTATION WORKで予約できる他社コワーキングスペースは、We Workやコインスペースなど多数あります。仕事するだけならカフェで良いのでは? と以前は思っていましたが、ノートパソコンの充電器を忘れて外出したときに、充電器貸出可のコワーキングスペースをSTATION WORKから予約できたおかげで事なきを得たことがありました。

アクセアカフェは、オープンスペースならSTATION WORKから予約可。個室ブースは別サービスで予約必須ですが、コワーキングスペースとして使うなら15分121円~とお安めです

他社連携が進み便利になっているSTATION WORKですが、欲を言うなら、全国に拠点が多数あるテレキューブも予約できるようになったら便利なのになぁと思っています。テレキューブは街中で見かけることが多く、今個室ブースを使いたい! というときに一番近くにあるのがテレキューブということが多々あります。

テレキューブも他社サービスですが、JR西日本の予約サイト「+PLACE」からなら予約できるという裏(?)ルートがあります。+PLACEではSTATION BOOTHも予約できるのですが、STATION WORK公式サイトと比べると操作性がイマイチ。

STATION WORKで予約できるようになれば、1つのサイトで「STATION BOOTH」「RemoteworkBOX」「テレキューブ」が使えるようになり、かなり便利になるのになぁと思っています。色々と事情があるかもしれませんが、3社が1サイトで予約できれば都内の個室ブースにほぼ対応できるようになるので期待したいところです。

JR西日本のコワーキングスペース予約サイト「+PLACE」
+PLACEだとテレキューブとSTATION BOOTHが予約できますが、STATION WORKで予約できるRemoteworkBOXは非対応
西村 夢音