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手首負担を軽減 ロジクールの“握手スタイル”マウス「Lift」

ロジクール「Lift」

1日中ほとんどパソコンを使って仕事をする筆者にとって、パソコンを操作するマウスは重要な存在。業務の効率化を高めるためにマウスはいくつも試しているのですが、ここ数年定着しているのが、ロジクールの「Lift」です。

Liftは、人間工学に基づいてデザインされた「エルゴノミックマウス」にカテゴライズされる製品。一般的なマウスはクリックするボタンが本体上部にありますが、Liftは握手をするような感覚で握って使うデザインになっており、右側の縦に近い位置にボタンやホイールが配置されているのが特徴です。

Liftを買ったきっかけは、ある日パソコン作業をしていたら手首が痛くなったことでした。痛みが気になって仕事にも集中できず、その日は諦めてパソコンを使わない作業に切り換えていたのですが、その後も定期的に痛みが訪れるため、これは抜本的な対策が必要だな……と考え、手首に負担がかからないマウスを探すことにしました。

握手するように縦に持つ形状 小型で手に馴染みやすい

いくつかマウスを検討する中で、最初に試したのはLiftの前身とも言えるロジクールの「MX Vertical」。形状はLiftと形状はほぼ同じながらサイズが大きいのが大きな違いです。

LiftとMX Vertical

通常、マウスを使う時は右手を90度横にひねって操作するため、わずかな動きながらも手首に負担がかかっていたのですが、MX Verticalは手をほとんどひねらずに操作できるため、手首の痛みを感じることがほとんどなくなりました。

一方で難点はMX Verticalの本体サイズ。MX Verticalは本体の高さが12cmあり、今までのようなマウスを手に取る感覚でキーボードから横へ手を伸ばすと、MX Verticalの握る部分に手がぶつかり、MX Verticalが勢いよく吹っ飛んでいく……、ということが多々ありました。

また、握る部分も厚みがあるため握力が必要で、手首の負担は軽減されたけれど別の疲れを感じるようになってしまいました。結果、使わなくなってしまいました。

MX Veticalの形状はいいけどもう少し小さいサイズが欲しい、と思っていた筆者にぴったりだったのがその後登場したLiftで、このサイズならMX Verticalの課題をすべてクリアできそう、ということで購入しました。購入当時の金額は8,690円でしたが、現在は円安の影響か、9,790円に値上がりしているようです。

実際に使って見るとLiftのサイズ感は期待通り。握る部分が薄くなったため握力も負担がかかりません。高さも一般的なマウスよりは高いので未だぶつかってしまうこともあるのですが、MX Verticalに比べると圧倒的に低いため、ぶつかって飛んでいくこともほとんどなくなりました。

手首を曲げずまっすぐの状態で持つため負担が少ない
MX Verticalより小型化したことでキーボードから手を横に移動したときもぶつかる部分が少ない

手首に負担をかけないという点ではトラックボールも検討したのですが、操作に慣れるのに時間がかかることに加えて、ウィンドウや画像サイズの大きさを細かく調整したいという時にカーソル操作が難しいのが難点でした。

一方、このLiftは操作感はほとんどマウスと変わらないので、マウスから簡単に乗り換えることができます。ロジクールの自社調査でも、80%の人が初日からLiftを快適に利用できた、と回答しているようです。

ボタン割り当てや最大3台の接続、接続安定のLogi Boltなど多彩な魅力

形状だけでなく多機能さもLiftのメリット。右ボタンと左ボタン、ホイールという基本的なボタン類に加えて、親指側に2つのボタン、ホイール部分の下にボタンがあり、さまざまな機能を利用できます。

握った親指側に2つのボタン
ホイール下にボタン

初期状態では、ホイール下のボタンはマウスカーソルの移動速度切り替え、親指側のボタンは標準で「進む」「戻る」が割り当てられています。さらに親指側のボタンどちらかを押しながらホイールを操作すると画面を縦でなく横にスクロールできるので、スプレッドシートなど横に長い画面を見るのに重宝します。

これらのボタンは専用ソフト「Logicool Options+」を使って好きな機能に割り当てを変更できます。割り当てられる機能は非常に多く、ブラウザや画面操作だけでなく、最近話題のChatGPTを呼び出す機能も搭載。さらにこれらのボタンは、ブラウザなら「進む」「戻る」、Excelなら「拡大」「縮小」などアプリケーションごと個別に設定可能。アプリケーションも標準で登録されているもの以外に、自分でインストールしたアプリも設定対象にできます。

専用ソフト「Logicool Options+」でボタンの割り当てを変更できる
割り当てはアプリケーションごと可能

最大3つの機器に接続でき、ボタン1つで切り換えできるのも便利。筆者はパソコンのほか、スマートフォンやタブレットにも接続して、スマートフォンで長文を打ちたいときなどに切り換えて使っています。

最大3つの機器に接続できる

細かい点ではLogi Boltという、電波の混線を回避する独自のワイヤレス規格に対応しているのも魅力。筆者宅はワイヤレス機器が非常に多く、マウスの接続が時折切れてしまうことも多々あったのですが、Logi Boltに切り換えてからは、接続が切れることはなくなりました。また、Bluetoothにも対応しているので、Logi Boltに対応していないスマホやタブレットとも接続して利用できています。

本体は一般的なマウスより大きめのため、持ち運びには向かないのですが、自宅で集中して作業するときには手放せない存在です。これ以上小型になると逆に持ちにくくなりそうなのでサイズ感もぴったり。パソコン操作時に疲れを感じる、多機能なマウスを使いたいという方におすすめの製品です。

甲斐祐樹

インプレス記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。個人ブログは「カイ士伝