いつモノコト

ちょい長のマイクアーム ZOOM「ZMA-1」

ZOOM「ZMA-1」

マイクをぶら下げるマイクアームとしてZOOMの「ZMA-1」を導入してみました。Amazon.co.jpにて9,115円でした(現在は9,500円~1万円前後です)。

私のマイクの利用は、主にビデオ会議など簡易な内容にとどまるのですが、手持ちで使うわけにもいかないので、なんらかのスタンドやアームが必要になります。マイクスタンド・アームには、床に置くもの、机の上に乗せるもの、クランプで机に取り付けて多関節のアームでポジションを自由にできるもの、という大別して3つがあると思います。それぞれメリット・デメリットがあります。

私はこれまで、マイクを使う際は床に置くブーム付きマイクスタンドを使っていました。音楽スタジオやライブステージなどで一般的に使われているアレです。使用時は問題ないものの、狭い室内では、マイクを使わない時に簡単にコンパクトにできない、足元の三脚部分がちょっと邪魔になる、という点を問題に感じていたので、今回、卓上で完結するマイクアームを買ってみました。

ZOOMのZMA-1。後述していますが、テーブル埋め込み用金具も付属しています

マイク重量に関係なく好きなポジションに

ZOOMの「ZMA-1」はマイクのポジションを自由にできる製品で、スプリングなどが外部に露出していないスッキリとした見た目が好印象な製品です。

市場にある同種の製品と比較すると、ZMA-1は少し長い(背が高い)のが特徴です。製品コンセプトとしてそこを狙ったかどうかは不明ですが、安価に売られている製品と比較すると、2本のブームはそれぞれ10cmぐらい長めになっています。

可動域は、クランプ側の第1関節の可動域がなかなか広く、前側はほぼ水平にまで倒せます。第2関節はマイクの向きを維持するために第1関節と連動しますが、条件次第で最大180度まで開きます。またマイク側にある銀色の短いポールも上下に自由に向きを変えられます。全体的に関節部分の可動域は広く、さまざまな機材や環境に対応できそうです。クランプは机の上にしっかりと乗るタイプで安定性は高そうです。

もっとも後ろ側に倒した状態
前側は水平にまで倒せます

関節の固さでポジションが維持されるタイプなので、取り付けるマイクがどれだけ軽くても問題ありません。マイクが付いていなくてもポジションはそのままです。耐荷重は2kgです。各関節はそれなりに固く、グイーッと力を入れて動かします。先端のマイク取り付けポール以外の関節は、固定する・緩めるという操作はできませんが、誤って緩めてしまい機材が落ちるという事故を防ぐ意味では妥当だと思いました。

マイクが付いていなくてもポジションはそのまま
高さを変えてもマイクの向きはそのままです
マイク側の短い銀色のポールは上下の向きを固定できます。ただしガチガチに固定できるわけではなく、強い力がかかると動きます

なお、クランプに刺さっている軸は比較的軽い力で回転します。マイクポジションの上下や前後は関節部分に力を入れて動かしますが、左右に向きを変えるアームの回転については、軽い力でできます。こちらもほかの関節と同様に固定はできません。

ZOOM製品っぽいデザインのテーブルクランプ。回転ノブは刺さっている軸を抜けないようにするもので、軸の回転は固定されません

アームがちょっと長いZMA-1

この製品は2022年の5月下旬に発売されたばかりですが、正直いって、同種の製品はすでに世の中にあります。デザインや仕様が近いのは、オーディオテクニカの「AT8700J」でしょうか。この2つの製品のもっとも大きな違いは、ZMA-1のほうが各アーム(および全長)が長いという点です。AT8700Jは第1アームが398mmで、同じ測り方をするとZMA-1は実測で530mmです。同様に第2アームはAT8700Jが430mm、ZMA-1が560mmです。いろいろ調べてみても、ZMA-1は市場にある同種の製品と比較してアームが長い部類といえるようです。

ほかに細かな点では、ZMA-1はテーブルクランプのデザインがオーディオテクニカの製品と異なり、机の上にしっかりと乗っかるタイプになっています。また、ZMA-1にはテーブル埋め込み用金具が同梱されており、クランプなしで机の好きな場所にアームを設置できます。机に穴をあける工具や作業が必要で私は使用していませんが、より自由度の高い設置も可能になっています。

ZMA-1は第1アームを垂直にすると机からの高さは約600mmになり、私が使っている27インチのPCのモニターを上回る高さになるなど、設置や工夫の範囲が広いです。ただ、AT8700Jなどと比べると各アームは長いのでコンパクトさはなく、卓上で圧迫感が出るかもしれません。用途や環境に応じて選択したいところです。

アームの長さが便利かどうかは環境次第です。この環境ではアームの長さはあまり関係はありません(笑)
太田 亮三