いつモノコト

「度入り眼鏡」派でもサングラスを諦めない。オンデーズ「OWNDAYS SNAP」

オンデーズ(OWNDAYS)の「OWNDAYS SNAP」シリーズ。眼鏡本体と、マグネット取付式の遮光レンズがセットになっており、必要な時だけサングラスにできるのが最大の特徴です

季節を問わず外を歩くと何かと気になるのが日差しです。太陽光線を真っ正面に浴びて、目を細めながら歩くのは意外と疲れるもの。もちろんサングラスをかければ問題は一発で解消するのですが、視力矯正のための眼鏡を四六時中かけている人にとっては、追加でサングラスをもう1本持ち歩くのは面倒です。

そんな悩みを抱えていた筆者が出会ったのが、眼鏡販売店チェーン大手「オンデーズ(OWNDAYS)」の「OWNDAYS SNAP」シリーズでした。標準的な眼鏡の使い勝手を維持しながら、専用レンズを重ね併せることでサングラスにもなるため、気分やシチュエーションに応じて用途を切り替えられます。購入前は本当に使い物になるのか疑心暗鬼でしたが、いざ使って見るともう「快適!」「サイコー!」の感想しか思いつかないほど。どんなものか、ちょっとご紹介したいと思います。

眼鏡と専用レンズで1セット。普通の眼鏡にもサングラスにもなる

眼鏡販売店チェーンと言えば最近は「JINS」「Zoff」あたりを想起する人も多いかもしれませんが。オンデーズもなかなかの規模で店舗が増加中。東京都心では大手町駅直結の「OOTEMORI(オーテモリ)」や、新宿アルタなどで店舗を構えるほか、地方部でも駅ビルやショッピングモールに店舗網を広げています。

この「普通の眼鏡にもサングラスにもなる」というコンセプトの商品は、JINSの「JINS Switch」やZoffの「NIGHT&DAY」など幾つかありますが、その中から筆者がオンデーズを選んだのは全くの偶然と言いますか、たまたまテレビを見ていてテレビ東京の「カンブリア宮殿」に社長さんが出演してたからという、極めてミーハーな理由でした。

また、その前に一度、自動車運転用に度入りサングラスを作ったところ極めて快適だったので、ならば日常用に使う眼鏡を買い替えるタイミングで、サングラス兼用になるタイプを洒落で買ってみるか……とあいなりました。繰り返しますが、最初はもう完全に冷やかし気分。買っても後悔するだろうと謎の確信をしていました(上から目線でスミマセン)。

筆者が選んだのは「SNP1007N-0S-C1」というモデル。ボストン型と呼ばれる、やや太めのリムが特徴で、シリーズ的には「2020年モデル」に位置付けられています。こちらを2020年9月に購入し、1年半に渡ってほぼ毎日身に付けています。お値段は12,100円でした。オンデーズでは6,000円台の眼鏡もありますから、それと比べれば流石にお高めですが、サングラス用レンズがプラスして付いてくることを考えれば、妥当でしょう。なお現在は「2021年モデル」が出ており、筆者購入モデルはすでに終売となっています。

OWNDAYS SNAPは、視力矯正対応の一般的な眼鏡として、全く普通に使えます。形状も極めてオーソドックスで、テンプル部内側に「SNAP」のロゴが入っていなければ、そうと分からないでしょう。また筆者はド近眼(片眼視力は余裕で0.1以下)で、レンズはプラスチック製だと相当分厚くなるのですが、それでも問題なく作れました。

これが眼鏡本体。極めて一般的な形状です

この眼鏡をサングラスにするため、眼鏡のフロント部分に専用のフィルター……といいますか、フレームと遮光レンズが一体になった部品「SNAP LENS」を取り付けられるようになっています。いわゆる「クリップオン式」のサングラスはどの眼鏡とも組み合わせられるような汎用レンズ形状を採用し、フックで固定するケースがほとんどですが、OWNDAYS SNAPは、フレーム形状に合わせてそれぞれ専用のSNAP LENSを使うため、組み合わせた場合の一体感が極めて高いのが特徴です。さらにフック(ブリッジ部)とマグネット、2つの要素でSNAP LENSを固定するため、少々の運動ではズレ落ちる心配も少ないです。

こちらが「SNAP LENS」。重さは実測7gほどで、眼鏡本体に取り付けてもそれほど全体重量・重心が変わる印象はありません
眼鏡本体と「SNAP LENS」の比較。レンズ枠はほぼ同じ形状です
「SNAP LENS」を取り付けてみた。ブリッジ部分に小さなフックがありますが、フレーム部分のマグネットでも固定されます
取り付けた状態を上から見たところ。これでもしっかりとSNAP LENSが装着されています

薄さのおかげでとにかく気軽に持ち運べる

実際、筆者が1年半使用してきたなかでも、サングラス状態での利用には全くと言っていいほど不満がありません。それこそレンズが余計に増える訳ですから、眼鏡全体の重量バランスはどうなるんだろう、サングラスにした時だけ眼鏡全体がズリ下がりはしないかと心配でしたが、そうした違和感はほぼ皆無。「眩しさを抑える」という本質的な部分についても、きちんと役割を果たしてくれています。購入前の期待値が低く、しかし購入後の満足が高い。筆者にとってはまさに「使ってみて初めて良さの分かる製品」でした。

もちろん、鼻の高さや顔の幅など、身体的特徴に合う合わないの問題はあるかもしれませんが、そのあたりは是非店頭で実物の装着感を試してみてください。

通常状態・サングラス状態を比較したのが以下の写真です。格好良さ・スタイルの好みもやはり個人ごとに色々あるとは思いますが、筆者にとっては十分です。個人的には「ダサい」「ダサくない」を語る前に、まず「眩しくない」ことのほうがとにかく重要ですけども。

普通に眼鏡をかけている状態
サングラス状態

「普通のサングラスを持ち歩けばいいのでは?」という声に対しては、視力矯正が必要な身としては同意できず、やはりOWNDAYS SNAPに一定の利があると思います。視力矯正のための眼鏡を使っている人は裸眼やコンタクトレンズの方とは異なり、サングラスも度入りのものでなければなりません。度なしのサングラスであれば、ちょっとした雑貨店で入手できるかもしれませんが、度入りはそう簡単ではありません。検眼に時間がかかりますし、筆者のように度がキツい場合は注文して即日の持ち帰りなど到底不可能。サングラスそのものの値段も張りますから、剥き身のままカバンに突っ込むような真似はできず、しっかりしたケースに入れて持ち運ぶ必要があります。

しかし、SNAP LENSはそれ自体に視力矯正の能力はないため、とにかく気軽に扱うことができます。価格は1,650円と安価で、レンズフレームにあった専用のものを選ぶ必要こそありますが、追加購入もできます。なくしたり壊したりしても、比較的簡単にリカバーできる訳です。

また何より、SNAP LENSは薄くコンパクトで嵩張りません。専用のスリーブに入れておけば、シャツの胸ポケットや上着の内ポケットに入れて十分持ち運べるのです。結果、サングラスが必要になりそうかどうかを予想するまでもなく、財布や家の鍵と同じく常にSNAP LENSを身に付けておきたいし、現実にそれができる。通勤でも、週末旅行でも、それこそ近くのコンビニまで買い物でも、「いざという時にすぐサングラスを使える」という安心感──。これこそがSNAPの本質だと筆者は考えています。

「SNAP LENS」そのものは軽量で薄く、視力矯正の機能もないので、かなり気軽に取り扱えます。専用のスリーブも付属(画像のものは、使い込みすぎてロゴがすり切れておりますので注意)
胸ポケットに入れて、近場へちょっと買い物する時でもサングラスが使える。これが「OWNDAYS SNAP」の真価だ!

格好がどうこうじゃない、サングラスは便利なんだよ!

そういえば年若い頃「サングラスって格好付けてるみたいで恥ずかしい」と感じていた時期もありました。しかし、眩しくない・目を細めなくていいという圧倒的利便を前にしてみますと、そんな自意識などゴミ箱へポイ。夕方、日暮れする西の方角に向かってグイグイ散歩しながら「いやー、ホントにサングラスって便利だなぁ! よーし、おじさんこれだけ歩いたから後でシュークリーム食っちゃうぞ!」と、なかなか愉快な生活を満喫できるようになりました。OWNDAYS SNAPよ、ありがとう。

……まぁ、そこまでは言い過ぎかも知れませんが、オンデーズ製品に限らずサングラスはやっぱり便利だと思います。サングラス未経験の人は、自身のスタイルに併せて何か1本用意しておけば、絶対重宝するはずですよ。

山海に限らず、街中のちょっとした散歩の時でもサングラスがあると便利。こうした川沿い、公園などは特に威力を発揮します
森田秀一

1976年埼玉県生まれ。学生時代から趣味でパソコンに親しむ。大学卒業後の1999年に文具メーカーへ就職。営業職を経験した後、インプレスのウェブニュースサイトで記者職に従事した。2003年ごろからフリーランスライターとしての活動を本格化。おもな取材分野は携帯電話、動画配信、デジタルマーケティング。「INTERNET Watch」「ケータイ Watch」「AV Watch」「Web担当者Forum」などで取材レポートを執筆する。近著は「動画配信ビジネス調査報告書 2021」(インプレス総合研究所)、「BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引2020」(共著、インプレス総合研究所)。