いつモノコト

炎のように見えるルミナラのキャンドル型LEDライト

寝る前にベッド脇の小さなライトを点けてしばらく過ごすのですが、ここにぴったりな雰囲気のアイテムとして、ろうそくの炎のようにゆらゆらと光るキャンドル型LEDライトを買ってみました。ルミナラの製品で、価格は6,050円、リモコンが1,100円でした。

本物さながらにゆらゆらと光が揺れるキャンドル型LEDライトです。米ルミナラの製品は、ディズニーのテーマパークの舞台装置などに使うために開発された特許技術を使用しており、日本ではろうそくで有名なカメヤマが販売しています。

磁石を使った不規則な揺れで炎を再現

炎のように見える仕組みは、炎のような、葉っぱのような形をした樹脂の板が電磁石の磁力でひらひらと揺れることで実現しています。この揺れる樹脂板自体は発光せず、LEDライトの強い光を当てることで光って見え、炎のような「ゆらめき」と「オレンジの光」の2つを再現しています。

ルミナラのLEDキャンドルの表面はワックス(ロウ)で成形されており、本物のろうそくと同じ質感です。ただし、表面が傷つきやすいとか、火を近づけてはいけないという性質や注意点も同じです。底面は長時間置きっぱなしだと固着してしまう可能性があるので、キャンドル用の皿・スタンドの上で使用することが推奨されています。

本体は直径3.5インチ(9cm)で、日本人が想像する一般的なろうそくと比べるとかなり大型です。電源は単1形アルカリ乾電池2本で、連続使用時間は1,000時間と、長時間の使用が可能です。製品パッケージに乾電池は同梱されません。個人的にはかなりごぶさたしているサイズの乾電池ですが、コンビニでパナソニック製のイイやつを買ってみたところ、2本組で約600円でした。ちなみに100円ショップでは1本100円で売っています。

連続使用時間は1,000時間なので、1日5時間使うと200日間使用できる計算です。1日2時間なら500日間で、1年半近く使えることになります。

直径は9cm
単1形アルカリ乾電池2本(別売)を使用します

さっそく電池を入れて、底面のスイッチを「On」にします。中央の炎の形をした樹脂版が、下からオレンジ色のLEDライトに照らされてかなり明るく輝きます。写真や動画で見ていた時の理解とは異なり、樹脂板全体がボワッと輝くのではなく、樹脂板の一部の細く狭い範囲に、強い光が当たります。平たい樹脂板はひねりも加わりながらひらひらと動くので、光を受けて光る面積は伸び縮みします。これが本物の炎の伸び縮み・ゆらめきそっくりに見える、という仕組みです。樹脂板全体が炎に見えるのではなく、照射されて見える光の面積が伸び縮みして、炎のように見えるというわけです。

30cm以内ぐらいでしょうか、明るい環境で近寄って見ると「薄い板がペコペコしてるだけやん」と思いますが、1mぐらい離れると、リアルな炎のように見えます。ディズニーがテーマパークで使用するために開発した特許技術というのも納得で、数mも離れたらもう本物の炎にしか見えません。

樹脂板に当たる光の面積が伸び縮みすることで炎のように見えます
手前から強いLEDライトで照らす仕組みです

暗い部屋ではひと工夫したい

暗い部屋で使うと、キャンドル本体の後ろの壁にLEDライトの光が漏れ当たり、(意図しているのかどうか分かりませんが)樹脂板が横切ることで光や影の明滅が投射されます。また樹脂板が反射した光は部屋の天井にもあたり、ここでも光がクイクイと動きます。

これらの直接的・直線的な光は、クイックにキビキビと動くため、この部分について本物の炎のような雰囲気かと問われると、そこまでではない印象です。

一方で、このキャンドルタイプは、使用中のろうそくのように中央がくぼんでいるため、この周りの峰が、部屋の壁におぼろげな影として映し出されます。この峰の影が明滅するかのようにゆらめく様子は、本物の炎を灯した時のように感じられて、とても雰囲気が出ていると思いました。

まとめると、明るい環境で使うと、リアルな炎に見えるのは間違いありません。ギミックを知らない人が遠巻きに見たら驚くでしょう。光源を直接見た場合に本物の炎のように見えるというのが大きな魅力です。暗い部屋で使うと、背後の壁や天井には、ろうそくっぽくない、やや不自然な光が当たりますが、水平方向には、ゆらゆらとした雰囲気のある明滅が映し出されます。

LEDキャンドルに対して、炎の形をした光源部分そのものに炎のような見え方を求めるのか、それとも空間全体がろうそくのようなゆらめきで満たされるのを求めるのかで、事情が異なってくると思います。ルミナラの製品はどちらも高いレベルでまとまっていると感じますが、暗い部屋ではひと工夫したくなります。

背後の壁や天井への直接的・直線的な光の投射・反射が“無粋”と感じられる場合は、屋根のついたランタンや半透明な素材のケースなどに入れて“ボカして”使うのがいいと思います。一般的なキャンドル用ランタンはもっと小さなサイズのキャンドルを対象にしているので、直径9cmという本体の大きさはネックですが、ろうそくのように炎は出ないので、耐熱や排気の構造を気にせず選べます。私は今後、雰囲気の出そうなランタンを探してみるつもりです。

ちなみにですが、後述するリモコンを使うと、樹脂板の動きを止める「静止モード」を選べるようになります。製品の存在意義は薄れますが、シーンに応じて使い分けられるようになるので、リモコンの利用もオススメです。

大きな存在感と長時間駆動、ぜひリモコンも

私が購入したのはルミナラの新仕様タイプという最近の製品(03000010IV)で、ベーシックタイプ、ベージュ、無香、リモコン対応で、製品としては小さい高さ5インチのモデルです。直径は9cm(3.5インチ)で、正直けっこうデカイです。本体底面にあるスイッチは、オン、オフ、タイマーの3種類で、タイマーは5時間の点灯と19時間の消灯を繰り返すという動作です。ゆらめく機能は磁力で実現しているということで、ライトを点灯中も無音で動作します。

500mlのペットボトルと比較。なかなか大きいです

別売りのリモコンにも対応しており、リモコンを使うと、電源のオンオフ、4種類のタイマー、ゆらぎの設定、明るさを5段階から設定、という操作ができるようになります。

リモコン(別売)

直径9cmで正直なところかなり存在感がありますが、大きな乾電池を2つ搭載して長時間の使用が可能です。火を使うキャンドルとくらべれば圧倒的に安全で、すすも出ないので、さまざまな場所で使えて、キャンドルライトで雰囲気をプラスしたい場合にはぴったりです。価格は高価なので、私も購入を決意するまで時間がかかりましたが、ディズニーが開発した特許技術を採用した製品というウンチクを含めれば、プレゼントにも向いているかもしれません。

なおカメヤマはほかのキャンドル型LEDライトとして、360度どこからみても炎のように見えるという「エンキンドル」という製品も取り扱っています。また市場にも同種の製品は存在します。エンキンドルは外部から光を投射するのではなく、ゆらゆら揺れる炎パーツを内部から光らせているようです。価格もルミナラの半分ぐらい(!) なので、「火が灯っているようにみえるLEDライト」が気になる人はこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

太田 亮三