いつモノコト
左利きでも万年筆を使いたい。交換用ペン先「ラミー・LHニブ」
2021年9月4日 10:00
左利きの人にとって使いづらいものは世の中にありふれていますが、なかでも個人的にまったく歯が立たないのが万年筆。筆者は文房具が好きなため、万年筆にも興味があったのですが、試し書きをしてみてもインクがまったく出てこないということがよくありました。左利きと右利きでは筆記の仕方に大きな違いがあるためです。
調べてみると、世の中には左利き用の万年筆があるということがわかります。有名なのが、セーラー万年筆の「プロフィット21 レフティ」ですが、Amazonでは22,000円程度と初めての万年筆には勇気が要るお値段。特殊な持ち方をすれば左手でも万年筆を使うこともできるようですが、それも手間です。
そこでご紹介したいのがLAMY(ラミー)の「LHニブ」という左利き向けのペン先。サファリ、アルスターなど(LAMY 2000を除く)同社の万年筆に対応する交換用のペン先です。たとえばサファリは、万年筆のなかでは比較的低価格なので、3,000円から5,000円程度で左利き用を入手できます。
左利きでもすらすら書ける
実際にLAMY LHニブを装着した万年筆(ラミー サファリ)で、左手で筆記をしてみた様子です。
インクがかすれず、さらさらと線が出ているのがわかります。線の太さは、右利き用のペン先で言うと「M」(中字)相当でやや太めなのが残念ですが、スムーズに書けるだけでも筆者としては満足です。
ペン先の構造
ではどうして、LHニブなら左手で書いても問題ないのでしょうか。ペン先の構造に違いがあります。
ペン先がほんのわずかですが左右非対称で、またペンポイントと呼ばれる一番先の丸みを帯びた突起も大きめです。この些細な違いにより左手での筆記に対応しています。
入手と交換
LHニブは国内の文具店などでは基本的には取り扱いがないようですが、Amazonで黒(1,580円)とシルバー(1,530円)の2種類を販売しています。
LAMYのニブは自分で交換することができ、交換の方法を紹介しているWebサイトや動画も多く存在しています。サファリ、アルスターなど万年筆本体をLHニブと一緒に購入して、付け替えることで左利き用の万年筆を簡単に入手できます。
筆者はというと、たまたまサファリの2018年限定色モデルにあらかじめLHニブが装着されたものがAmazonで販売されていて、それを購入しました。Amazonで検索したところ、LHニブを装着済みのものは、種類は限られますが現在も販売されているようです。お好みの色やモデルがあれば、別々に買うより安くなると思われます。
また、「ニュウマン横浜」にあるLAMYの旗艦店では、万年筆を購入すると無償でLHニブに交換してくれるサービスを実施しています。筆者は一度贈答用として利用したことがあります。お近くにお住まいで、ペン先の交換に不安のある方はそちらを利用するのもお勧めです。
左利きでも万年筆を。プレゼントにもおすすめ
筆圧のいらない書き心地、美しいペン先など、万年筆はやはり魅力的です。文房具が好きな方なら1本は持っていても損はないかと考えます。LHニブのおかげで、左利きでも万年筆を気軽に楽しめていて本当にありがたいです。左利きの方へのプレゼントとしてもおすすめできるかと思います。