いつモノコト
エアコンを新設した。結構な時間と工事費がかかった
2021年6月19日 09:15
夏が訪れる前にエアコンを購入しました。数年前に壊れてそのままにしていた居間のエアコンの買い替えに加え、自宅作業部屋に(実質)新規導入です。ジャパネットたかたで、工事費込みで注文したのですが、これがなかなか簡単にはいきませんでした。一発で工事できなかったうえ、追加の工事費は諸々合わせて12万3,420円かかったのです。築40年を超える一軒家にはエアコンを導入するくらいでも、簡単にはいきませんでした。
工事費込みの値段でも注文時には分からない総額
どこでどんなモデルのエアコンを買うのか。自動で洗浄したり、ネットにつながったりする機能は便利そうです。同じ6畳用でも、値段の差は小さくありません。
とはいえ、エアコンに関して、それほど知識があるわけではありません。知識がないのであれば、調べて検討して選ぶのがいいというのは分かります。しかし、家族とも相談して新聞の折り込み広告の中で、一番安かったものを選びました。正直言えば面倒くさかっただけですが、パソコンやカメラ、スマートフォンなどで、仕様をろくに確認せずに購入する人の気持ちがちょっと分かったような気がしました。
今回は、ジャパネットたかたで、工事費込みで安くなっていた昨年モデルです。ただ、このとにかく安いのを選ぶというのは、一つの正解だったと思えます。予想以外に追加で工事費がかかったからです。
選んだのは一番安いシャープ製。居間には14畳用の「AY-N40TD」(104,800円)、作業部屋用には6畳用の「AY-L22TD」(64,800円)を選びました。14畳用のほうは、昨年モデルが売り切れたということで、同額で今年モデルに変更になっています。ただし、シャープのWebサイトで昨年モデルと今年モデルを見比べてみたものの、寸法や能力、消費電力などは同じ。違いはよく分かりませんでした。
納期の違いからWebからでは2台同時注文はできなかったため、注文は電話です。初ジャパネットたかたです。
注文の際に、設置環境など色々と聞かれ、追加でかかる工事費の概算が伝えられます。このときは、2台合計で19,800~43,230円くらい(+αもあるかもね)という話でした。追加で出費があるのは予想していたものの、思ったよりも幅がありました。
工事の予定日の前日に宅配便で2セットのエアコンと室外機が届きましたが、結局11日間開封されることなく、玄関すぐに置かれたままになります。
専用コンセントをつける工事が不可避
工事に設定された日は、あいにくの雨で工事はできませんでした。ただ、それでも工事の人は来訪し、設置場所の確認など、工事前の下見をしていきました。結局は、分電盤に空きがなく、いずれにせよ当日の工事はできなかったので、晴れていても変わりはなかったようです。
現在、エアコンを設置するには、基本的に専用のコンセントが必要になります。
経済産業省のWebページを見ると『民間規格である「内線規程」(一般社団法人日本電気協会発行)3605-3 2.及び資料3-6-5 3.において、定格電流が10Aを超える据置形の大型電気機械器具については、別に専用の分岐回路を設けることとされています。』とあります。
法律で決まってはいないけど、民間規格があるというところです。また、メーカーも専用コンセントを使うように注意しています。ここ数年で厳格化されてきており、量販店などでは専用コンセントなしに工事はしないところがほとんどのようです。
専用コンセントは、分電盤(いわゆるブレーカー)から、直接引っ張ってくる必要があります。そのため、空きがないと分電盤を交換しなければなりません。
筆者宅では、分岐数が5つの分電盤がついていましたが、すべて埋まっています。6畳用を設置する作業部屋は、これまで窓エアコンだったため専用コンセントはありません。居間にあるエアコン専用コンセントも線が細く、別途用意する必要があると言われてしまいます。
一通り見終わった後、追加でかかる工事費などの見積もりを提示されます。2台あわせて12万3,420円だそうです。もう後にはひけません。結局、最終的にこの金額を払うことになります。
工事の人が帰って数十分後、ジャパネットたかたから電話がかかってきて、改めて10日後に工事をすることになりした。
分電盤などの工事を依頼できるかは販売店次第
エアコンを買ったものの、そのままでは取り付けられないことは少なくなく、やはり専用コンセントをつけるための分電盤の空きの有無が理由として多いようです。
実は、工事を待つ間にデジカメWathの鈴木誠さんから、エアコンの工事ができなかったという話を聞いていました。鈴木さんの場合、現在使っているエアコンを設置したときは専用コンセントは不要だったようです。しかし、今回買い替えるにあたって、専用コンセントが必要になり、さらに我が家同様に分電盤の交換も必要になったのです。
どこで買うのか、誰が工事をするのかによっても、追加工事が必要になったときの対応は異なります。筆者の場合は、ジャパネットたかたから委託された設置業者が、配電盤の交換の工事も行ないました。一方、大手家電量販店で購入した鈴木さんの場合、ほかの電気店で工事を依頼するように言われたそうです。
専用コンセントがない部屋にエアコンを導入しようと考えているのであれば、分電盤に空きがあるか、注文時にその工事はどうなるのか確認したほうがいいでしょう。分電盤でオフになっているブレーカーがあれば、空きがある可能性があります。一方、外側のカバーを外して線が埋まっていれば空きはありません。最近の家であれば、注文住宅であえて付けない指示を出さない限り、各部屋に専用コンセントは用意されているようです。これは一軒家か集合住宅かというよりも、単純に新旧の違いのようです。
鈴木さんは、「当時の最新鋭だった現在のボロマンションは、汎用性の低い設計のため、戸建てより更に深手となるだろう」と言っていましたが、実感がこもっていました。
7時間の工事の後の無事涼しい風に感動
最初の工事日のとき来たのは一人でした。ひょっとして、実際の取り付けも一人でやるんですか? と聞いてみると、一人でやるとのことで、実際にも一人で、すべての工事をしていました。
工事は朝9時から始まりました。予報が雨だったこともあり、屋根が乾いているうちにということで、二階にある作業部屋の新規設置からです。
壁に穴を開け、専用コンセントをつけ、室内機を取り付けていました。この道30年のプロとのことで、よどみなく工事は進んでいきます。室外機は、瓦屋根の上に設置するか、壁に穴をあけ金具を取り付けて乗せるか選べたのですが、前者では経年で多少ズレる可能性があったり、雪などの影響があったりするとのことで、後者を選びました。
また、メーカーはあまり明言しないものの、熱交換なので、やはり室外機は直射日光が当たらない方が効率がよいそうです。ただし、これは冷房使用時の話。冬に暖房を使うなら、温かい場所に室外機があったほうが効率はよいようです。
今回は冷房が主目的なので室外機は直接日差しや雨が当たりづらい北東側の壁への設置を選びました。昼の12時くらいになり、二階の作業部屋への新規設置が完了します。二階に室外機を設置するための工事費と、分電盤があるのとは異なる階に専用コンセントを新設する工事費、配管のカバー代などがかかります。
続いて、一階の居間の交換です。元々あった室内機と室外機を撤去し、新しいエアコンを取り付けることになります。配管のカバーは流用してくれたので料金はかかりませんでしたが、前述のように専用コンセントは既存のものが使えないため新設する工事費、それとエアコンの取り外しやリサイクル料金がかかります。
最後に分電盤の交換です。一階の居間は天井と壁の角に這わせるよう配線されました。部屋を仕切る壁に穴を開け、分電盤へ導いていきます。また二階の作業部屋からの専用線は、エアコンの配管とともに屋外に出たのち、一階の分電盤近くまで伸ばし、外壁に穴を開け分電盤につなぐことになりました。
分電盤は最大で分岐回路数は8つのものに交換されました。単相2線では、分岐回路数は最大でもこれくらいのようです。一応、空きを1つできるように接続してもらいました。漏電遮断器すらなかった分電盤から考えると、大きな進化です。もちろん、分電盤の交換にも工事費は追加でかかります。
なお、40Aの契約にしたり、200Vの機器を使いたい場合、単相3線に変更する必要があります。その際は、東京電力が担当する引き込んだあとの工事は、すべて所有者負担になるようです。聞いてみると、10~15万円くらいはかかるとのこと。いずれ必要になるかもしれませんが、今回はとりあえずエアコンが設置できればいいということで見送りました。
さて、すべての設置・工事が終わり、試運転をして完了です。今まで作業部屋は窓エアコンで、ゴー・ガゴンとけたたましく音がしていたので、静かに冷たい風が流れを感じて、少しニヤけてしまいました。
エアコンの注文は桜が咲く前くらいがお勧め
工事は、注文からおよそ一カ月過ぎた6月中旬でした。
工事をしてくれた人に聞いてみると、エアコン設置のピークは8月くらいのようです。お年寄り一人暮らしの家に行ってみると本人は入院中で、息子・娘が退院するまでにエアコンを設置しておきたいという希望だったということも少なくないようです。
熱中症対策にはやはり温度を下げるのが重要のようで、よく言われる28度では高すぎるとのことでした。設定温度は26度くらいにし、寒いようであれば直接身体に風が当たらないようにしたり、足元に冷気がたまらないようにしたり、足を床におかないようにしたり工夫するのがお勧めのようです。
また、エアコンを注文・工事をするお勧めは、2月か3月くらいがよいとのこと。この時期であれば、エアコンの値段も安くなっており、また工事の予約も少ないため、スムーズにいきやすいという話です。6月の注文だと、問題なければいいものの、予約がつまってきており、雨が降るなどして延期が重なり8月になってしまった人もいるそうです。筆者は、5月に型落ちの前年モデルを購入したくらいなので、それほど出遅れていないと思っていましたが、早いというほどでもなかったようです。
ここまで説明した以外にも、配管のカバーや各種作業費用があり、見積もり通り12万3,420円を、設置工事終了後に現金で支払いました。今回、エアコンそのものは、標準取り付け工事費込みの料金で購入しましたが、筆者宅のようにように状況によっては、追加で工事費用がかかるのです。
ただし、これはあくまでも筆者宅の場合です。もっと安くなる可能性もあれば、もっとかかることもあるでしょう。設置する場所によっても、配線や配管の長さによっても、配管のカバーの有無や、配線を壁の中を通して隠すのか、壁に沿わせるかなど施工方法によっても値段は変わるようです。もちろん、業者によっても値段は異なります。
いわゆる標準的な取り付け工事で済むのは、一軒家であれば専用コンセントがある一階の部屋で、外壁を挟んで近くに室外機を置ける場合だけといってもいいかもしれません。
繰り返しになりますが、エアコンを買い替えるときでも、どんな工事が必要で、その工事は頼めるのか、おおよその金額はどれくらいになるのか、確認しておいたほうが心の準備ができるでしょう。
これから買おう、買い替えようと思っている方の健闘を祈ります。