いつモノコト
テレワークに最適な片耳ヘッドセット。Jabra「Talk 45」
2021年6月18日 08:20
テレワークの定着で仕事の環境は大きく変わりましたが、中でもオフィスと大きく変わってしまうのが、固定電話をはじめとする電話まわりの環境ではないでしょうか。テレワークに移行し、個人の携帯電話をなし崩し的に仕事に使っているというケースもあるかもしれません。
個人所有であれ会社支給であれ、電話が携帯中心になると、頻繁に通話したり長時間通話したりするのに、スマートフォンは薄くて受話器ほど持ちやすいわけでもなく、通話にあまり向いていないのでは……ということに気がつきます。通話中にメモをとりたい、作業を続けたいという場合もスマートフォンは薄くて肩に挟めませんし、スピーカーホンでもいいですが、家族のように仕事と関係のない人がいる環境では使いづらいと思います。
そこで古典的な解決策として、片耳タイプのBluetoothヘッドセットを買ってみました。Jabraの「Talk 45」で、家電量販店で6,090円でした。耳穴の入り口に装着するタイプで、耳栓のように耳穴を塞がないので周囲の音も聞きやすいです。マイクブームは細長く伸び、周囲の雑音をカットして相手に伝えるノイズキャンセルにも対応しています。
通話は左耳でしたい
Talk 45を選んだポイントは、シンメトリーなデザインで、左右どちらの耳でも使えることです。筆者は通話する際に左耳を使いたいタイプの人間なので、左耳での利用に対応していることがポイントです。世間的には右耳が優遇されているフシがあり、Jabraでもシンメトリーでないデザインのモデルについては右耳の利用を前提にしています。このTalk 45も、Jabraのロゴは右耳だと正位置になり左耳で使うと上下が逆さまになってしまいます。なので、配色的にロゴが目立ちにくい、黒い方のカラーを選びました(笑)。
通話を左耳でしたいというのは根深い問題(?)で、利き手の問題よろしく、いろいろな部分で壁にぶつかります。昨今は“完全ワイヤレスイヤフォン”が流行り、筆者もゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless」の初代のモデルを持っています。こういう製品にはマイクも搭載され、スマートフォンの通話にも使えます。しかし、右耳側は単独で使えるのですが、左耳側は単独では使えません。これはイヤフォンとスマートフォンとの接続方式にもよるのですが、MOMENTUM True Wirelessは右耳側がスマートフォンと接続するマスター(親機)、左耳側はマスターに対して接続するスレーブ(子機)になるので、左耳側だけオンにしてもスマートフォンとは接続できないのです。
オール物理ボタン、プロ仕様の安心感
ほかに重視したポイントは、Talk 45のボタンはすべて物理ボタンという点です。電源に至ってはスライドスイッチで、確実かつ視覚的にも分かりやすいです。ポチポチと押せるボタンは確実に操作できて安心感があります。
今、現行製品として販売されている片耳用ヘッドセットというのは、例えば配送業など、通話を頻繁に使うプロをターゲットにしているようです。Talk 45のパッケージにはカーチャージャーが同梱されており、余程のことでは落ちないイヤーフックも同梱されています。
筆者はイヤーフックはおおげさかなと思い、固定力を高めるウィング付きのイヤーチップで使い始めましたが、慣れていないせいか、長時間装着していると、イヤーチップが押し当たる耳珠のあたりが痛くなりました。筆者のようなデスクワークでは、ウィングの無い一番シンプルなイヤーチップでも耳から落ちるようなことはなく、こちらで十分ということになりました。
テレワークで活躍します
もっとも、筆者はデスクワークなので、ヘッドセットを何時間もつけっぱなしにするのではなく、使うときだけ電源をオンにして耳に装着する、という方法に落ち着いています。例えば通話がかかってきた場合、Talk 45の電源をスライドスイッチでカチッとオンにして耳に装着するだけで、通話を開始できます。スマートフォンのBluetoothが予めオンになっていること、ペアリングを済ませておくことが前提ですが、これなら、ペアリングが復帰すると同時に通話が開始され、何もボタンを押すことなく会話を始められます。
マイクはノイズキャンセルに対応しているので、周囲が騒がしい環境でもこちらの声が相手に伝わりやすくなっています。ただ、これは屋外の騒音などを想定しているのと、喋っていないとそれなりに周囲の音は拾う印象で、例えば手元で操作するPCのキーボードのカチャカチャという高い音などはそれなりに相手に聞こえるようです。
PCと接続すれば、テレワークのビデオ会議でも活躍……という目論見もありましたが、結果は、筆者の環境ではあまり芳しくありませんでした。接続できて、スピーカー兼マイクとしてビデオ会議で使えるのですが、プロファイルの問題なのかPCのBluetoothの電波環境が悪いのか、音が途切れがちで、聞き取れないほど音が歪むことが多く、またこちらの声もひどく歪んでいると言われ、常用は難しいという結果になりました。スマートフォンとの接続ではそうはならないので、筆者のPCまわりの環境に固有の問題のようです。
ちなみにスマートフォンとペアリングしている場合、通話以外にも使えます。イヤフォン部分は片耳・会話用ということで音楽には向かないものの、会話主体の音声コンテンツには向いています。外出時にスマートフォンでYouTubeを見るといった場合も、内容次第では、音声の再生は本製品で十分なことも多いです。
片耳用ヘッドセットのTalk 45は通話用の道具だけあって、トータルでみて通話のしやすさは抜群です。両手が自由に使えるのは便利で、作業の手を止めずに会話できます。筆者的には左耳で使えるのも重要なポイントです。動画再生時のイヤフォンとしても意外と使えます。耳栓タイプではないので周囲の音が自然に把握できて、付けっぱなしで待機していても違和感や疲労感は少ないです。物理ボタンで確実に操作できるのも、タッチボタン全盛の今となっては確実で安心感があります。テレワークになっても通話がかかせないという人は検討してみてはいかがでしょうか。