いつモノコト
「画面がフラット」だから「iPhone 12 Pro MAX」に乗り換えた
2020年12月9日 08:20
「iPhone 12 Pro MAX」を購入した。容量は512GBで購入価格は165,880円(税込)。筆者は「iPhone 7 Plus」を使い始めてほぼ4年で、結構長く使っていたと思う。iPhone 7 Plusはとにかくバランスが良く、いままで積極的に買い換える理由がなかった。
画面サイズ、そこそこの防水性、指紋認証、ノッチ無しなど、全てに満足していて、処理速度も重たいゲームをやるわけではないので特に不満なく使っていた。
とはいえ、そろそろOSのアップデートができなくなりそうでもあるし、カメラもなんだかんだで高性能になっていそうだ。何よりデザインも一新された。今回のモデルからiPad Proに近いデザインになっていて、実は筆者に一番刺さったのは、画面のフチが「フラットになった」という点だ。ほとんどの人にとってはどうでもいい理由かもしれないが、これが無かったら恐らく買い換えていなかった。
画面の「フチ」が丸くなくなって幸せになった
iPhone 6以降というか世の中のトレンド的に「画面のフチが丸い」という機種がここしばらく多かったと思う。筆者はこれがあまり好きではない。見た目としては悪くない、むしろイイのだが、筆者はスマホを使う場合、必ずつや消しのガラス系フィルムを貼り付けたい派であることから、画面の「フチ」が丸いスマホとは最悪の相性なのだ。
画面のフチが丸いと、貼り付けたガラスフィルムのフチが必ず「欠けて」くる。パリパリパリパリとそれはもう、ガラスフィルムのパッケージに誇らしげに記載されている「硬度」とはなんなのかと思うほどあっさりと欠ける。落としたりしなくても欠ける。どこかにコツンと当たった時に割れることもあったが、気がつかないうちに割れている事の方が多かった。恐らくぶつけてはいるのだろうが、気がつかない程度の衝撃で割れているということなのだろう。ちなみに一回だけアスファルトの上に落としたことがあったがそのときはガラスフィルムだけ割れて本体のガラスは無事だった。保護の役割はしっかり果たしてくれていたのが救い。
筆者は主に全画面に貼るタイプのガラスフィルムを使うのだが、恐らくフチが丸いところにガラスフィルターが完全にフィットしていないことから、わずかな衝撃でも端が欠けてしまうのだと思われる。フチが丸くないiPad系でそのようなことになったことはない。持ち歩く頻度が違うので単純比較はできないが。
それはさておき、ガラスフィルムは柔軟性がないことから、一度わずかでも欠けるとそこから縦横に亀裂が入り始める。筆者は初めのうちはそのたびに律儀に買い換えていたのだが、ひどい時は1週間もするとフチが欠けていてそこから亀裂が入っていた。
購入後最初の1年目くらいに4、5回は張り替えており、そのたびに数千円が飛んでいた。あまりに切りが無いので最終的には諦め、今はごらんの状態だ。周囲が欠けてあちこちひびも入っているが、画面自体は観られるので開き直ってこのまま使っていた。しかしフチを触るとひっかかってちょっと痛い。指紋認証もチクチクする。ストレスフルだ。
ガラス系ではない柔らかいフィルムを貼ればそんな問題は起こらないが、そうした製品は、丸くなった画面のフチの方までは覆うことができないので、いかにも「後から貼った」感があり、好きでは無かった。個人的にガラス系フィルム、特に全画面を覆うタイプは貼り付けた後の一体感が好きなのだ。だが画面のフチが丸いと割れる。悲劇の連鎖である。
そのため、iPhone 12の発表で筆者が一番嬉しかったのはまさにここ。「画面がフラット」であること。画面の端まで平たい。もう一生iPhoneは画面のフチが丸いのかもしれないと絶望していたところに予想外の展開であった。これでもうガラスフィルムのフチがパリパリすることもなくなるだろう。たぶん。
以上がiPhone 12 Pro MAXを購入した理由の6割ほど。以下は残り4割のオマケとなる。
MAX“だけ”の2.5倍カメラ
筆者のiPhoneのメイン用途はKindle、ゲーム、地図・カーナビ、そして犬の撮影などだ。スマホは必ず犬の散歩時に携帯しているので、撮影に使う機会が非常に多い。思えば犬を飼い始めた時、大雨の中散歩をしてiPhone 6が浸水により死亡したのが、「防水」機能付きのiPhone 7に乗り換えた切っ掛けでもあった。
とにかく日常で頻繁に使う機能の一つであるので、新機種にしてその性能をアップグレードするというのもモチベーションの一つだった。
iPhone 12 Pro MAXにはカメラレンズが3つあり、広角、標準、望遠、となっているが、ProとPro MAXでは微妙に望遠の倍率が違う。Pro MAXは望遠の倍率が2.5倍だがProは2倍なのだ。この時点でPro MAX以外の選択肢は消えた。
とはいえ、0.5倍の差であるので正直、実際に使っていてそれほど大きな差は感じないのだが、犬を撮影しようと思った場合、望遠はいくらあっても困らないのだ。
また、標準レンズはまあ、普通として、広角レンズはなかなか使い勝手が良い。以前は入りきらなかった風景が余裕で入る。撮影の幅は確実に広がる。本格的に撮影しようという時は結局、一眼レフを持ち出すとは思うが、このあたりはGoProなども含めてケースバイケースである。特にiPhoneの望遠機能はまだまだ弱い。将来、ズームレンズ機能搭載でさらに倍率が高いモデルの登場を期待したい。
ストレージもMAX
ストレージは最大容量の512GB。音楽データで130GB(約9,300曲)ほどあるので、写真や動画、ゲームアプリなどを入れていくことを考えると256GBでは不安なので512GBを選択した。ちなみにiPhone 7 Plusでは256GBモデルを使っていて、音楽データは圧縮して50GB程度だった。ただ、筆者の環境では圧縮すると時々読み込めない曲があったりしたことから非圧縮でiPhoneに保存しておきたいというのもある。転送後に全曲をチェックするわけにはいかないのでリスクはさけたい。また、スマホにデータがないと通信環境がない山奥などで曲が聴けないのでストリーミングという選択肢も無い。
スマホのストレージはPCのようにあとから増設するわけにもいかないので、筆者はいつも最大容量のモデルを選択している。ちなみに現状ではiPhone 7 Plusのストレージ使用量は256GB中162.4GBなので一応256GBモデルを買って置いて良かった、と言えるかもしれない。
無くなったホームボタン
iPhone 7 Plusに搭載されていた指紋認証機能を兼ねたホームボタンが無くなったのも筆者としては大きな変化。一応、iPad Proも所有しているのでFace ID自体は使用経験があるが、iPad Proはガラスフィルムの選択ミスでFace IDが使えなくなってしまうという痛恨のミスのため、早々に使えなくなった。iPad Proのガラスフィルム自体はけっこうな値段なので買い換える気もおきず、パスコードで使っていた。
そういうわけで事実上、Face IDは初めてなのだが、なるほど、これは便利なモノだ、と今更な感想。画面を見ればロックが解除される、というのは普通に楽だ。アプリの認証も指紋だと指をボタンに置く動作が必要だがFace IDなら画面を見ていればOKだ。
また、筆者の事情として、冬場は指がかさついて指紋が認識されなくなるという事情もある。特に毎年ちょうど12月頃から、左手の親指がカサカサになり、指紋を認証しないのだ。右手は大丈夫なのだが、筆者としては右も左も状況によって使いたいのでとても面倒だった。Face IDならその点心配なさそうだ。
ただ、昨今の事情でマスク装着時の問題はあるが、認証できなければ即座にパスコードが表示されるのでさほど不便は感じない。
画面サイズは大きい……というか縦長
iPhone 7 Plusの画面サイズは5.5型。iPhone 12 Pro MAXは6.7型。画面サイズは1.2型も違うが、実際の使用シーンでは、アプリによってその恩恵はさまざまだった。筆者は「ノッチ」搭載スマホは初めてなので、ノッチ初心者の視点から思うところを書いていきたい。
まず第一印象は「非常に縦長になった」ということ。iPhone 12 Pro MAXのアスペクト比は19.5:9で、iPhone 7 Plusは16:9だ。縦に長い印象が特に強い反面、横幅はそれほど大きくなっていない。筆者の手元で測ったところでは、iPhone 12 Pro MAXの画面表示部分の横幅は約7.2mmなのに対してiPhone 7 Plusは約6.8mmといったところ。横幅の違いは4mm程度だ。数値としては小さくないと思うが、縦の長さの差に比べるとかなりインパクトは小さい気がする。
これが、実際のアプリでの使用感にかなり大きな差を生んでいると感じた。画面全体を活かしたアプリもあれば、他機種と同じく画面の縦横比は固定で画面の上下がブラックアウトして何も表示されないものもある。そうしたアプリでは6.7型のカタログスペックほど大画面の恩恵はない。
まず、頻繁に使うところではGoogle MapやYahoo!カーナビなどでは画面を広く使うことができ恩恵が大きい。特に地図部分が広く表示されるのでPhone 7 Plusより一覧性が高く使いやすい。
ただやはり、「ノッチ」がそれなりにデメリットになるシーンもあった。
筆者の使うアプリ、特にゲーム関連においては、まずノッチ前提の画面デザインをしているものはほとんど無かった。縦画面のゲームに関しては、基本的に「ノッチ」も、ホームボタンの代わりの「バー」もデッドスペース扱い。ノッチエリアを含んだiPhoneの画面全体を活用しているゲームはあまりなく、大抵は画面外扱いになっている。一応画面の上下に背景などを延長して表示しているものもあるがメイン画面のサイズはそのままだ。ゲーム画面比率は他機種と変わらないため、実際の画面表示は横幅の実測値である4mm程度広いだけになる。
いや実際大きくはなっているのだが、縦方向を活かせないとなると「さすが6.7型だな」というほどの差は感じない。
ゲーム以外でもいくつか気になるアプリがあった。筆者がよく使う「Yahoo!カーナビ」は全画面をフルに使ってくれるのだが、ノッチの存在を考慮していないのか、表示されている情報と被ってしまうこともある。地図自体は広く表示されるのでよいのだが……。
また、ナビタイムの「渋滞情報」についても表示が微妙で、縦画面時は地図の表示エリアも大きく、明らかにiPhone7 Plusよりも画面を広く使えて非常に良いのだが、横画面にしたとたん、地図部分の「縦」表示がiPhone7 Plusより狭くなってしまう不思議な状態に。iPhone 12 Pro MAXのほうが元々画面比率が縦長な分、ものすごく狭く使いにくそうな画面にみえてしまう。実際には横方向はむしろ広いのだが、スマホをダッシュボードに置いて使う場合、横方向に置きたいのでちょっと微妙な感じである。
ただ、これらはiPhoneの問題ではなくアプリ制作側の都合でもあるのでそのうち改善される可能性はあるし、実用上は大した問題ではないと思う。
とはいえ、アプリによっては数値上の画面サイズの大きさほど実際の画面サイズは大きくなく、特に縦画面のゲームなどではインパクトが薄いのは残念なところ。画面の横幅を広げたところで片手で持ちにくい、ポケットに入らないなどの弊害はあるとは思うが、大画面モデルを買う時点でそのあたりはある程度諦めているので、もう少し幅の広いモデルもあってよいとは思う。
満足度は高い。値段も高い
不満点もあるが、買って後悔はしていない。筆者的に従来の不満であったデザインが一新されてガラスフィルターとのフィッティングも高まった。カメラ性能もストレージも十分。Face IDもようやく「使える」ようになり、画面も広くなった。記事には記載しないが、ワイヤレス充電もなかなか便利。総合的に満足度はとても高い。そして値段も高い。
あまり比較するのもナンセンスだが、割と高スペックなノートPCが買えてしまう本体価格は、いささか購入に躊躇するのも事実。できればまた数年間お世話になりたいところだが、ズームレンズ機能を搭載したりノッチが無くなったりしたら即買い換えてしまいそうではある。