いつモノコト

プロジェクタマニア、テレビを買う。エンタメ時間が急増

7月下旬に55型のテレビを買いました。東芝のREGZA「55X930」です。ずっと気になっていたのですが、新製品発売直後に生産終了となってしまったものの、なんとか手に入れることができました。

筆者の部屋にはこれまでテレビがありませんでした。あるのはプロジェクターだけです。見たい映像があれば部屋を暗くし、スクリーンを準備する、パッケージメディアと9チャンネルのサラウンドで楽しむ、大学生の頃から典型的なプロジェクターマニアでした。そんな私がテレビを買った経緯を踏まえて紹介していきます。

ネトフリなど利用増でプロジェクター準備が億劫に

テレビを購入した理由は、Netflixなどの映像配信サービスの利用頻度が増え、もっと手軽に、高画質に見たいと思ったからです。

きっかけは5年前。当時発売したばかりのAmazon Fire TVを導入したことです。様々な映像配信サービスに対応し、サービスに契約すればいつでも見られる仕組みです。筆者はAmazon Prime VideoとNetflixの定額見放題サービスに契約し、アニメや映画を楽しむようになり、その量はパッケージメディアだけの時よりも多くなりました。
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これによりプロジェクターの利用頻度も増加し、毎回の準備が億劫になってきました。我が家は居住スペースにプロジェクターを設置しているため、スクリーンを出しっぱなしにできません。

筆者の視聴環境、スクリーンの下には日の入る大きな窓がある

また、プロジェクターの利用頻度が高くなればランニングコストもあがります。プロジェクターの多くは水銀ランプが使われており、一定時間を過ぎるとランプ交換が必要になります。ランプの金額は約5万円相当で、初任給の1/4に匹敵するのです。すべてのコンテンツを見るためにプロジェクターを利用するのでは金銭的に負担です。

そこで注目したのがテレビ。テレビなら常時設置しているので準備に手間がかかりませんし、一度購入すればランプ代のような大きな追加費用も必要ありません。筆者は映像の再現性が高い有機ELテレビをチョイスしました。

プロジェクターの交換用ランプ、税抜で47,000円

新製品発表直後に購入。プロジェクターユーザーに馴染む画質

東芝のレグザ「55X930」を選んだ一番の理由は「画質」。筆者はこれまで、テレビで見る映像作品は、解放感が無く閉じ込められた印象を抱いていました。それが嫌になったのでプロジェクターに移行したわけですが、55X930を店頭で見たらその印象がかなり払拭され、購入候補に入れました。また、豊富な画質調整があったことも要因です。

しかし、有機ELテレビを手軽に買えるほどお金があるわけでもなく、新製品が発表されてから購入に動きました。幸い、筆者は値段交渉が好き。悪い客かもしれないですが良い製品をできる限り底値で買いたい。千葉県、神奈川県、東京都の量販店をまわったところ、新品在庫は完売していましたが、秋葉原のお店にて価格が安く提示されたので購入しました。価格は15万円程度で、5年延長保証もつけています。

展示品といえば画面の焼き付きが気になりますが、近年の有機ELテレビのパネルには焼き付かないように対策されているから問題ないと店員から説明を受けました。

1番遠い店舗付近の駅、片道2時間かかった

期待通りの没入感と迫力

テレビがなかった我が家に55型のテレビがやってきました。もちろん期待して購入したのだけれど、やはり大迫力で驚きです。

映画館で見る映像は解放感があり一体感が得られますが、その作品を後日テレビで見ると、「なんか違う」とガッカリすることがあります。55X930にはそのガッカリがありません。ベゼルが狭くて“ほとんど画面”なことや視聴距離が近いこともありますが、画面に映像が押し込められたような印象なく、映画館のような解放感があります。自然な色味だからそう思えるのかもしれません。

実家の南天を撮影した画像

筆者は普段は90型のスクリーンで楽しんでいます。そんな環境でも55型のテレビが大きく感じるのです。視聴距離が1.7mと近いこともあり、没入感が味わえます。

ただ、困ったのはテレビのサイズ。横121cm、高さは68cmで、わかってはいたものの実際に置いてみるとその大きさに驚きます。そこで、壁寄せスタンドを導入し、空間を確保。そこにテレビラックをオーディオラックに応用し、機材を設置しました。

壁寄せスタンドでスタイリッシュに!

画質にこだわるプロジェクターユーザーとして、X930を選ぶ際にも重視したのが、作品に合わせた画質調整です。一般的な「スタンダード」「シネマ」「リビング」に加え、「スポーツ」「アニメプロ」「放送プロ」「映画プロ」といった細かな調整をボタン一つで簡単に選べます。これを店頭で見たときは驚きましたし、さらに細かい画質調整機能も備えています。

なお、どのモードを選んでいいかわからないときは、視聴環境に合わせた映像調整をすべてテレビにおまかせして、自動で画質を調整する「リビングAI」も用意されています。

これだけ選択肢があれば困らない

テレビ購入で“コンテンツの見かた”も変わる

テレビ購入後はコンテンツの楽しみ方も大きく変わり、視聴時間は格段に増えました。

プロジェクター利用時は休日限定でしたが、毎日なにかしら見るようになりました。仕事で忙しくない日は2時間以上楽しむことがあり、目を通すジャンルも幅広くなりました。プロジェクター利用時はアニメ、映画、ライブでしたが、ドラマやドキュメンタリーにも目を通しています。

例えばAmazon Prime Videoでは「マーベラス・ミセス・メイゼル」「グランドツアー」、Netflixでは「深夜食堂」「初恋は初めてなので」などを視聴しています。次から次へと見るのが楽しく、結果としてプロジェクターは本当に映画をじっくり見たい時にしか使わなくなり、ランニングコストが下がりました。

多くのコンテンツがあり、アマゾンプライムにも対応している。

また、実はテレビで見るYouTubeが楽しく、ジャンル様々な映像があり見ていて飽きません。操作のレスポンスも早く、テレビの映像処理のおかげで画質も良く快適です。

同じIDでログインすれば、これまでパソコンやスマートフォンで見ていた作品がそのまま楽しめます。歌のお姉さんで有名な「はいだしょうこの歌とか、、、」、歌手が一発撮り録音する「THE FIRST TAKE」などがお気に入りです。その他に高画質な風景動画もアップロードされているのでついつい見てしまいます。

身の回りにもテレビを持っていない人は多く、聞いてみると、パソコンやスマートフォンがあれば必要はないと言います。一方で、大画面で見たいという欲求も聞きます。最近はテレビの値段が安くなってきており、10万円でも50型は買えます。特に映画やドラマなどエンターテインメントが好きな人は、大きなテレビがあればもっと楽しめるはずです。きっと世界観が変わりますよ。

西園寺正太郎

趣味はオーディオとモノづくり、湯豆腐と鯵が好きなちょっと渋い20代