いつモノコト

ホットクックを買ったら自炊と在宅ワークの効率が上がった

2.4リットルで一番大きい無線LANモデル(KN-HW24E-R)を購入。色は「安かった」という理由で赤に

昨今の外出自粛モードの影響で、自炊の比率が高まっている人は多いのではないでしょうか。かくいう筆者も、3月で会社を退職してフリーランスになったこともあって飲み会はもちろん外食の数は激減、ほぼ毎日自炊する生活になりました。

自炊率が高まったことで露呈したのが、自分の料理のレパートリーの少なさ。これまで自炊はするものの、そこまで頻繁ではなかったため、料理と言えば手軽に作れる炒め物が中心だったのですが、毎晩炒め物だとさすがに飽きが生まれます。

これだけ自炊するならもう少しお金をかけてもいいかもな、と考え始めた結果、周囲で評判のよかったシャープの「ホットクック」(KN-HW24E)を購入しました。価格は68,624円(税込)。

たしかに「料理が簡単になる」。けれど……

ホットクックを購入した理由は「料理が簡単になりそう」という漠然としたイメージから。詳しい仕様などはあまり調べることなく「煮物とかカレーが簡単に作れるっぽいぞ」という雰囲気だけで購入を決定。容量も「とりあえず多くて困ることはないだろう」と一番大きい2.4リットルの無線LANモデルにしました。

実際にホットクックを購入してからというもの、毎週のようにレシピを調べて使うほど愛用しています。ただ、最初に思い浮かべていた「料理が簡単になりそう」というイメージはいい意味でも悪い意味でも裏切られました。

悪い意味から先に説明しておくと、ホットクックを使っても料理の手順そのものはさほど簡単にはなりませんでした。当たり前ではあるのですが、料理するために野菜や肉を切ったりはもちろんのこと、肉に下味を付けたり、という下ごしらえは必要です。

もっとも、悪いのはろくに下調べせずに購入した筆者です。「ホットクックは下ごしらえの手間が省けるもの」という勝手な想像を抱いていたので、野菜を多少大きく切ってもいい、というメリットはあるものの、料理の工程を大幅に楽にするほどではありませんでした。

特に筆者の場合、料理を作ること自体は苦手ではなく、どちらかというと食材の準備が面倒に感じるタイプということもあり、「結局、料理の準備はいつも通りしなければいけないのか……」と勝手にがっかりしてしまいました。

「調理時間で別のことができる」のがホットクック真の魅力

一方、いい意味での裏切りは、料理の下ごしらえが終わってから実際に調理する過程にありました。ホットクックの場合、基本的には食材や調味料をすべて鍋に入れてボタンを押すだけで料理ができあがります。

カレーの具材をまとめて投入
できあがり。水っぽく見えるがかき混ぜるとほどよい水分量に
お皿に盛り付けたところ

これは「調理をしなくていい」ではなく、「調理時間に別のことができる」という点で大きなメリットがありました。

前述の通り、筆者は調理自体は苦手ではないのですが、火を使う作業である以上、キッチンから長時間離れることはできません。そのため料理の時間はただ火の通りを見守るだけのために、キッチンに拘束されることも多々あります。

その点、ホットクックはボタンを押したらできあがるまでは一切関与せずにすむため、本来キッチンに立っている時間に別の作業を割り当てることができます。ホットクックには「まぜ技ユニット」というユニットがついており、カレーのような定期的にかき混ぜながら作る必要がある料理でも「ほったらかし」で作れるのです。

まぜ技ユニット
本体内部の蓋側に取り付けると自動でかき混ぜてくれる

特に在宅ワーク中心の生活では、昼のうちにホットクックで準備をしておき、夕方にできあがるようにタイマーをセットしたら食事ができあがるまで仕事に集中できるので、自宅作業を非常に効率良く進められるようになりました。

大きめカットの肉や野菜も柔らかい仕上がりに

便利というだけでなく料理の味という点でもホットクックは大活躍。ただ食材を入れてボタンを押すだけなのに、カレーの肉はほろほろ、肉じゃがのじゃがいももホクホクに仕上がっていて、自分で鍋で作った時とは別物の仕上がり。いつもカレーを作るときは火が通らないことを恐れるあまり野菜を小さめに切っていたのですが、ホットクックならかなり大きめにカットしてもしっかり火が通ります。

手抜き料理というと電子レンジを使った調理方法も人気ですが、電子レンジの場合は温めムラが起きることが多く、レシピ通りに作っても火が通らないことが多々あるなどうまく使いこなせていなかったのですが、ホットクックならそういう温めムラの不安もありません。肉や野菜にはしっかり火が通るという味の良さと、調理時間に他の作業をすませることができる効率の良さが、我が家の自炊生活にはとても便利でした。

なお、ホットクックに同梱されているレシピの中にはホットクックでの調理を二度に分ける必要があったり、予約調理ができないレシピもあるため注意が必要です。

豚の角煮は2回に分けての調理が必要。一度目は豚肉とねぎだけで調理
二度目は調味料を投入
豚の角煮のできあがり

また、できるだけ手抜きで料理を作りたいのに「まずは肉の表面をフライパンで炙ってからホットクックに入れる」というような手間のかかるレシピもあります。筆者のようにできるだけ手を抜きたい人には、実際に作るときは予約対応か、調理にどれくらい手間がかかるのかを確認してから作ることをお勧めします。

料理と仕事を並行できるマルチタスクをホットクックが実現

「調理時間に他のことができる」という点で、自炊の効率化を大幅に高めてくれたホットクック。ホットクックの名前の由来は「ほっとく」から来ているそうですが、実際に使ってみると名前の通り放っておける調理器具でした。

ホットクックで作ることができる料理も、同梱のレシピはかなり丁寧なのですが、ネットで検索すると公式レシピよりも手抜きで作れるレシピがいくつも見つかるので、手抜き優先の人はネットのレシピを頼った方がいいかもしれません。

また、筆者は下ごしらえを面倒に思うタイプですが、準備はいいが調理が面倒、という人であればホットクックはさらに魅力的な商品でしょう。筆者の周りでも「調理しなくてもいいのがうれしい」という点を便利に感じている人が何人もいます。

料理は他の作業と並行することが難しいシングルタスクですが、ホットクックを使えば料理以外の作業はもちろん、複数の料理を同時に作る時でも1つの料理に集中することができます。在宅ワークだけでなく家事や育児をより効率的にこなしたい人は、ホットクックを試してみてはいかがでしょうか。

甲斐祐樹

Impress Watch記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。個人ブログは「カイ士伝