いつモノコト

マスクがない時の花粉対策グッズ3選

花粉症シーズン真っ盛りだが、新型コロナウィルスの影響でマスクが非常に買いにくい状況が続いている。筆者も花粉症なのだが、今のところ一度も店頭で買えていない。

屋外で花粉を防ぐにはやはりマスクは手軽で効果抜群だが、そもそも買えないので手軽さというアドバンテージが無くなってしまった。こうなると花粉症患者としては、マスク以外の対策を取らざるを得ない。

筆者は元々マスクが苦手で、なるべくなら付けたくないと思っている。マスクを付けたくない一心で、マスクに頼らない花粉症対策をいろいろ試して来たのだが、結論としては完全にマスク無しの花粉症対策はけっこう厳しい。厳しいが、マスクが買えないとなると、それなりに有効なものもある。

そこで、筆者が今まで試したものの中から、個人的に有効だと思ったものをいくつか紹介していきたい。なお、執筆時点ではどれも過度な高騰はしていない。

軟膏で花粉をキャッチする「アレルシャット」

まずは、軟膏タイプの「アレルシャット」。購入時の価格は1,070円。ハッカの匂いが付いた軟膏で、これを綿棒で鼻の穴の入り口に塗って、花粉を吸着させ、症状を抑える、というものだ。匂いや手触りは、ヴィックスベポラップやタイガーバームなどに近いというか、そのものに感じる。

アレルシャット

正直、購入前は、半信半疑だったのだが、実際に塗ってみると……思ったよりは効いているかな、という感じはする。入り口だけに塗るので、ほとんどの花粉は鼻の奥に行ってしまうのでは? とも思ったのだが、意外と入り口だけでも花粉を防げるようだ。マスク無しでもそれなりに耐えられる印象。

綿棒で鼻の穴の入り口に塗る

ただ、欠点もいろいろとある。まず、軟膏自体が非常にベトベトする。一応、体温で溶け出さない、ということにはなっているのだが、塗った後、ほんのわずかだが、鼻の外にしみ出してくるような気がする。筆者の塗り方の問題もあるのかもしれないが。

そこで、うっかり指で鼻の下を触ってしまったりすると、指に軟膏が付いてしまうことがあり、ウェットティッシュなどで拭き取らないとなかなか取れない。べとつきで花粉をキャッチするのが目的なのだから当然だが。

また、鼻をかんだりすると、軟膏が取れてしまうので、塗り直さないと行けないなど、いろいろと手間がかかる。

効果はそれなりにあると思われるので、マスクをつけるのがどうしても嫌だ、という時には選択肢の一つになる。

ノーズマスクピットNEO

2つめは鼻の穴に入れるマスク「ノーズマスクピットネオ」だ。鼻の穴に直接入れて、花粉をガードする。筆者的にはこれは効果てきめんで、マスクの代わりとして十分機能すると思っている。

ノーズマスクピットネオ。3個ずつケースに入っている

筆者が買ったものは9個入りで購入価格は1,420円。筆者が購入したのは洗って再利用できるもののため、9個入りで45日分となっている。洗えるかどうかはモデルにより、使い捨てモデルもある。

使い方は、フィルター部分を鼻の奥に詰めるだけ。取り外すときはフィルターを繋いでいる細い箇所をつまんで外すが、切れやすいので注意が必要。装着時は多少鼻が息苦しいが、息が出来ないほどではない。口呼吸が普通にでき、そのまま食事もできるのがマスクと違う点だ。メガネが曇ることもない。

花粉遮断効果はしっかりあると思うのだが、欠点はそれなりにある。まず、鼻の穴に入れるので、装着感は人それぞれ。鼻の穴の形は千差万別なので、人によっては気持ち悪くて使用に耐えないようだ。実は筆者も異物感を覚えるほうで、あまり長時間は装着したくない。ある程度付けていると装着していることを忘れるのだが、何かの拍子に思い出すと、気になり始めてしまう。

人によっては全く気にならないようなので、実際に装着してみないとなんとも言えないところだ。一応、サイズもSとMから選べる。

花粉を洗い流す「ハナクリーンS」

最後に紹介するのは筆者的には最もオススメな花粉対策グッズ「ハナクリーンS」だ。購入価格は2,482円。長きにわたる花粉アレルギーの苦しみから綺麗さっぱり解放してくれた製品である。

ハナクリーンS

これを使う前は、マスクをしていても花粉は多少は入ってくる。その「多少」がアレルギーの原因になるし、家に帰ってからもくしゃみ・鼻水は止まらなかった。

なら、花粉が原因なら洗い流せばよい、という非常に力業かつシンプルなコンセプトの製品だ。

使い方は、本体にお湯で作った生理食塩水を入れて、片方の鼻に挿入。本体をギュっと押して水を押しだし、洗浄するだけ。片方から水を入れると、反対側の鼻の穴から水がだらだらと出て花粉を洗い流す。これを水が無くなるまで繰り返す。だいたい3、4回ぐらいで空になる。

水を吸い上げるホースはおもりが付いているので、本体をどちらに寝かせても水を吸い上げる

生理食塩水なので、鼻への刺激は全くない、のは分かっていても、実際に使ってみるまでは筆者も怖かったのだが、使ってみると本当になんともない。花粉が流されてスッキリするだけだった。

お湯を使うことが推奨されているので、温度計もついている

外出から帰ってきたらこれを使えば、家に居る間はもう花粉のことは完全に忘れられる。筆者は元々花粉症はかなりひどい方で、何も対策をしなければ一日中鼻をかんで、鼻は真っ赤になるし、くしゃみも止まらない。そして、なぜか夜中に鼻がムズムズとして目が覚める、という生活を数年前まで続けていた。花粉を洗い流すことによって、こうした症状はまったく起こらなくなった。

生理食塩水用の塩は、専用のものも売っているが、筆者は自分で塩をお湯で溶かして使っている。ただ、専用品は一回分ごとの個包装になっていて使い勝手がよく、持ち歩きなどにも便利だ。

一応、欠点は、これだけでは外出中の花粉対策にならないことと、水場がないと使えないこと。前者はマスクなどを使うとして、会社など外出先ではハナクリーンSを使うのは難しいかもしれない。特に使用シーンは、あえて人に見せたくなるような状態ではない。類似品のCMなどではモデルさんが綺麗に鼻から水を出しているが、そうそう綺麗にはいかないのだ……。

また、これ一回では量が少なくて洗い切れていないと感じることが時々ある。そういう場合は2回洗うこともあるが、一応、もっと大容量でポンプ式の「ハナクリーンα」「ハナクリーンEX」という上位モデルも用意されている。

花粉を洗ってしまえば辛くない

以上が筆者の使用経験のある花粉対策グッズだ。最終的に普段はマスクか、ノーズマスクピットを使い、家に帰ったらハナクリーンSで洗い流す、というのが筆者の生活パターンになっている。

これらの製品は基本的に鼻しかガードしないので、ウィルス対策にはならない。だからこそ転売などのターゲットになりにくいと思われる。

ちなみに筆者は、薬の類いは眠くなるなどのリスクがあるので、選択肢に入れていない。あくまで物理的に花粉と戦う方向性だ。

マスクを気軽に買えない現状、少しでも花粉症同志のお役に立てれば幸いである。

清宮信志