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軽さは正義! 「無印リュック」がイイ。2,990円で大容量・肩の負担も軽い

無印良品の「肩の負担を軽くする 撥水 リュックサック」

普段からノートPCやタブレット、周辺機器など多数のガジェットを持ち歩くことの多い筆者に取って、荷物を収容して持ち歩くためのバッグは非常に重要なアイテムだ。収容できる荷物の量はもちろん、効率的に荷物を収容できるか、使い勝手はいいかなど気になるポイントは多く、これまでいくつものバッグを試してきた。

そんな筆者が最近愛用しているのが、無印良品が販売する「肩の負担を軽くする 撥水 リュックサック」(以下「無印リュック」)だ。製品名にもなっている「肩の負担を軽くする」というキャッチコピーが気になり、価格も2,990円と手頃だったため試しに購入してみたのだが、今ではすっかり気に入ってしまい、仕事用のメインリュックとして活躍している。

独自の機構とリュック自体の軽さが肩の負荷軽減に効果

本製品最大の特徴と言える「肩の負担を軽くする」仕組みはショルダーパッドの部分にあり、内側と外側で厚みに差をつけることで、肩の内側に集中しがちな荷重を外側にも分散できるのだという。実際に手で触ってみるとショルダーパッドの半分から外側が内側に比べて若干の厚みがあることがわかる。また、今まで使っていたリュックに比べるとショルダーパッドの上側がより内側に位置しており、背負った時の加重が今までよりも内側、肩よりも首の近くに集まっているように感じる。

ショルダーパッドの外側は内側より厚みがある
ショルダーパッド上部が首に近い内側に位置している

無印リュックに切り替えて以降、荷物は相変わらずPCやタブレットなどをたくさん詰め込んでいるのにも関わらず、肩こりに悩まされる機会は激減した。リュック自体が460gと軽量なこともあるが、体感としては「肩の負担を軽くする」は一定の効果があるように思える。

とはいえこれはこれはあくまで個人的な感想であり、肩こりの度合いは荷物の中身や体質によっても異なるので、以降は本題であるビジネスリュックとしての使い勝手を紹介したい。

低価格ながら大容量。収容のためのポケット部は少なめ

普段から持ち歩く荷物の多い筆者に取って、荷物がどれだけ入るかという容積はビジネスリュックにおいて非常に重要なポイントだ。無印良品のリュックサックは容量が25.7リットルと大きく、15インチクラスのPCも十分入る大きさ。底面の面積も広く、縦に置いても自立できるので取り回しやすいのが嬉しい。

横から見たところ。中身が空でも自立する

一方、収容のためのポケット類は少なめだ。リュックの外側は両側にサイドポケットが2つ、前面にファスナー付きポケットが1つと多いのだが、内側はPC用のポケットが1つあるだけ。PC以外にも周辺機器をいくつも持ち歩く、という人は、リュック内の収容部を増やす工夫をした方が使いやすいだろう。

サイドポケットは500mlのペットボトル1本が入る大きさ
内側はPC用のポケットが1つだけ
MacBook Air 13インチを入れてみたところ。ポケットに入るのは13インチ程度までだが、ポケットの外なら15インチでも余裕で入る

筆者の場合、縦型のバッグインバッグを1つ入れっぱなしにしておき、周辺機器はここに収容するようにしている。バッグインバッグのバッグ部分はほぼ使っていないため、より軽量化を図るためにも、できればバッグインボードのような板型の収容グッズがあると嬉しいところだ。

バッグインバッグをリュック内に入れたところ。リュックを立てたまま中身を取り出せる

マウスやHDMI変換アダプタといった周辺機器はバッグインバッグに集約しておき、充電のためのアダプタやケーブルはポーチに入れて管理。また、モバイルバッテリーと充電ケーブルは外側のポケットに入れておき、充電したくなったらすぐ取り出せるようにしている。

モバイルバッテリーはいつでも取り出せる外側のポケットに収納。MicroUSB/Lightning/USB Type-C兼用の3-in-1 USBケーブルをセットにしている

無印リュックで気付いた「軽さ」の魅力

前述の通り、無印リュックに変えても持ち歩くガジェットの数は変わっていないのだが、バッグ自体が非常に軽量なため、バッグインバッグを入れてもさほど重さは増えた感じがしない。今までビジネス用のリュックは収容できるポケットやファスナーといった要素ばかり注目していたのだが、ガジェットを持ち歩くならリュック自体が軽いことが何よりものメリットなのだ、ということを、無印リュックを購入して痛感している。

軽いながらも作りはしっかりしており、ファスナー部分が噛んでしまったりということもなく、片手でスッと開閉できる。生地には撥水加工が施されており、多少の雨ならリュックがはじいてくれる。撥水加工自体は使っているうちに落ちてきてしまうのだが、ちょうど購入した数日後に雨が降った時、リュックが一切水を吸わずに水滴の状態で雨をはじくほどだった。

また、隠れた収容ポイントが背面部分のファスナー付きポケットで、リュックを背負った時の背中部分に財布や定期券などを収容できる。別の記事でも書いたが、筆者は以前に電車内で盗難にあった(かもしれないという)体験があるため、最近ではセキュリティを高めるため、電車内では必ずリュックを前で抱えるだけでなく、このポケットに財布を入れて取り出しにくいようにしている。

財布など貴重品は背面のファスナー付きポケットに収納

購入して気がつくユーザーの多さ。カスタマイズも楽しい

使い勝手の面ではほぼ満足しているのだが、あえて細かい点を指摘するなら本製品こだわりであるショルダーパッドの位置。前述の通り無印リュックのショルダーパッドはやや内側に付いているため、電車などで前に抱えるように持つとショルダーパッドが首にあたりやや苦しくなる。

肩紐を少し緩めてショルダーパッドの位置を下げると楽になるのだが、今度は背中で背負う時にまた肩紐を調節する必要がある。筆者は肩紐のサイズをこまめに変えないタイプのため、この点だけが若干面倒に感じているのだが、紐の調節で解決できる程度なので、慣れれば問題はないだろう。

また、自分が購入して毎日のように使ってみて初めて、街で同じバッグを持っている人の多さに気がついた。都内を移動していると1日に1人は見かけるかもしれない、というくらいの頻度だ。デザインも非常にシンプルなので、自分と他の人のリュックを見分けにくい。以前も知人の集まりで自分のリュックのつもりで背負ったら重さに違和感を覚え、よく見ると自分のリュックではなかった……、という実体験もあるほどだ。

こうした取り間違えを防ぎつつ、自分のアイテムとしての所有感を高めるためにはバッジやワッペンなどでカスタマイズしておくといい。デザインがシンプルがゆえにカスタマイズ性も高く、ネットでは無印リュックのさまざまなカスタマイズ例が紹介されているので参考にして欲しい。筆者も自分のリュックが一目でわかるようバッジで簡単なカスタマイズを施している。

軽くて大容量、低価格と三拍子揃った満足度の高いリュック

500gを切る軽さながら15インチクラスのノートPCも収納できる25.7リットルの容量、そして何よりも3,000円程度という安価な価格が魅力の無印リュック。前述の通り収納のポケットなどは少ないが、そのぶん軽く安価であり、軽さを利用して収納部分を自分好みにカスタマイズすることもでき、ビジネスリュックとしては今までにない満足度だ。

不満はほとんどなく、要望を挙げるなら小物をまとめられるようなオプション製品がほしいぐらいだ。

無印良品のWebサイトにはこのリュックができるまでの開発秘話が掲載されており、このリュックに対する並々ならぬ熱意が伝わってくる。ぜひこのサイトも合わせて読んで欲しい。

IDEAPARK | 無印良品
https://lab.muji.com/jp/ideapark/128/

気になった人は、実際に店舗を訪問して軽さや大きさ、収容力を試してみて欲しい。

甲斐祐樹

Impress Watch記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。ライター以外にも家電ベンチャー「Shiftall」スタッフとして活動中。個人ブログは「カイ士伝