いつモノコト

バッグに求める4つの条件。ポイントは仕分けられるトート

日常的に利用するものほど吟味してお金を払い、使ってみれば良いところも悪いところも見えてくる。それはバッグや文具から、スマホアプリやサービスまで、どんな物事に対しても同様だろう。連載「いつモノコト」では様々な人のモノ、コトに対するこだわりや使う理由、使った印象などを紹介。十人十色のこだわりは、物選び、サービス選びに役立つ気付きを与えてくれるはずだ。

今回は、筆者が普段使っているバッグを紹介、というよりも、自分なりにいろいろ使ってきた結果のバッグ選びの基準と言った方が正しいかもしれない。知名度は高くはないかもしれないブランドのバッグではあるが、吉祥寺周辺の店を歩き回ってコレと決めたバッグである。

コンプリートワークス 1680PE PU 2WAY トートバッグ

バッグに求める条件は4つあり、条件をすべてクリアしたのが、セレクトショップ・CLLECTORSのプライベートブランド「COMPLETE WORKS(コンプリートワークス)」の「1680PE PU 2WAY トートバッグ 9623」(18,900円/税込)だ。これから条件を順につらつらと書いていくが、1つでもなるほどと思う部分があれば、今後のバッグ選びの参考にしてほしい。

身長168cmで中肉中背の筆者が持つとやや大きめに見える

1つ目の条件は、トートバッグタイプであること。その理由は、バッグをかける肩を左右すばやく替えられることが一番にある。実際に替えるシーンは、一方の肩が疲れたときや、電車内で邪魔になるときなど。かけ替えの意味ではショルダーでも良いのだが、ショルダーベルトが長い分、体感的に重く感じるのでトートバッグという選択になった。

また襷掛けのタイプは、メッセンジャーバッグも含め、メインでかける肩とは逆の肩にかけたときに違和感を感じ、ストレスになる。かつて襷掛けを使用していたとき、首を痛めて左肩にかけると激痛が走るようになった。そのため右肩にかけて使用していたのだが、使いづらいことこの上なく、それ以来襷掛けは使用していない。

2WAYということでショルダーにもできるが、ショルダーベルトは使用したことがない

肩の疲れを気にするのであればリュックタイプの方が楽であることは重々承知しているのだが、トートバッグの方がバッグの中身をすぐに取り出せる。この取り出しやすさが2番目の理由だ。しかもずぼらな性格ゆえ、普段からバッグを閉める必要がないという点もありがたい。

2つ目の条件は、ポケットの数が多いこと。財布、カギ、名刺入れ、ティッシュペーパー、ガム、リップクリーム、薬、各種バッテリーなど、小物を限られた場所にまとめて収納すると、ゴソゴソと探し出すのも一苦労。物によって入れるポケットを決めておけば、必要な物をすぐに引っ張り出せるというわけだ。

表面と裏面。矢印で指した部分がポケット。左右は中でつながっているタイプではなく、分離している
表面上側のポケットはスライダーが2つついているので、左右どちらからでも開閉しやすい

トートバッグはシンプルな作りのものが多く、この条件で脱落する商品も多い。一方、現在使用しているバッグの仕様にはこのように記載されている。「外装:ジップポケット×5 内装:PCポケット×1、ポケット×5」。

PCポケットも通常のポケットとして使用しているので、ポケットの数はトータル11個。充実の仕分けライフを送れる数となっている。ちなみに外装のジップポケットのうち1つには、内側にさらにポケットが装備されている。

メインルームの横にあるジップポケット。内側にはさらにポケットを装備
メインルーム内の4つに分かれたポケット。わかりやすいようにそれぞれにペンを挿してみた

3つ目の条件は、横幅ではなく高さで容量を稼いでいるということ。つまり、横長よりも縦長が良い。この理由は、縦長の方が電車内などで邪魔になりにくいから。

ある程度の容量も求めるので、横長の場合、特に電車のシートに座った際、膝から両サイドにはみ出すサイズとなり、隣に迷惑を掛けてしまう心配がある。そのため理想の横幅は、電車のシート1人分以内ということになる。このバッグのサイズは、350×340×140mm(幅×高さ×奥行き)。

底面はこのような感じ

4つ目の条件は、メインルームがジッパーで閉まること。前述のとおりポケットはともかく、メインルームは開けっ放しの習慣。しかし豪雨で中身が濡れてしまいそうなときや、諸々の事情で人に見られてはいけないような物がバッグの中に収納されているときのため、開けっ放しでも使えて、いざというときは閉めることもできるトートバッグが理想なのだ。

ちなみにこのバッグは止水ファスナーを採用。素材も防水に特化したものを使用しているらしいが、そこまで防水にこだわっているわけではない。

天マチの両サイドにはカバーがあり、面ファスナーで固定できる
カバーによって防水性アップ

ということで、バッグ選びの4カ条は
・トートバッグ
・ポケットの数が多い
・容量がありつつ横幅は控えめ
・メインルームにジッパー装備

4つの条件を見事にクリアしているバッグではあるのだが、1つだけ欠点がある。それは、ポケットの数が多すぎるのだ。内装のポケットが、縦2×横2の4つに分割されている。この部分に名刺入れを入れているのだが、この4つのうちのどこに入れたかがしばしばわからなくなり、捜索に時間を要することがあるのだ。

4つのポケットはそれぞれ深さもそれなりにあるため、どこに入れたかわからなくなる

ポケットが多いバッグが欲しいというニーズに応えるべく設計されているのであろうが、いくらなんでもトータル11個というヤケクソ感。やり過ぎれば、それが欠点となりうるのだ。そして消費者は、自分にとっての程よさを求め、わがままを言い続けるのである。

なお、購入してからしばらく経っていることもあり、筆者が使っている物(記事内の写真)からバージョンアップしていて、現在売られている物と型番、仕様が若干異なる可能性もあるのでご了承いただきたい。仕様や写真を見る限り、同じ製品だと思われる。サイズなどの仕様は、実測値ではなく製品ページから抜粋している。

加藤綾