ミニレビュー

テレビの音が聞こえやすい「ミライスピーカー Mini」  80代の父が試した

サウンドファンの「ミライスピーカー Mini」(価格:19,800円)

加齢とともに音が聞こえづらくなるのは仕方ないもの。かくいう筆者の父も80代になり、ここ数年、テレビのボリュームが異常に大きくなっています。そこで気になったのが「ミライスピーカー Mini」というアイテム。

音声ケーブルをテレビへ繋ぐことで、テレビの音を聞こえやすくしてくれるテレビ用スピーカーです。価格は19,800円。本当にテレビの音量の悩みを解決できるのか試してみました。

設置方法がシンプルでわかりやすい

これまで父はテレビとテレビ用のワイヤレスイヤフォンをBluetoothで接続していましたが、この設定を自分ではできませんでした。筆者が同居しているので設定できたものの、別々に暮らしている場合はそうはいきません。

その点、ミライスピーカー Miniは電源コードをコンセントへつなぎ、音声ケーブルをテレビへ繋ぐだけというシンプルな仕様です。もちろん、必要なコードはすべて付属しており、説明書もわかりやすく書かれています。

本体の背面の「音声入力」端子(3.5mmステレオミニ)に音声ケーブル、「DC12V」端子にACアダプターを刺せば、あとはテレビと繋ぐだけ。これだけシンプルな仕様ならひとり暮らしの高齢者でも設定できそうです。音量は最大6で、つまみを回して調節します。

唯一、音声ケーブルをテレビの背面にあるヘッドホン端子に繋ぐのに悩む可能性がありますが、そのあたりは家族がサポートしてあげれば問題ないでしょう。

本体、電源ケーブル、ACアダプターのシンプルな構成。本体サイズは90×200×154mm(幅×奥行き×高さ)
端子周りがすっきりしているので配線が苦手な人でも安心して使える
父のためにスピーカーを設置していた母は機械音痴なこともあり、ここで少し手間取っていた

驚くほど声がはっきり聞こえる

スピーカーの電源をオンにして早速テレビをつけると、驚くほど音がクリアに聞こえます! 耳に問題のない筆者でも「声が聞き取りやすい」とはっきりわかるほど。

耳が遠くなりつつある父は、通常テレビの音量を35にしてようやく聞こえるそうですが、ミライスピーカー Miniの音量を2にして、テレビの音量を25に下げてもよく聞こえていると言います。

ミライスピーカーMiniの音量は0~6で調整可能。リモコンでは操作できないので、最初に調整しておくといい

聞こえやすさは独自の「曲面サウンド」が関係しており、曲面から発生する特殊な音波をより広範囲へ届けます。歳を取るほど苦手になりやすい高音域が聞き取りやすくなり、部屋のどこにいても同じように聞こえるとのことです。

ダイナミック型ドライバーと曲面振動板によるハイブリッド式ユニットで音を届ける

ひとつ気になったのは、人の声はしっかり聞こえるものの、低音はあまり響かないということ。ニュースやドラマなど声がメインとなるコンテンツにはいいですが、重低音の響くアクション映画などは物足りなさを感じました。

その解決策として試したのが、テレビのスピーカーとの同時出力。たしかにミライスピーカーMini単体で聞くよりも音に広がりがあるよものの、音質の点ではテレビのスピーカーのほうが耳馴染みが良いようです。なお、同時出力の場合はミライスピーカーMiniの音量を0.5にしても十分聞こえました。

テレビのスピーカーとの同時出力は、テレビの設定メニューから行なう

同居家庭や集合住宅での使用は要検討

ミライスピーカーMiniを父と一緒に使ってわかったのが、父にとっては「よく聞こえて快適」ではあるものの、ほかの家族は「聞こえすぎてしんどい」となってしまったことです。高音が強調されるので、どうしても長時間テレビを観ると疲れを感じてしまいました。

また、テレビの音量は小さくなりますが、ミライスピーカーMiniからもしっかり音が出ているので、低音の響きが軽減されているとはいえ「テレビの音が小さくなった」という実感はありませんでした。テレビのあるリビングの隣室にいると、普段よりも音がよく聞こえたので、集合住宅での使用は音量への注意が必要かもしれません。

今回は家族と同居&マンション暮らしという環境での使用だったので課題を感じましたが、逆に高齢者だけでの暮らしかつ戸建てであれば、ミライスピーカー Miniは聞こえづらさの悩みを完全に解決する存在になるでしょう。

筆者の自宅では父の寝室に設置するのが最適解になりそうです。「最近、家族が観ているテレビのボリュームが大きいな」と感じたときに、手頃な予算で買えるプレゼントとして検討してはいかがでしょうか。

高校野球の実況の声がよく聞こえるので父は満足していました
今西 絢美