ミニレビュー
iPhone 15シリーズと「軽さ」の価値 “違い”がすぐにわかる
2023年9月22日 19:35
iPhone 15シリーズが9月22日から発売されました。筆者の手元にもアップルからiPhone 15とiPhone 15 Proの貸出機が届いています。今後、いろいろ試していこうと思いますが、触ってすぐに「わかる」違いがありました。
まだ1時間程度しか使っていませんが、USB Type-Cが便利で、ベゼルが細くて、15 Proは「アクションボタン」が便利あたりは確認済みです。それぞれ魅力的なポイントですが、重要なことは「軽い」と(ほんの少し)「小さい」です。
ニュースリリースやWebサイトを見て概ね把握していたつもりですが、今年のiPhone 15シリーズは、「フルモデルチェンジ」感があってなかなか魅力的です。なお、カメラやUSB Type-Cによる拡張などについては、西田宗千佳氏のAV Watchのレビューなどで確認してください。
質感や肌触りが違うiPhone 15シリーズ 魅力は「軽さ」
今回借りた製品は、iPhone 15 ProとiPhone 15。いずれも6.7型ディスプレイを備えており、サイズ的にはだいたい同じです。試用機のカラーは、Proがブルーチタニウム、15がピンクです。
12日のiPhone 15シリーズ発表会でも「デザイン」や「素材」について、かなりの時間を割いてアピールされており、概ね内容は把握していました。デザインのアピールは毎度のことなので、「まあちょっと良くなったんだろうな」ぐらいの気持ちでiPhone 15シリーズの実機を見てみたところ、確かに少し印象が違います。特にiPhone 15の仕上げは従来よりも高級感があるように見えます。
形状自体は普通のスマートフォンで、「ああiPhoneだな」という感じですが、手にもった感触はこれまでとは違います。iPhone 15/15 Proともに、角が取られて手に馴染みやすくなっています。
iPhone 15 Proでは、外装にチタニウムを採用したほか、背面ガラスや、Ceramic Shieldの前面を組み合わせ、内部にアルミニウムフレームを配しています。iPhone 15は、アルミニウム筐体で、スマホ初という背面ガラス全体にカラーを埋め込んだ「カラーインフューズド背面ガラス」を採用。表面はマットな質感になっています。
手に持った感触も少しひんやりした(部屋の温度によりますが)金属感で、なかなか高級感があります。特にiPhone 15のマットな仕上げは、これまでとはかなり違った印象でカバーを付けるのがもったいなく感じます。
そして、最大の違いは「軽さ」です。筆者は普段iPhone 14 ProにPeak Designのエブリデイケース(40g)を装着して使っていますが、それと比べると「すごく軽い」という印象。ケースを外しても明らかに軽さがわかります。
iPhone 15 Proは187g、対してiPhone 14 Proは206gなので、その差は19gなのですが、体感的にはさらに軽くなったように思えます。ちなみにiPhone 15は171gなので更に軽くなっています。
iPhoneはモデルチェンジごとに画面が大きく、重くなるのが半ば当たり前になっていただけに、「軽くなる」だけで結構な驚きがあります。
また、手に持ちやすくなっただけでなく「小ささ」も感じます。
スペックを見てみると
・iPhone 15 Pro:146.6×70.6×8.25mm
・iPhone 14 Pro:147.5×71.5×7.85mm
確かにiPhone 15 Proのほうが縦/横で1mmずつぐらい小さくはなっています。
スペックから読み取るに“誤差”レベルと認識していましたが、実際には角が落ちて持ちやすくなったこともあるのか、一回り小さくなった印象があります。またベゼル幅も薄くなり、画面サイズを維持しながら小型化を実現している点もiPhone 15シリーズの特徴でしょう。
なお、iPhone 15 Pro Maxも短時間ながら触ってみましたが、個人的には「圧迫感」がなく持ちやすくなった印象です。そのため、ProとPro Max、あるいは15と15 Plusを迷っている人で、近場にApple Storeなどがある場合は「一旦触ってみる」こともおすすめです。
筆者もiPhone 15 Proに機種変更するつもりですが、Maxにしてもいいかなとも思い始めています。
また、使い始めてすぐに気に入ったのが「アクションボタン」です。これはiPhone 15 Proのみの機能ですが、左上の物理ボタンを長押して、カメラやボイスメモなどの機能をワンアクションで呼び出せます。ボタンには機能割当が可能で、消音モード、集中モード、カメラ、フラッシュライト、ボイスメモ、拡大鏡、ショートカット、アクセシビリティ、アクションなしの8つから選択できます。
筆者の場合、利用頻度の高い「カメラ」に割り当てていますが、呼び出すカメラもメインカメラ(写真)とセルフィー(インカメラ)のほか、ビデオ、ポートレート、ポートレートセルフィーから選べるようになっています。
iPhoneを「カメラ」として使う機会が多い人にとってはかなり便利な機能だと思います。iPhoneシリーズの場合、ソフトウェア・アップデートで2-3年前の機種でも最新相当の機能が多数追加されますが、これはiPhone 15 Pro/Pro Maxのみの特徴となります。
Type-C対応への期待
今回のiPhone 15シリーズの最大のトピックといえるのが、USB-C(USB Type-C)の対応。実際上、充電に使うだけであれば、Type-CとLightningの違いを意識することはありませんが、Type-CケーブルとLightningケーブルの両方を持ち運ばなくて良くなるというのが最大のメリットでしょう。
また、Androidスマートフォンやパソコン用には多くのType-C対応周辺機器が発売されており、それらとの連携が見込めるというのはメリットでしょう。USBメモリやUSBディスプレイ出力などの検証については、別記事を参考にしてください。
とりあえず、USB Type-CでのASUSの27型4Kディスプレイ「PA279CV」に繋いでみたところ、1秒程度でiPhoneの画面が表示されます。画面を横にすれば、Apple TVも大きな画面で視聴できます。また、オーディオインターフェイスの「MOTU M2」に繋いで、音楽再生しましたがこちらも問題なく利用できました。
Lightningにもさほど不満を感じていなかったのですが、当たり前のように様々な機材とつながるのはやはりありがたいものです。個人的には、iPhoneのビデオデータが容量を圧迫しているため、録画済みデータをUSBメモリやSSDに退避しやすくなる点はメリットかなと感じています。また、汎用的なUSB Type-Cなので、iPhoneのバッテリが厳しくなったときに、PCから充電、あるいはPCで使っているType-Cの電源アダプタから給電できるというのもメリットでしょう。
今後iPhoneにマッチしたUSBメモリや周辺機器の登場にも期待したいと思います。
昨年「iPhoneはあまり変わらないからいい」的な記事を書いていましたが、たしかに変わらない良さがありつつも、「すぐに進化を感じられる」という良さがあるのが今年のiPhone 15と言えそうです。
価格は課題。分割やTrade inなども提案
フルモデルチェンジ感がある今年のiPhone。しかし、価格に関しては円安もあり「年々優しくなくなっている」のも事実です。iPhone 15 Proの256GBは174,800円。昨年の14Pro(164,800円)から1万円の値上げとなっています。
128GB 159,800円
256GB 174,800円
512GB 204,800円
1TB 234,800円
256GB 189,800円
512GB 219,800円
1TB 249,800円
128GB 124,800円
256GB 139,800円
512GB 169,800円
128GB 139,800円
256GB 154,800円
512GB 184,800円
アップルもこの点は把握しており、「分割払い」などを強化しています。Apple Storeにおいては、36回分割で、iPhone 15 Proが4,438円/月~、Pro Maxが5,272円/月~です。またiPhone 15が4,438円/月~です。3年程度使うと考えると、これらを使って初期投資を抑えるのは選択肢の一つでしょう。
もう一つアップルがアピールしているのが下取りプログラムの「Apple Trade In」。前の機種を下取りに出して、その査定額を支払いから相殺するプログラムですが、例えば1年前のiPhone 14 Proで98,000円という査定額がついています。そのため、同じiPhone 15 Pro 256GBへの支払額はその差額の76,800円となります。1年間で毎月6,000円強の負担で、毎年最新機種に買い替えるという考えもありです。
また、携帯キャリア各社も様々な優待プランなどを設けています。高額なスマートフォンですので、自分にあった支払い方選びも重要となりそうです。