ミニレビュー
推し活通勤リュック「オタハピ2」は想像以上に満足度が高かった
2023年3月14日 10:28
カバンメーカーのエースが、“お仕事”と“推し事”どちらにも使える通勤リュック「オタハピ2」を発売しました。パソコンやマウスを収納できる「お仕事スペース」と、ペンライトや双眼鏡を収納できる「推し事スペース」を設けたリュックです。
2つのスペースは完全に分かれており、リュック前側はお仕事スペース、背中側が推し事スペースになっており、職場でのオタバレを防ぎながら、お仕事帰りに推し事現場へ直行できることを特徴としています。
ちなみに“推し”とはアイドルやキャラクターなど応援する対象のこと。推し活をしている人に向けて開発されたオタハピは、第1弾を2021年に発売。筆者も推しがいるので初めてオタハピを知ったときは、細部までこだわり抜かれた機能の数々にかなり衝撃を受けました。
ですが、第1弾は大きさとカラーバリエーションがネックになり、もう少し小さくてブラックがあったら買うのにな……と思い使用には至りませんでした。それから1年後、'22年11月に第2弾となる「オタハピ2」が発売され、新色としてブラックが登場。サイズも小さめの「小」がラインナップに追加されたのです。
理想のサイズ・カラーが出たことで、通勤・推し活どちらにも利用してみることにしました。実際に使ってみると想像以上に満足度が高かったので、使用感をレポートしたいと思います。
ジャンボうちわ不要なら「小」でOK
今回使用した「オタハピ2」ブラック・小は、13.3インチのパソコンやA4ファイルが入るサイズ。
第1弾のオタハピは、コンサートやイベントで使用頻度の高い「ジャンボうちわ」が入ることを前提に作られており、15.6インチのパソコンが入るサイズと結構大きめでした。筆者の推し活現場ではジャンボうちわを使うことがないので、もう少し小さくて良いのにな、と思っていたところでの「小」サイズの発売です。
仕事では13.3インチのノートパソコンを持ち歩いているので「小」はぴったりのサイズ。届いた製品にパソコンを入れてみるとすっぽりと収まりました。なおオタハピ2では「大」も用意されており、そちらは第1弾と同サイズで15.6インチのパソコンとジャンボうちわが入ります。
このラインナップ追加についてエース広報に聞いてみると、「オタハピ」第1弾が好評だった一方、推し事に「ジャンボうちわを使わない」という人や小柄な体格の人から一回り小さいサイズを希望する声が多かったとのこと。カラーに関しても、仕事着に合わせやすい「ブラック」を希望する声もあり、2サイズ・3色展開になったそうです。
オタハピ2を使ってみてまず思ったのが、「推し事スペースがどこにあるのかわからない」ということ。前側のお仕事スペースはすぐにわかったのですが、背中側の推し事スペースが見当たりません。
よく見てみると、お仕事スペースのファスナーはゴールドですが、推し事スペースはファスナーの色がブラックでリュックと同化していたのです。あまりのステルス力の高さに驚きました。
リュック内に「祭壇」の多幸感
推し事スペースにはオペラグラス(双眼鏡)ポケット、ペンライトポケット×2、チケットホルダーポケットなどがあります。オペラグラスは推し活御用達のVixen「ATREK II HR8×32WP」も問題なく収納できました。少し大きめなので入るか心配でしたが、無理なく入れられます。
そして何より魅力的なのが、取り外し可能な「両面クリアポケット」。グッズのブロマイドやアクスタ(アクリルスタンド)、缶バッジなどを入れて観賞用にできます。
クリアポケット表面は仕切りがあり、右側はブロマイドを1枚入れるのにちょうど良いサイズ。左側にはアクスタやステッカーなどを入れたのですが、推しのグッズを1つの場所にまとめるとそれだけでテンションが上がります。
以前オタハピの製作に携わった方にインタビューをしたときに、「両面クリアポケットではちょっとした祭壇も作れます」と言っていたのが印象的だったのですが、実際にグッズを入れてみてその言葉の意味がよくわかりました。
筆者は普段グッズを買っても入手するまでで満足してしまい、後はもうケースに収納してそのままということがほとんどでした。自室に推しのグッズを飾る習慣もなく、それがリュック内だと誰にも見られずに自分だけが楽しめる推し専用スペースが作れて、今まで買ったグッズを有効活用できてかなり満足できました。
コンサートやイベントがない日でも、クリアポケットを入れっぱなしにしておけば日々の仕事の際もグッズを持ち運べ、たまに推し専用のスペースを覗けば多幸感で満たされ、QOL向上に役立っています。
ちなみに推し事スペースは開き具合を調節できるよう、サイドにホックが付いています。荷物を整理したいときはガバっと大きく開け、中身を見られたくないときはホックを閉じて最小限の開き具合にできます。
ほかにもチケットホルダーの裏に付いているベロをリュック内側のテープに引っ掛けると、簡易フラップになりさらに中身を隠せます。フラップにした際はスマホの横置きもできるので、移動中に動画を見るときなどにも便利です。
オタハピ2はポケットが多く、グッズを整理整頓して収納できることに楽しさすら感じるようになるのですが、1つ注意が必要なことがあります。推し事スペースはマチがあまりなく、あまり物を詰め込みすぎるとファスナーが閉まらなくなるということです。ペンライト2本、オペラグラスのほか、細かいグッズであれば問題ないですが、かさばるものは入れない方が良さそうでした。
鈍器のようなペンライトは入るのか
先述のとおり、推し事スペースはマチが広くないので大きいものを入れるのには適していません。例えばペンライトも、昨今はスティックタイプではなく、コンサートのコンセプトに合わせた立体的な形状のものも多く、「鈍器」に例えられることもあるほどです。
筆者も以前参加したコンサートの公式ペンライトが松明をモチーフにしており、大きめのバッグじゃないと入らないことがありました。オタハピ2に入るのか試してみたところ、推し事スペースには入りませんでしたが、お仕事スペースのペットボトルホルダーになら収納できました。
お仕事スペースの方がマチが広いので、鈍器のようなペンライトを持ち運ぶ機会があるときは、ここに入れた方が良さそうです。
収納力が高くマチが広いお仕事スペースは、本来の「通勤リュック」としての役目をしっかり果たしてくれました。
ポケットは、PCポケット、マウスやケーブル類を入れやすい片マチ付きポケット×2、小物を収納できるファスナーポケット、ボトルホルダー×2と豊富に用意されています。
肝心の背負い心地ですが、パソコン、充電ケーブル、ペンライト、オペラグラスとフル装備で背負ってみたところ、重さはありますが無理なく使用できました。ショルダー部分は出荷時のままだと肩が少し痛くなりましたが、少し長くしてリュック自体の重心を下げるようにして背負えば肩への負担が軽減されました。
カラーに関しては、どんな服装でも合わせやすく汚れが目立たないブラックが良いと思いましたが、推しのイベントというハレの現場ではもう少し明るい色でも良さそうでした。ブラックのほかグレージュ、ライトベージュがあるので、明るい色もオススメです。
今まで仕事終わりにコンサートがあるときは、通勤バッグとは別にグッズを入れるサブバッグを用意し、身動きが取りづらいことが多々ありました。それがオタハピなら、1つのリュックにすべてのアイテムを収納でき、両手も空くのでかなり快適です。収納力の高いリュックを探している人にぜひオススメしたいアイテムです。