ミニレビュー

28℃で凍る!? 電気を使わない新冷感グッズを試した

冷感グッズ2アイテムを試してみました

全国で気温40℃超えの地点が多発するなど、今年の夏は暑さが異常です。電力需給が厳しく節電も要請されている中、注目されているのが電気を使わない冷感グッズ。外出時と睡眠時に使える2つのアイテムを試してみました。

27℃をキープする不思議なネックリング

まず試したのは、コジットの「COOLOOP アイスネックリング」(購入価格:2,980円)。首元に装着するタイプのアイテムで、パッケージには「夏の屋外で約2時間ひんやりキープ」とあります。冷却に使用されているのは、NASAが研究開発した特殊素材「PCM」。この素材が約28℃以下で自然凍結することで、27℃をキープするそうです。

コジット「COOLOOP アイスネックリング」

28℃で凍る=固形化する液体と聞くと、なんだか不思議です。届いたとき、常温ですでに固体の状態でしたが、冷蔵庫に入れて冷やすとさらにカチコチに硬くなります。冷凍庫で凍らせる場合の目安は10分、水道水で冷やす場合の目安は30分とのこと。水道水なら、出先でも公園など使える場所が多く、一般的な冷却剤との差別化となるでしょう。

最初に冷やしたとき、あまりにカチコチなので首に装着するときに、本体が折れてしまうのではと怖かったのですが、中の固体が割れても外側のカバーには影響がないので問題ありませんでした。

装着すると、首の後ろまでしっかりと冷やせます。ここはペルチェ素子を使ったネッククーラーとの違いです。冷たさがゆっくり放出されるのか、結露もほとんどありません。これは、水で濡らすタイプの冷却タオルとの違いです。

首に装着。沖縄に持参しましたが、東京よりはるかに涼しかった……
冷房の効いた部屋に置いておくだけでみるみる凍結していきます。首に装着するとしっかり冷たさを感じられます

この日の気温は32℃前後でしたが、やがて中の固体がシャリシャリとしたシャーベット状になってきます。3時間ほどすると、完全な液体になりました。

炎天下で全身を冷やすほどの威力はもちろんありませんが、首元に冷たさがあるだけで意識が紛れるので自分的には不快感が軽減されました。また、テレワークなどの在宅時に、ちょっと体を冷やしたいときにも便利。28℃以下の室内なら、程よく冷たいままなので快適に過ごせます。

液体になった状態
氷の入ったグラスに押し当てると、シャリシャリが戻ってくる。おもしろい

アイリスオーヤマ「冷却ソフトまくら」

続いて試したのは、アイリスオーヤマの「冷却ソフトまくら レギュラー」(購入価格:1,350円)。よくあるアイス枕のようにも見えますが、凍らせても程よくやわらかく、メッシュカバー付きでタオルなどで巻く必要がない点が特徴です。メッシュカバーは、結露による水滴が表面につきにくい立体ダブルメッシュ生地を使用しています。

アイリスオーヤマ「冷却ソフトまくら レギュラー」

冷凍庫で冷やす時間は8時間以上。冷やしてもカチコチには凍らず、ふにゃりとやわらかです。個人的には、アイス枕の固さが苦手で、頭が痛くなりそうなキンキンの冷たさもあって、普段使うことはありません。

しかし、これはやわらかさもあって、頭や首への負担が少なく感じられます。しかも、やわらかさによるものなのか、冷たさもマイルドです。頭を傾けて側面を冷やすのも気持ちが良いです。

やわらかくマイルドな冷たさは、眠りのつきやすさにも繋がるようで、初日は気がつくと眠っており、朝まで起きませんでした。冷たさの持続時間は4時間から8時間とありますが、いつ冷たさがなくなったのか気づかないほど。

自分の頭や首に合う枕がなかなかなく、普段は枕をしないまま寝ることが多いのですが、これは違和感も少なく、暑くない季節になっても常温で使えるのではと思いました。

メッシュカバー付きで、そのまま使える。サイズは幅約30×奥行き約20cm
中には保冷剤が。メッシュカバーは洗濯機で洗える
冷凍庫に水平に置き、8時間以上冷やす
持続時間は4~8時間。固さによる違和感がないので眠りにつきやすい
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>