iPhone、ついにマスク着用でもFace ID解除。Apple Payが超便利に

アップルは15日、iOS 15.4を提供開始しました。最大のポイントは、iPhone 12以降でマスクをしたまま「Face IDのロック解除」が可能になったことです。

iPhoneを「見るだけ」でロック解除できる顔認証のFace IDですが、「マスク」を着けていると解除できないという弱点がありました。コロナ禍に入り、2年強経過し、とうとうこの問題が解決することになります。

また、新たにApple PayやSafari、App内のパスワード入力でもマスクを着けたままFace IDを使えるようになる点も重要です。早速iOS 15.4にアップデートし、「マスク着けたままFace ID」を試してみました。

マスクをしていてもロック解除

前提として、マスクをしたままFace IDのロック解除に必要なのは「iPhone 12以降」です。iPhone 11以前では、iOS 15.4にアップデートしても利用できません。今回はiPhone 12 Proでテストしました。

iOS 15.4にアップデートすると、Face IDの再設定を促す画面が表示されます。枠内に顔を入れて、ぐるりと顔を回転させて認識させるだけなので、特別な設定はありません。また、設定中にマスクを着ける必要もありません。

Face IDの設定画面を見ると「マスク着用時Face ID」のボタンがONになっているはずです。

設定が終わって試してみると、当然なのですが、マスクを着けたままFace IDのロックが解除できます。普通に便利です。

マスクありFace IDの真価はApple Pay

筆者の場合はApple Watchも使っており、Face IDロックの解除に限っては、従来から同じような動作を実現できていました。そのためこの点では、大きな進化という感じもありません。

それより明らかに使いやすくなったのが、Apple Payの支払いです。iOS 15.4では、Apple Pay、Safari、App内のパスワード自動入力などでも、マスクを着用したままFace IDが利用できるようになりました。

iPhoneとApple Watchの併用では、マスクをしたままFace IDロックは解除できたのですが、Apple Payの支払いには非対応でした。そのため、クレジットカードのタッチ決済やnanacoなど、スマートフォンのApple Payで支払う場合、Face IDの認証が必要で、都度マスクをチラっと外す、もしくは別途パスコードを入れるといった対応が必要でした。

このマスクをチラリと外すのが面倒でしたが、iOS 15.4以降ではその手間が省略され、iPhoneを「見るだけ」でOKとなります。レジ前など支払い時のストレスから開放されます。

実際にコンビニでVisaのタッチ決済を試してみましたが、支払い方法としてカードを選んでかざす際に、スマホを見るだけで、ロックを解除。無事に支払いできました。Apple Watch連携でもできなかったことなので大きなアップデートです。

余談ですが、少し驚いたのが、Face IDが起動すると、無意識的に自分のマスクをずらす動作をとっていたこと。本来不要だった動作が、コロナ禍で体に染み付いていることを実感しました。

思えば、Visaのタッチ決済のApple Pay対応は2021年5月、PASMOやnanaco、WAONのApple Pay対応は、'21年10月と、コロナ禍に入ってからでした。

「iPhoneをかざすだけ」のApple Payですが、マスク着用のため発生していた「ひと手間」がようやく解消され、「初めて本来の姿を見せた」とも言えそうです。スムーズに支払えるので、「スマホが便利になった」と錯覚するほどです。

また、銀行やマネーフォワードなど「お金」関連のアプリは、Face IDでロックをしている人は多いと思いますが、これらもマスクを着けたまま解除できます。利便性は向上しますが、他人に見られないよう配慮するなど、少し考え方を変える部分もあるかもしれません。

繰り返しますが、マスク着用でもFace IDロック解除の対応機種はiPhone 12以降です。iPhoneがとても使いやすくなる、大きなインパクトのあるアップデートと言えそうです。