ミニレビュー

ボタン1つで家電まとめて操作が便利。+Styleの「スマートWi-Fiプラグ」

+Styleの「スマートWi-Fiプラグ」

+Styleの「スマートWi-Fiプラグ」は、本体のコンセントに装着した家電をスマートフォンやスマートスピーカーからコントロールできる、「スマートコンセント」「スマートプラグ」と呼ばれるジャンルの製品です。+Styleの直販サイトでは2年保証付きで2,680円(税込)、Amazonでは1,980円(同)で販売されています。

本体にはさまざまな家電の電源アダプタを挿抜できるコンセントと、本体自体をコンセントに装着できるプラグを搭載。使いたい家電とコンセントでスマートWi-Fiプラグを挟み込むように装着することで、スマートWi-Fiプラグ側の電源オンオフすると家電の電源も併せてオンオフされるという、デジタル機器でありながらアナログな仕組みの製品です。

背面にはコンセント装着用のプラグ

動作としては家電の電源アダプタをコンセントから抜き差しするのと変わらないため、スマートスピーカーに対応していない家電でも使えます。一方で、動作としては「コンセントを抜く」のと変わらないため、できることは限られます。いきなり電源を抜いてはいけない電化製品、例えばHDDがずっと動いている「NAS」などには不向きです。

また、電源をオンにするには家電側が「コンセントを挿す」だけで家電の電源も入る必要があります。一部のテレビなどはコンセントを差すだけで電源が入りますが、空気清浄機やエアコンなどコンセントを差しただけで電源がオンにならない家電では、電源をオフにすることしかできません。

消費電力をトリガーにしてテレビの電源を正しくオンオフ

上記の理由から、なかなか使いどころが難しいのがスマートプラグ。ただ、+StyleのスマートWi-Fiプラグは、電源オンオフだけではない便利な機能が搭載されています。

その1つは、家電の消費電力をトリガーにして電源のオンオフが可能なこと。主な用途としては+Styleのスマートリモコン(6,480円/税込)と組み合わせたテレビの操作が挙げられます。

スマートリモコン

テレビリモコンの電源ボタンは、1回押すと電源オフ、同じボタンをもう1回押すと電源オンというように、1つのボタンでオンオフを繰り返す“トグル”になっています(ほとんどの場合)。これはテレビの状態を確認して操作するときは問題ないのですが、スマートフォンやスマートスピーカーを使ってテレビを“まとめて操作”する時にはやや不便なことがあります。

例えば「行ってきます」とスマートスピーカーに発話したら自宅の照明やテレビを全部消す、という設定を作りたい場合。テレビが点いていない時に「行ってきます」と言ってしまうと、照明は消えるのにテレビだけ逆に点いてしまう、ということが起きます。

しかし、消費電力をトリガーにできると、テレビの電源オンオフを明確に区別することができるようになります。具体的には「消費電力が高い」状態を電源オンと見なし、その時に電源ボタンを押したらテレビの電源をオフにするので、テレビを消したかったのに点いてしまった、という状況を無くすことができるのです。

まずはスマートWi-Fiプラグとテレビのコンセントを装着し、テレビが電源オンとオフのときでどのくらいの消費電力(W)なのかを確認。次にアプリのスマートモードで、リビングの照明がオフになったとき、テレビの消費電力も高かったらテレビの電源を切る、という設定を作ることで、テレビの状態に関係なく「行ってきます」と発声して、リビングの照明がオフの時はテレビを必ずオフにできるようになります。

筆者宅のテレビは電源オフ時の消費電力が約30W
電源オン時は約120W。約50Wより上か下かで電源オンオフかどうかを判断できる
部屋のシーリングライトが消えたときにテレビの消費電力が50W以上だったらスマートリモコンでテレビを消す設定で間違いなくテレビをオフに

なお、この設定を作るためには、同じアプリで操作するため、照明とスマートリモコンも+Style製の必要があります。テレビの電源を切るだけならスマートリモコンを使わずスマートWi-Fiプラグでもできるのですが、前述の通りコンセントを抜いたのと同じ動作のため、次にスマートリモコンなどでテレビをオンにするとき、テレビ本体のコンセントが入っていないためにテレビが点かない、という状態になってしまうので不便です。

ボタン1つで家電をまとめてコントロールする「スマートボタン」が便利

スマートWi-Fiプラグのもう1つの特徴が、コンセントの横にあるボタン。このボタンはスマートフォンを使わずにスマートWi-Fiプラグの電源をオンオフするという役割の他に、「ボタンを押して家電をコントロールする」という役割に使うこともできます。

本体横のボタン。オンの時は七色に光る

操作できるのは同じ+Styleの製品に限られるのですが、例えばスマート照明やスマートリモコンを組み合わせることで、「ボタンを押したらリビングの照明とエアコンをオンにする」という使い方が可能です。また、テレビの消費電力を計測する用とボタン操作用で2台のスマートWi-Fiプラグがあれば、前述のように消費電力をトリガーにしてテレビの電源オンオフも組み込むことができます。

本体ボタンを押したら自宅の照明2つとエアコンをまとめてオンに
ボタンを押すと照明がオフになる

同じことはスマートスピーカーのルーティンや定型アクションといった機能でも実現できるのですが、わざわざ声を出さなくても操作できるというのがこのボタンのメリット。真夜中で家族を起こしたくない、風邪で声を出すのが辛い、そもそも毎朝声で操作するのが面倒、という人にとって、ボタン1つで家電をまとめてコントロールできる便利さは一度慣れるとやみつきです。

筆者宅ではこのボタン機能のためにスマートWi-Fiプラグを導入しており、リビングの電気とエアコンをボタンで操作するようにしています。ボタンを使わず声で照明を点けた場合は、スマートWi-Fiプラグの電源がオフなのに照明が点いている、という入れ違い状態になりますが、そんな時もボタンを2回押して再度オフにするだけなのでさほど手間ではありません。

スマートスピーカーやスマート家電を多数導入している筆者宅では、「声を出さずにまとめて操作したい」というシチュエーションも多い。なので、コンセントを使わずこのボタン機能に特化した低価格なスマートボタンにも期待したいところです。

甲斐祐樹

Impress Watch記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。ライター以外にも家電ベンチャー「Shiftall」スタッフとして活動中。個人ブログは「カイ士伝