ミニレビュー
吉野家の非常用保存食「缶飯」と普通の牛丼を食べ比べてみた
2019年8月14日 08:30
吉野家が5月末に、公式通販ショップで非常用保存食「吉野家缶飯(かんめし)シリーズ」を発売した。今回編集部で購入し、スタッフ3人が実食。缶飯の牛丼と通常の吉野家の牛丼を食べ比べてみた。
缶飯シリーズには、牛丼、豚丼、牛焼肉丼、豚生姜焼丼、焼塩さば丼、焼鶏丼がラインアップされており、全6種のセット(4,860円/税込)と、例えば牛丼のみなど1種×6缶の各種6缶セット(4,860円/税込、焼塩さば6缶セットのみ4,590円/税込)が用意されている。
今回購入したのは、全6種セット。いずれも災害時の食料としての栄養価を考慮し、玄米「金のいぶき」を使用していることが特徴だ。
保存期間は常温で製造日を含めて3年。2019年に製造されたものであれば2022年が賞味期限となる。それだけ長く保存ができる缶詰ということで、通常の牛丼とまったく同じ味を求めるのは贅沢というものだろうが、どれだけ再現されているかは気になるところだ。なお実食したのは牛丼のみ、感想は3人の意見の総論にてお届けする。
ということで、蓋をパカっと開けてみると、ギュッと凝縮された感じの牛丼がお目見え。通常の牛丼に見られる肉と米のフックラ感はさすがに再現されていない印象だ。また缶を開けた瞬間に感じる香りは、吉野家の牛丼特有の香りとは若干異なる。
肉を比較してみると、色合いは缶飯の方が濃く、味も濃いのではと思ったが、食べてみるとそれほど濃くはなく、むしろ通常の牛丼のほうが塩気は強い印象。また、写真でも白い部分が見えると思うが、常温では固まってしまう脂によるアブラっぽさは否めない。
とはいえ、通常の牛丼の具とまったく同じ味ではないものの、吉野家テイストを感じられる味わいだ。
なお、見た目には玉ねぎが入っていないように見えるが、肉に混じる形で玉ねぎも含まれており、肉かと思って食べてみると玉ねぎだった、ということがあった。
続いて玄米の金のいぶきを使用しているという米。見た目には通常の牛丼よりもツユに浸っている印象で、ツユダク状態。しかし食べてみるとしっかり食感があり、これは玄米を使用した効果なのであろう。通常の米ではおそらく噛み応えを感じられないほど柔らかくなってしまうと思われる。
最後に常温で固まってしまう脂問題を解決するため、レンジで温めてみた。
すると脂が溶け、格段に食べやすくなる。一方で米の噛み応えは弱くなるので、この点は好みが分かれるところだろう。
なお缶飯に記載されている温め方は、「缶ごと約10分湯煎する」となっている。湯煎をする際は飲料水も必要とせず、火を使える環境さえあれば可能なので、非常時の食卓にはありがたいという意見もあった。
総括すると、通常時の吉野家の牛丼を食べられる時には牛丼を食べれば良い。しかし非常時には、日常で食べているものに極めて近く、しかもおいしい食事を得られることは、身体と心の力になってくれるだろう。吉野家ファンや牛丼好きはもとより、好きというほどではないけれども普段牛丼を食べている人、家族に牛丼などのファストフード好きがいる人は、非常食として常備しておくことをオススメする。