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【いちからわかる!株入門3】銘柄探しの基本 バリュー株とグロース株
2024年5月20日 09:00
株式投資は「安く買って高く売る」が基本。ただもう少し投資スタイルを深く掘り下げると、銘柄の性質に沿って「バリュー株投資」と「グロース株投資」の2つに分類することができます。株式投資における銘柄探しの基本から指標まで連載で紹介します。
この記事は4月16日発売のインプレス刊『いちからわかる!株入門 2024年新NISA対応版』(和島英樹 監修)の一部を編集・転載しています。掲載されている銘柄情報などは2024年3月時点のデータです(編集部)
バリュー株は割安 グロース株は成長期待大
バリュー株とは割安株とも呼ばれ、利益や保有資産などから算出される企業価値と比較して、株価が低い状態にある銘柄を指します。「本来ならもっと高く評価されるべき」銘柄が、知名度が低かったり事業内容が地味だったりなど、何らかの理由で割安な状態のまま放置されている状態がバリュー株です。
一般的に「バリュー株」かどうかを判断する際にはPBR(株価純資産倍率)とPER(株価収益率)を使用します。
一方で、グロース株とは売上や利益が急速に伸びており、株価が大きく上昇する可能性がある銘柄と定義されています。
ニーズが拡大しているサービスを提供し、業績の急拡大が期待できる企業や、革新的なサービスや商品で新たな市場を開拓する企業などがグロース株の特徴です。
配当安定のバリュー株 株価変動大のグロース株
バリュー株とグロース株の特徴をもう少し詳しくおさえておきましょう。
バリュー株の長所は、安定的に配当や株主優待を出している企業が多く、配当利回りも高い傾向にある点です。また、株価の上下変動幅(ボラティリティ)が比較的小さく、予想に反して相場が下がったときも、ダメージが小さいというメリットがあります。一方で、割安なまま放置されて株価の停滞が続く点、上昇したとしてもグロース株のように大きなブレイクが期待できない点がデメリットです。
グロース株は市場の期待が大きく、短期間で2倍や5倍と株価が急上昇する銘柄もあります。一方で、市場の期待が大きすぎるので、業績の低迷やサービス開発の後退が報じられると、大幅に株価が下落する恐れもあります。また事業成長のため資金が使われるので、配当がない、もしくは少ないなどの特徴があげられます。
バリュー株・グロース株が多い業種
業績が安定しているバリュー株は金融や通信・インフラなど成熟した業種に多いです。業績が急拡大しているグロース株はテクノロジー関連が中心となります。
株式投資の魅力から成長株探しまで全6回で連載
第3回:銘柄探しの基本 バリュー株とグロース株
・価格:1,100円
・発売日:2024年4月16日
・ページ数:112ページ
・サイズ:A4変型判
・監修:和島英樹
内容
1章 株の基礎知識
2章 口座座開設と売買方法
3章 銘柄の絞り方
4章 売買のタイミング
5章 銘柄ランキング 株主優待編/高配当編
・監修プロフィール
和島 英樹 (わじま ひでき)
経済ジャーナリスト
現みずほ証券、株式新聞社(現ウエルスアドバイザー)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。近著に「1万円からはじめる勝ち組銘柄投資」(かんき出版)。レギュラー出演番組にラジオNIKKEI「マーケット・プレス」、東京MXテレビ「東京マーケットワイド」、日経CNBC「朝エクスプレス」など。週刊エコノミストなど雑誌への寄稿も多数。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。