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バズるショート動画の作り方 画角・テロップ・効果音
2024年3月7日 10:00
ショート動画とは、主にスマホでの視聴を目的とした、再生時間が1分未満程度の縦型動画のことです。TikTokの登場により人気に火が付いたショート動画は、現在ではInstagramの「リール」やYouTubeの「ショート」などさまざまなサービスが登場しています。最近ではビジネスでの利用も増加するなど、若い世代に限らず、幅広い年代から支持を集めているコンテンツです。
そんなショート動画制作に手元のスマホと無料アプリ「CapCut」だけを使ってチャレンジする方法を、実際の操作画面を用いてわかりやすく丁寧に紹介している『人気インフルエンサーのテクニック満載! スマホでバズるショート動画のつくり方』を3月7日に発売します。
専門的な知識や、高価な機器、ソフトウェアなどは必要ありません。また、動画編集の練習に使えるサンプル動画をダウンロード提供しており、編集した動画の完成度を確認できる見本動画もページ内の二次元コードから視聴できるため、本書を読めばすぐにショート動画制作を始められる内容となっています。
さらに本書の後半には、実際にショート動画をバズらせて活躍している、19組のインフルエンサーへのインタビューを掲載しました。動画編集の技術だけでなく、動画のネタ探しや撮影、動画投稿後の宣伝についても紹介しており、この1冊さえあればもうショート動画制作で迷うことはありません!
ショート動画からヒットした「あかびんたん」チャンネル インタビュー
本書に掲載している、夫婦YouTuberとして日常のライフハックを紹介する動画や検証動画などを投稿している「あかびんたん」チャンネルへのインタビューを、以下に一部抜粋して掲載します。同チャンネルは、2020年頃から動画の投稿を始め、2022年からTikTokのショート動画に参入、今ではYouTubeのチャンネル登録者数100万人の人気チャンネルです。
ショート動画制作を始めたきっかけは?
ネットなどでショート動画が話題になっていたので、これしかないなと思って、流行りに乗ったという感じです。動画投稿は2020年から始めたのですが、なかなかチャンネル登録者数が伸びなかったので、ショート動画にチャレンジしてみようかなと始めました。
同じ画角は4秒以内で! メリハリのある動画作り
ショート動画のネタ探しはどうしている?
SNSを使ってリサーチすることが多いです。基本的にショート動画を見るのですが、「TikTokだけ」などではなくて、InstagramのリールやYouTubeショートなど、ショート動画全般を見るようにしています。よく検証動画を参考にしており、「これ面白いな」と思ったら基本的に採用しています。
例えば、海外の誰かがリンゴにスマホの充電器を刺していて「これ本当に充電できるの?」とみんなが思ってしまう、そのようなショート動画を参考にしていますね。その他には内容面以外でも、「この人のこういう仕草が面白い」とか、「リアクションが面白い」とか、そういう特徴も見つけたらメモして、参考にしています。
また、ネタの面白さを確かめるために、ネタを考えたら2~3日寝かせるようにしています。動画の面白さの度合いは時間が経つと変わってくるような気がしていて、考えたネタを3日後に見ても面白いのかを吟味して、それでも面白かったらやってみる、という感じです。
ショート動画を撮影する時の工夫点は?
一番意識しているのは、同じ画角が4秒以上続かないようにすることです。例えば正面から撮ったり寄りで撮ったり、いろんな撮り方をするようにしていますね。ショート動画は同じ動作が続いていると視聴者が離脱しやすいので、そこを特に意識しています。撮影方法としては、僕がカメラを持って、1台のカメラでいろいろな場所から動きながら撮っています。退屈な時間をなるべく作らないようにすることを、撮影の時点からかなり心がけていますね。
出演者の動きは、最初は特に意識せずに撮っていたのですが、コメント欄とかを見ていくと「商品を出す時の仕草がよい」とか、「リアクションがよい」というコメントをすごくいただきます。たくさんコメントが付いたことを次の動画で取り入れると、さらに「このシチュエーションがよい」というコメントをもらえることもあります。コメント欄を見ると勉強になるので、コメント欄を見て動画を作ることは、結構意識しています。
ショート動画を編集する際の工夫点は?
撮影の時と重複してしまうところもあるのですが、4秒以上同じ画角を続けないことと、強弱をつける、緩急をつけることを意識しています。通常の画角と、引きにしたバージョン、アップにしたバージョンなどをうまく凹凸に組み合わせながら編集していますね。
例えば下の動画だと、「今日は何を作るん?」っていうところから始まって、すぐにアップになります。最初のカットは1秒もないですね。約4秒で画角は4つ切り替わっています。このシーンでは、編集ソフトの機能を使って、1つの動画をアップや引きの画角に編集しています。他に、自分が動いて、寄りのバージョンを撮ることもあります。
BGMやSE(効果音)のポイントは、仕草に合わせてちょうどよい音を見つけて入れていくことですね。例えば、可愛い仕草があったら可愛い感じのBGMを合わせたり、何かを出す時に「ドーン」という、大きな銅鑼を鳴らすような効果音を入れたりとかです。
それから、ツッコミのシーンを1動画あたりだいたい3つほど入れようと考えています。オチとなる笑いどころは「チリーン」という効果音を入れる、というのがお決まりです。この「チリーン」はとても意識していて、1動画で3~4回、多ければ5回とか使っていますね。だいたい10秒に1回は「チリーン」が鳴っている感じです。
テロップは、基本的に話す言葉全てにつけるようにしています。というのも、聞こえにくかったら嫌だなというところがあるからです。視聴者には動画1本を完結して見てほしいのですが、「ここのフレーズ聞こえなかったな」なんてことで見ごたえが欠けちゃったら嫌なので、聞き逃しがないようにということを意識しています。
あとは、テロップの見やすい位置というのがあるので、それも意識していますね。例えば、スマホだと画面の上部3分の1くらいがテロップの見やすい位置になります。何か商品などを映す場合は、中央より下に商品がきて、上の部分にテロップがくるように配置しています。ただし、人物の場合だとまた違ってきます。このチャンネルでは、メインが妻なので、妻が画面の上の方に映るようにして、下にテロップを入れています。そのシーンで見せたいものによって、一つひとつのシーンで主役を変えながら、テロップの位置も変え、かつ、そのテロップを最適な見やすい位置に入れることを心がけています。
ショート動画と横型動画で編集の仕方や心がけている点に違いはある?
大きな差別化はせず、ショート動画と横型動画で雰囲気を合わせることを心がけています。というのも、ショート動画を横型動画に流入してもらうための宣伝のような感じで使っているからです。ショート動画での妻のほんわかした雰囲気を、横型動画でも同じように感じてもらいたいので、ギャップが生まれないように心を配っています。
横型動画ではより素のところを見てほしいと思っているので、ショート動画のような編集面での細かい意識はしていません。ずっと同じ画角で続くカットもありますし、企画なども特にやらずに、素の部分が伝わるようなVlog系の動画を上げています。また、横型動画ではものすごくポピュラーなBGMを使うようにしています。YouTubeを見ている人なら誰もが知っているようなBGMを使って、初めて見た動画じゃないような雰囲気を醸し出すことで、親近感が湧くような作りにしています。
撮影や編集に使用している機材
- 撮影:iPad Pro、ニコン Z 30(ミラーレスカメラ)
- その他の撮影機材:マイク(DEITY V-Mic D4 Duo)、三脚(基本は手持ち)
- 編集:LumaFusion(iPad Pro)
最初はスマホを使っていましたが、スマホは画面サイズの小ささがネックでした。パソコンは編集までのハードルが高くなる感覚があったため、タッチ操作ができるiPadに落ち着きました。
新規ファン獲得のために2~3カ月で新ジャンルへ!
ショート動画がバズったきっかけになったのはどんなことだった?
きっかけはTikTokで上げたアニメキャラクターの声真似でした。その当時『SPY×FAMILY』のアーニャが流行っていて、動画投稿を始めて2カ月くらいで、その声真似を上げたショート動画が最初に伸びたかなと思います。「リアクションがアーニャに似ている」というコメントがたくさんあり、そこを狙って出したらバズったという流れでした。
フォロワーが増えたきっかけはあった?
「同じことをやり続けた」というところだと思います。最初にアーニャの声真似が流行った時は、そっち方面で2、3カ月間同じネタを続けました。そうすると、アニメが好きな人がどんどんファンになってくれたのを感じました。
ただ、ネタには鮮度があると思うので、どこかのタイミングでまたちょっと違った路線に行くようにしています。同じネタを追いかけ続けるのは2、3カ月くらいで、1つのジャンルをずっとやり続けるということは、僕らはしていないですね。
視聴者との関わり方について心がけていることは?
全部のコメントに返信することは時間的にできないので、動画内で積極的に触れるようにしています。例えば「コメント欄でこういうリクエストをいただいたので、今回はこれを検証していきたいと思います」みたいな感じです。動画に実際に来たコメントを貼り付け、その動画内でレスポンスすることで、視聴者とつながっているイメージです。
また、前述のように動画の方向性などを考える時にも、コメント欄をよく読んで活用しています。
読者へのメッセージ
ショート動画は誰もが気軽に作れるし、誰もが持っているスマホで気軽に始められる、よいツールだと思います。やりたいと思っているならチャレンジした方がよいと思いますが、一方で、ある程度戦略を立てないと厳しいという風にも思っています。何でもかんでも撮って上げるのではなくて、自分なりに戦略を立ててやった方がよいと感じます。
あとは、たくさんショート動画を見まくってほしいです。自分は何のジャンルなら勝負できるのか、その選んだジャンルでずっと2カ月3カ月と本当に続けられる企画なのかを吟味して、頑張ってほしいと思います。
・価格:2,090円
・ページ数:232ページ
・サイズ:B5変型判
・著者:リンクアップ
・発売日:2024年3月7日
内容
Chapter1 ショート動画って何?
Chapter2 動画制作の始め方
Chapter3 作った動画を投稿しよう
Chapter4 人気インフルエンサーに学ぶ