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AIアプリ開発のReplit、日本に拠点開設 SMFLがライセンス提供や研修

三井住友ファイナンス&リース 代表取締役社長 今枝 哲郎氏

米Replit(レプリット)は、日本に拠点を開設し、企業向けAI開発サービスの展開を強化する。同社は9月に欧州市場向けのロンドン拠点を開設しており、日本を足掛かりにアジア市場での事業拡大を目指す。

あわせて、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は、Replitを活用した開発手法「エンタープライズバイブコーディング」による企業向けパーソナライズ型SaaSの提供を発表した。

Replitは、自然言語でAIに指示することで、プログラミングの専門知識がなくてもアプリケーションを開発できるクラウド型開発環境。従来はエンジニアが担っていた開発作業に、業務を熟知した現場の担当者が直接参加できる点が特徴となる。

企業ごとの個別要件に対応 半年の開発を1週間に

SMFLが狙うのは、一般的なSaaSの標準機能では対応が難しい、企業ごとの細かな業務要件への対応。従来、こうした個別カスタマイズにはエンジニアによる開発が必要で、時間やコストが課題となっていた。

そこで、同社が長年培ってきた資産管理業務の知見と、ReplitによるAI開発を組み合わせる。顧客の業務に詳しい担当者が開発に参加し、現場の暗黙知や独自の業務フローをアプリケーションに反映することで、個別開発を効率化する。

実際の開発事例では、従来の手法なら6人で半年程度を要するという個別カスタマイズを、Replitを活用することで1人が1週間で完成させた。

また、200以上の画面を持つ大規模な固定資産会計システムの再開発にも活用。要件定義後の開発・テスト期間を、従来の手法と比べて3分の1に短縮できる見込みとしている。

一方、企業向けシステムでは、開発速度だけでなく、セキュリティや品質の確保も欠かせない。SMFLは、自社の資産管理クラウドサービス「assetforce」とReplitで開発したアプリを接続するデータ連携基盤「ADP」を構築。データへのアクセス権限を管理し、企業が許可した情報や操作だけを利用できる仕組みとした。

AIが生成したコードについても、独立した品質管理エージェントによる検証を行ない、最終的には人間のエンジニアが確認する。AIにすべての判断を任せず、企業利用に求められる品質を確保する方針。

日本でライセンス提供や企業向け研修も

SMFLは今後、顧客の現場に入り込んで開発を支援する「フォワードデプロイドエンジニア(FDE)」の育成を進める。FDEが顧客とともに業務を整理し、試作品を作成。実際に操作してもらいながら改善を繰り返すことで、現場の要望をシステムに反映する。

これに加えて、Replitのライセンス提供や顧客紹介の開始に向けた準備を進め、企業向けトレーニングも展開する。11月27日には、今回の取り組みで得られた知見をまとめた書籍「エンタープライズバイブコーディングの衝撃」を発売し、認知拡大を図る。

SMFLは、企業向けの個別開発支援を新たな事業の柱の一つと位置付け、関連サービスの売上規模を今後5年間で10倍に拡大する目標を掲げる。Replitの共同創業者兼CEO、アムジャド・マサド氏は、企業へのAI導入ではセキュリティと管理の仕組みが重要になると説明。企業独自のクラウド環境にReplitを導入する仕組みについても紹介した。

日本での導入企業数の目標については、AI市場の成長を予測することは難しいとして、具体的な数字を示さなかった。ReplitはSMFLとの協業を足掛かりに、日本を含むアジア市場での企業向け事業を拡大していく。

三井住友ファイナンス&リース 代表取締役社長 今枝 哲郎氏、Replit Co-Founder CEOのアムジャド・マサド氏