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観測衛星でAI活用、船舶をリアルタイム監視 MSとスペースコンパス
2025年4月14日 18:14
Space Compassは、マイクロソフトとの合同プロジェクトにおいて、軌道上でAIによるデータ分析を行なうことで観測衛星データのリアルタイム伝送を可能にする技術の実証を行なった。広大な海洋上にある船舶の存在をAIで特定することで必要なデータのみを送信し、98%以上のデータ容量削減効果を実証した。
Space Compassはマイクロソフトと合同でCo-Engineeringチームを立ち上げ、「Azure Orbital Space SDK」衛星内で動作するAIアプリケーションを開発。従来は特殊なハードウェアとセットで開発されることの多かった軌道上で動作するアプリケーションをより汎用的なPythonによって地上のAzure環境上で開発実装し、観測衛星上のコンピューティングリソースへ転送した上で検証を行なった。
軌道上実証では、観測衛星で撮像したデータを軌道上で即時分析処理する実証を3カ月間で40回以上実施。軌道上でのAI処理により衛星画像から検知された船舶の情報のみを取り出し、不要なデータを削除することで、一定の条件の下では地上へ転送が必要なデータ容量を98%以上削減できることが確認された。
これらの成果は、観測衛星データのリアルタイム活用を実現し、安全保障や自然災害対策等の社会課題解決に役立てることが期待できるとしている。
今後は、打ち上げ予定の光中継衛星でのエッジコンピューティング機能をサービスとして実現し、高速大容量の光データリレーサービスを組み合わせることで、リアルタイムかつ地上のクラウド基盤とシームレスに衛星データを活用できるソリューションの実現をめざす。