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NTT、IOWN APNをデジタルツインで最適化 1Tbps級光ネットを即時開通
2025年3月31日 15:00
NTTとNTT Comは、オープン仕様に基づく装置を接続したAPN(All-Photonics Network)において、光ネットワークのデジタルツインによる1Tbps級光波長回線の自動最適化技術を開発。世界初の動態展示を、米国サンフランシスコで4月1日~3日に開催される光通信技術の国際会議「Optical Fiber Communication Conference and Exhibition 2025(OFC2025)」で実施する。
光ネットワークは、大容量になればなるほど、光回線のクロック速度が速くなり、ノイズ対策などの制御が重要になる。今回の技術は、これを自動化することで光回線の専門知識をもった技術者がいなくても、高性能な光ネットワーク構築を可能にするもの。
NTTとNTT Comは、2023年にAPN1.0の提供を開始。APNの技術発展を促進するため、複数のベンダのコントローラと通信装置を接続可能なオープン仕様の標準化も進めている。
今回の展示では、複数社の連携により、オープン仕様に基づく装置を接続したAPNを構成。その上で、複数ベンダによる実設備を仮想設備によって再現した「光ネットワークのデジタルツイン」を使用して、1Tbps級光波長回線の自動最適化を行なう技術を実演する。
光ネットワークのデジタルツインは、実際の光ネットワーク設備から計測したデータに基づき、システム上で仮想設備として再現。デジタルツイン上で光伝送路の可視化や光伝送パワーレベルの最適化を行ない、光波長回線の設定を実際のAPN設備に提供することで、光ネットワークの最適な制御のための設定を自動化する。これにより、オープン仕様に基づく複数社の装置が混在する環境でも、1Tbps級の光ネットワーク回線の即時開通を実現できる。
実証した技術は今後、商用導入に向けてAPNのネットワークシステムへの機能拡張を目指す。また、NTT Comでは、オープン仕様に基づくAPNにおける光ネットワークのデジタルツイン技術のフィールド検証を進める。