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PayPay、街頭募金に対応 東大「赤門」復活もPayPayで

PayPayは寄付団体や財団法人、国立大学法人などの施設内の寄付や募金において「PayPay」を利用可能とした。東京大学の「ひらけ! 赤門プロジェクト」などから順次導入する。

PayPayでは、2024年8月から寄付団体や寄付サービスを運営する企業が、PayPayの法人向けビジネスアカウントを作って、Web上で寄付できるようになっている。同年12月にはお賽銭などにも対応したが、今回、ビジネスアカウントの利用範囲拡大を行なうことで、寄付団体や財団法人の施設内や街頭募金で使用する募金箱でも、PayPayコードを読み込み、寄付を行なえるようにした。

オンラインだけでなく、施設内のPayPayコードなどを読み込み、手軽に寄付が行なえる。なお、寄付を行なうには、PayPay側で本人確認(eKYC)を終えている必要がある。また、「PayPayマネー」のみが寄付に利用できる。

寄付する方法
東京大学の「ひらけ! 赤門プロジェクト」が対応

寄付団体は、H2Oサンタ、ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン、B&G財団、ピースウィンズ・ジャパン、国連WFP協会、日本盲導犬協会、ジャパン・プラットフォーム、赤い羽根共同募金などが順次対応予定。

国立大学法人と学校法人は、明治大学、立教学院、千葉大学、東京大学、関西大学、東北大学、北海道大学、青山学院、関東学院、早稲田大学、広島大学などが順次対応する。

東大「赤門」復活をPayPayで

第1弾に参加するのが東京大学の「ひらけ! 赤門プロジェクト」。

「赤門」は、国の重要文化財であり、東大を代表する建築物だが、耐震性の不足などを理由に、2021年4月から通行を禁止し、門は閉められている。3月24日、25日は卒業式にあわせて門を開けているが、通行できない状態になっている。

赤門。3月24日は卒業式のため開けられていた

赤門は、元加賀藩上屋敷の御住居表御門として、文政10(1827)年に作られた。これまで関東大震災や空襲などの危機を乗り越え、まもなく200年を迎えるが、耐震性の不足により開放できなくなってしまった。そのため、東京大学は「ひらけ! 赤門プロジェクト」を実施し、赤門の補強・修復と赤門と赤門にまつわる歴史文化遺産を守り、赤門周辺を整備し、「赤門ロード」(仮称)で人々が集う場所にするなどのため、10億円規模の寄付を募っている。

寄付自体は2024年からスタートし、すでに5,000万円以上を集めているが、今回より簡単に寄付できる形としてPayPayを採用した。

東京大学 大学院人文社会系研究科文化資源学の松田陽 准教授は、「赤門がいまの残っているのは奇跡。しかし、赤門が閉鎖されるまで、存在が日常過ぎてその重要性に気づかれていなかった。赤門が閉じたことで、大切さに気づいた人も多い。文化遺産を守り、共有できる場所にしていく必要がある」とプロジェクトの趣旨を説明。PayPayを掲示しておくことで、「赤門をみてからすぐに寄付できる。感情を繋げやすい」と寄付の拡大に期待を寄せている。

東京大学 大学院の松田陽 准教授

「ひらけ! 赤門プロジェクト」のPayPay寄付用QRコードは、東京大学コミュニティーセンター内に設置。学校外や屋外に掲示した場合、QRコードがすり替えられる可能性もあるとし、まずは室内の管理できる場所に設置する。

なお、PayPay経由の寄付金額の上限は1日30万円、過去30日以内100万円。1円から寄付ができるが、PayPay側で本人確認(eKYC)を終えているほか、「PayPayマネー」のみが寄付に利用でき、PayPayポイントやPayPayマネーライトは利用できない。