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エポスカード、美術品・文化財を券面に 利用額の0.1%を寄付

丸井グループは、エポスカードの新ラインナップとして、美術品や文化財を券面にデザインした「ミュージアム エポスカード」の発行を3月21日に開始した。提携ブランドはVisa。年会費は永年無料。

丸井グループの社内コンクールから生まれたカードで、国立美術館、国立文化財機構、国立科学博物館との共創により、利用金額に応じて付与されるポイントの一部は「寄付」としてミュージアムの管理・運営に活用される。

「ミュージアムを通して大切なたからものを未来へ残していきたい」という想いから、寄付という形でミュージアムの維持・継続に参画できる仕組みが採用された。

券面デザインは、国立美術館、国立文化財機構、国立科学博物館の各ミュージアムが所蔵する、文化芸術、文化財、標本・資料から厳選して12種類を用意。

国立美術館からはクロード・モネ「陽を浴びるポプラ並木」、国立文化財機構所蔵からはは「遮光器土偶」、国立科学博物館からは「フタバスズキリュウ」などがラインナップされる。

国立美術館所蔵品のデザイン。左から、クロード・モネ「陽を浴びるポプラ並木」、ポール・セザンヌ「大きな花束」、アルフォンス・ミュシャ「サラ・ベルナール アメリカ・ツアー」、千種掃雲「南国」
国立文化財機構所蔵品のデザイン。左から、「遮光器土偶」「埴輪 踊る人々」「見返り美人図」「朝顔狗子図杉戸」
国立科学博物館所蔵品のデザイン。左から、「フタバスズキリュウ」「筑波実験植物園」「生き物たちの日本列島」「ニホンオオカミ」

寄付金額は、カード新規入会1件につき1,000円が、エポスカードから3法人に渡される。

カード利用時は、利用金額に応じた加算ポイントから0.1%が、カード所有者の代わりにエポスカードから、選んだ券面デザインに応じた法人に渡される。

利用金額に応じた加算ポイントから0.1%が寄付される。

オリジナル会員特典も用意。入会後3カ月以内に30,000円以上(税込)利用すると、選んだ券面デザインごとの「ミュージアム」をイメージした特典をプレゼントする。

国立美術館では美術館8連キーホルダー、国立文化財機構では文化財マグネットしおり3枚セット、国立科学博物館では自分で割るジオードセット(麻袋付属)がプレゼントされる。

各ミュージアムをイメージした特典

寄付を通じてミュージアムに恩返し

丸井グループでは、人気アニメやキャラクターなどをクレジットカードの券面デザインに採用した「好きを応援するカード」を展開。2024年3月には、自分のペットの写真やお気に入りの山の写真を券面デザインにできる「オンリーワンカード」も開始した。

現在は全88企画をラインナップしており、会員数は101万人にのぼるという。また、オンリーワンカードでは利用金額の一部が、動物保護団体や山岳保全団体に寄付されるといった取り組みも行なわれている。

ペットの写真を券面デザインにできる
オンリーワンカードは利用金額の一部が、動物保護団体や山岳保全団体に寄付される

今回のミュージアム エポスカードは、2024年3月に開催された丸井グループの社内コンクール「『好き』を応援するコンクール」で、オーディエンス賞を受賞した企画。

「『好き』を応援するコンクール」について、丸井グループ 常務執行役員 CDO 相田 昭一氏は、「これまでの好きを応援するカードはお客様の『好き』を支えるカードとして取り組んできましたが。これからはお客様の『好き』と社員の『好き』、共通の『好き』を通じて、お客様と社員の関係性を変え、新たなビジネスを創出しようとコンクールが生まれました。アルバイトや長期インターンなどすべての社員が参加できるコンクールです」とコメント。

丸井グループの全社員が参加できる「『好き』を応援するコンクール」
丸井グループ 常務執行役員 CDO 相田 昭一氏

ミュージアム エポスカードを企画したのは、新宿マルイでPOP制作に携わっていた三橋 真唯氏。三橋氏は、企画意図について次のように説明した。

「私自身が美術館やミュージアムが好きで、ミュージアムはただ鑑賞するだけでなく、思い悩んだときに自分を支えてくれ、新たな価値観を与えてくれるということが何度もありました。これまでにミュージアムから受け取ったものを少しでもお返ししたく、寄付という仕組みを通して、私と同じようにミュージアムが好きな人が気軽にミュージアムを支えられる機会を作りたいと思い企画しました」

券面デザインは、三橋氏を中心に選定。「もっとたくさんの美術品や文化財を選びたかったのですが、今回は12種類に厳選されています」と三橋氏は話す。

ミュージアム エポスカードを企画した、新宿マルイ 三橋 真唯氏

国立科学博物館 理事・副館長 栗原 祐司氏は、今回の取り組みについて以下のように言及。

「『1000年後、2000年後にまもり、つなげる』というキャッチコピーにとても共感しました。国立科学博物館では『地球の宝を守れ』というタイトルでクラウドファンディングを行ない、館のポリシーにはコレクションを後世につなげることがあります。国から予算が減っている中で、企業から支援の提案があることは非常にありがたいです。エポスカードのメインユーザーは20~30代と聞いており、国立科学博物館は小中学生と保護者の来館が多いので、現在あまりアプローチできていない20~30代にアピールできるのもとても良い機会だと思いました」

また、券面デザインに選ばれた資料について栗原氏は「国立科学博物館は上野だけでなく、目黒で自然教育園、茨城県で筑波実験植物園を運営しています。今回は筑波実験植物園が取り上げられて嬉しいですね。また、ニホンオオカミの標本は、現在国立科学博物館で実施している特別展『古代DNA』で展示されています。ぜひ見てみてください」とコメントした。

国立科学博物館 理事・副館長 栗原 祐司氏
筑波実験植物園やニホンオオカミの標本が券面デザインに採用された
左から、丸井グループ 常務執行役員 CDO 相田 昭一氏、国立美術館 東京国立近代美術館長 小松 弥生氏、新宿マルイ 三橋 真唯氏、国立文化財機構 理事 水田 功氏、国立科学博物館 理事・副館長 栗原 祐司氏